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安倍総理は平昌五輪の開幕式に出席するべきか?するべきでないか? KAZUYA [政治]

安倍総理は平昌五輪の開幕式に出席するべきか?するべきでないか? KAZUYA

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韓国また蒸し返し!不可逆的じゃなかったっけ…慰安婦合意?でも分かってたよ、だって韓国だもの!KAZUYA [政治]

韓国また蒸し返し!不可逆的じゃなかったっけ…慰安婦合意?でも分かってたよ、だって韓国だもの!KAZUYA

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【1月12日配信】上念司の経済ニュース最前線「●Vの深刻さについて・尖閣接続水域に中国の潜水艦・玉木さん覚えてますか? なぜ今円高?日銀出口戦略?」桜林美佐【チャンネルくらら】 [政治]

【1月12日配信】上念司の経済ニュース最前線「●Vの深刻さについて・尖閣接続水域に中国の潜水艦・玉木さん覚えてますか? なぜ今円高?日銀出口戦略?」桜林美佐【チャンネルくらら】

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【沖縄の声】新キャスター”新垣亜矢子”氏と語る!日本の女性・家庭・教育・少子化問題[桜H30/1/12] [政治]

【沖縄の声】新キャスター”新垣亜矢子”氏と語る!日本の女性・家庭・教育・少子化問題[桜H30/1/12]

平成30年1月11日木曜日に放送された『沖縄の声』。隔週木曜日では、新キャスターに豊見城市議会議員の新垣亜矢子氏とゲンちゃんで番組をお送りします。今回は「日本の女性・家庭・教育・少子化問題」などについてキャスターそれぞれの見解をお話しいただきます。
※ネット生放送配信:平成30年月1月11日、19:00~
出演:
   新垣 亜矢子(豊見城市議会議員・沖縄支局担当キャスター)
   ゲンちゃん(沖縄支局担当キャスター)
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【我那覇真子「おおきなわ」#2】すぎやまこういち氏と「愛国」を語る[桜H30/1/12] [政治]

【我那覇真子「おおきなわ」#2】すぎやまこういち氏と「愛国」を語る[桜H30/1/12]

「大和」「おきなわ」「家族のように繋がっていく日本ネットワーク」というイメージを込めたタイトル「おおきなわ」。
メインキャスターの我那覇真子が、現在の日本に蔓延る「負の和」を「正の和」に変え、本来あるべき日本を取り戻すべく、政治家・識者に問いかけたり、全国草莽の皆さんとの活動を紹介する番組。偉大な作曲家にして真の愛国者・すぎやまこういちによるプロデュースでお送りします。
司会:我那覇真子(「琉球新報、沖縄タイムスを正す県民・国民の会」代表運営委員・日本文化チャンネル桜沖縄支局キャスター)
ゲスト:すぎやまこういち(作曲家)
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【青山繁晴】医師を目指すべきか?~葛藤あればこそ通る筋道 / 「拝金主義」と断じる前に[桜H30/1/12] [政治]

【青山繁晴】医師を目指すべきか?~葛藤あればこそ通る筋道 / 「拝金主義」と断じる前に[桜H30/1/12]

独自且つ的確な視点と情勢分析による鋭い提言や価値ある情報発信において他の追随を許さない青山繁晴が、視聴者からの質問に答える形で、日本の現状と未来を展望していく『青山繁晴が答えて、答えて、答える!』。
今回は、医師の家系に生まれ、自身も医師になることを期待されている質問者の葛藤に対し、医師であればこそ自らの生き方を貫ける可能性もあるという助言をお伝えします。また、現在の日本には「拝金主義」が蔓延してしまっていると嘆く質問者に対しては、一見、失われてしまったかのように感じる「本質」を見つけ出すための視点についてお話しします。
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【Front Japan 桜】トランプ暴露本の愛読者 / 遁走を続ける戦後日本 / 引きこもりは憲法違反?[桜H30/1/12] [政治]

【Front Japan 桜】トランプ暴露本の愛読者 / 遁走を続ける戦後日本 / 引きこもりは憲法違反?[桜H30/1/12]

気鋭のキャスター陣が、ますます混迷を深める日本の現状や国際情勢を読み解くべく、日本最前線(Front Japan)の気概で、日々のニュースや時事のほか、様々なテーマについて取り上げ、日本が進むべき正道を追求します!
キャスター:佐藤健志・銀谷翠
■ ニュースPick Up
 ・尖閣・接続水域に中国潜水艦か~手をこまねいている場合ではない
■ トランプ暴露本の愛読者
■ 遁走を続ける戦後日本
■ 引きこもりは憲法違反?
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【直言極言】中国が築き上げた人とサイバーの侵略装置[桜H30/1/12] [政治]

【直言極言】中国が築き上げた人とサイバーの侵略装置[桜H30/1/12]

