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中国の血液製剤HIV汚染の可能性 バイオ医薬品の安全性に警鐘【禁聞】 [政治]

中国の血液製剤HIV汚染の可能性 バイオ医薬品の安全性に警鐘【禁聞】

【新唐人NTDTV=米NYに本部を置く中国語衛星放送。中国&国際ニュースを独自の視点でお届けします】中国江西省のある新生児が体調を崩し、病院で検査を受けたところ、エイズウイルス(HIV)抗体の陽性反応が出ました。新生児がエイズに感染した可能性が高いため、病院で感染経路を調べたところ、「上海新興医薬」が製造した血液製剤に問題があることを突き止めました。このことは中国社会で大きな波紋を呼び、不安が広がっています。一方、当局はネット上の関連投稿を大量に削除しています。
中国メディア「毎日経済新聞」が2月5日報道したところによると、「上海新興医薬株式有限公司」が生産した血液製剤「静脈注射人免疫グロブリン製剤」がHIV(ヒト免疫不全ウイルス)抗体検査で陽性を示しました。ネット上に投稿された複数の画像によると、中国衛生健康委員会はすでに通知を出し、各地の医療機関で同製品の使用を停止するように指示していました。また、すでに問題製品を使用された患者に対しては、病状の観察を求めています。
問題のある製品は(製造番号20180610z)、1万2000本あまり製造されており、上海市食品薬品検疫所が検品し、流通を許可しています。
中国の「新京報」はワクチン専門家、陶黎納(とう・りのう)氏の話しを引用し、問題の静脈注射人免疫グロブリン製剤は少なくとも1000人の供血者の血液を原料としているが、今回の事件は供血者の一部がHIVウイルス携帯者であることを示していると報道しました。
今回の事件は中国のバイオ医薬品の安全性に再度警鐘を鳴らしました。規定に基づくと、中国の血液製剤は出荷までに、複数の検品過程を経なければなりません。原料となる血漿の採集段階の検査から製造段階における複数回の検査、ウイルスの不活化、血液製品の出荷時の検査、医薬監督管理部門の検品と流通許可など、複数の工程を経て、最終的に患者に使用されることになります。
では、これほど厳しい検査過程を経ているはずなのに、なぜ問題が起きたのでしょうか。
在米時事評論家 唐靖遠さん
「当初の吉林省長春長生生物の不正ワクチンにしろ、江蘇省の期限切れワクチンにしろ、今回の血液製剤汚染問題にしろ、中国の生物医療産業の混乱状態が窺い知れる。監督管理システムは
ないに等しい。つまり、中国の医療部門は利益のためなら人命を傷つけることも厭わない。そこまで道徳が喪失し
、管理が腐敗している」
中国衛生部の元高官 中国健康教育研究所 陳秉中所長
「再犯を防ぐには教訓を汲み取らないといけないが、国が隠蔽しており、その土壌を与えている。だからこの種の問題が繰り返し発生する。根源はここにある」
今回の事件に対しても、当局はいつもの手口、「情報封鎖」で対処しています。ラジオ・フリー・アジアは中国赤十字会の元高官、任瑞紅(にん・ずいこう)氏の話を引用し、業界内部ではすでに1週間前から噂が広がり、病院では患者に使用しないよう求められていたが、外部に対してはこの情報を封鎖していたと報じました。
同時に、ネット上の報道とコメントが大量に削除されました。7日朝、官製メディアの新華社は国家医薬品監督管理局の話として、上海市が問題の製剤について独自で検査したが、HIV抗体は陰性を示したと報道しました。また、江西省でも同じロットの製剤を使用された患者に対して検査を行なったところ、同じく陰性反応を示したと報じました。
しかし、アメリカ在住の時事評論家、唐靖遠(とう・せいえん)さんは、今回の問題製剤は量が多く、しかも多くがすでに使用されており、医薬品監督管理局の検査には限界があると指摘します。
在米時事評論家 唐靖遠さん
「医薬品監督管理局は、ごく一部の残りの製品を検査しただけだ。しかもサンプリング検査なのか、それとも全面的な検査なのかについても、はっきり説明していない。今回問題製剤を使用された患者も、被害者全体のわずかな一部分にすぎない。全員陰性であるというこの検査結果が本当だとしても、江西省のみの結果に過ぎない」
公開資料によると、 上海新興医薬の前身は「中国人民解放軍総後勤部衛生部上海新興血液製品研究所」で、のちに国営企業傘下の「国家血液製品指定生産企業」となり、研究、生産、販売まで手がけるようになりました。
唐さんは、現体制の下では国営企業ほど問題が多いと指摘します。
在米時事評論家 唐靖遠さん
「党が全てを支配する体制下では、素人が上に立ち、彼らは生物学的製剤産業を独占している。党が管轄する企業は、コストダウンのため、検疫の工程を無視することが多い。最終的に問題が起きても、庶民が被害を受けるだけだ。抗議が起きると、強大なシステムでもみ消す」
上海新興医薬は2016年3月にも、製品の潜在的な品質リスクに対する評価を怠り、上海市食品医薬品監督管理局から警告を受けました。
しかし今回、上海新興医薬は同じロットの原料で他の血液製剤も生産しています。専門家によるサンプリング検査が進められていますが、今の所、HIV抗体の陽性反応が出たという報道はありません。
中国の血液製剤HIV汚染の可能性 バイオ医薬品の安全性に警鐘【禁聞】
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