今回は、友好を謳い上げるその陰で、着実に侵略の準備を整えている、中国共産党の脅威について警鐘を鳴らしておきます。
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『真相深入り!虎ノ門ニュース 楽屋入り!』2018/1/12配信 [政治]

『真相深入り!虎ノ門ニュース 楽屋入り!』2018/1/12配信

霞ヶ関・永田町の背後から、政治・経済・社会を斬りつける!!
憂国の志士たちが日替わりで繰り広げる生放送のデイリーニュースショー!
この番組は地上波テレビっぽい、いわゆる「事前の段取ごと」は基本いたしません。
なので、ニュース選びも出演者打ち合わせもすべてダダ漏れ感覚でお送りします。
そのため、司会者やパネラーがスタジオ入りするのも放送直前!
そこからこの日の番組をどう作っていくのか?何にこだわって語るのか?
番組作りの舞台裏もお楽しみください!
MC 米粒写経(こめつぶしゃきょう)居島一平
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余命三年時事日記 2255 ら特集10仙台弁護士会⑤6 [余命三年]

余命三年時事日記 2255 ら特集10仙台弁護士会⑤6
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/12/2255-%e3%82%89%e7%89%b9%e9%9b%8610%e4%bb%99%e5%8f%b0%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e2%91%a4%ef%bc%96/ より

平成26年11月13日 秘密保護法施行令等の閣議決定に対する会長声明
ttp://senben.org/archives/5627
本年10月14日、特定秘密の保護に関する法律(以下「秘密保護法」という。)の施行令及び運用基準等、並びに施行日を本年12月10日とすることが閣議決定された。当会は、2013年12月13日付会長声明及び本年2月22日付総会決議により、秘密保護法について、①特定秘密の範囲が広範かつ不明確で、恣意的な秘密指定がなされるおそれがあるため、知る権利の保障や国民主権の原理にもとること、②秘密指定等の適正をチェックする独立した第三者機関が存在しないこと、③処罰範囲も広範かつ不明確であり、罪刑法定主義の観点からも重大な疑義が存し、国民やメディアにも深刻な萎縮効果をもたらすこと、④適性評価制度により国民のプライバシーや思想・良心の自由を侵害されるおそれがあること、⑤被疑者・被告人の防御権及び裁判を受ける権利を侵害しかねないこと、などを指摘し、同法は廃止しか方法がないことを訴えた。政府は、本年7月24日、施行令(案)及び運用基準(案)等を公表し、パブリックコメントを実施し、同パブリックコメントを受けて運用基準(案)等を一部修正したが、当会が指摘した上記各問題点は、そもそも秘密保護法そのものの持つ欠陥であり、この運用基準案等及びその修正を考慮しても、上記各問題点を克服できていない。即ち、
① 秘密保護法の別表及び運用基準を総合しても、秘密指定できる情報は極めて広範であり、恣意的な秘密指定の危険性が解消されていない。
② 政府の恣意的な秘密指定を防ぐためには、すべての特定秘密にアクセスすることができ、人事、権限、財政の面で秘密指定行政機関から完全に独立した公正な第三者機関が必要であることは国際的な常識であるが、同法が規定している独立公文書管理監等の制度にはこのような権限と独立性が欠けている。即ち、独立公文書管理監は一名しかおらず、しかも同管理監を補佐する情報保全監察室のスタッフは少人数であるうえ、秘密指定機関へのリターンを認めないこと、すべての秘密開示のための権限を認めること、内部通報を直接受けられるようにすることなどは全く実現していない。しかも、同管理監は、不正に運用されていると判断すれば、当該大臣に指定の解除を求めることができるが、当該大臣はこれを拒否できるとされており、実効性はない。
③ 秘密保護法には、違法・不当な秘密指定や政府の腐敗行為、原発事故など大規模な環境汚染の事実等を秘密指定してはならないことを明記すべきであるのに、このような規定がない。
④ 特定秘密を最終的に公開するための確実な法制度がなく、多くの特定秘密が市民の目に触れることなく廃棄されることとなる可能性がある。
⑤ ジャーナリストや市民を刑事罰の対象としてはならないことは、「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(ツワネ原則)にも明記されているが、それが実現されていない。などの重大な問題を抱えたままである。
よって、当会は、国民の知る権利と民主主義を危機に陥れ、国民主権をないがしろにする秘密保護法を廃止すべきこと、同法の廃止までの間施行令及び運用基準等の施行を中止すべきであることを強く訴える。 2014年(平成26年)11月13日仙台弁護士会会長齋 藤 拓 生

平成26年09月05日 死刑執行に断固抗議し,死刑執行を停止するとともに,死刑に関する情報を広く公開し,死刑制度の存廃に関する国民的議論を求める会長声明2014年(平成26年)9月5日仙台弁護士会 会長 齋 藤 拓 生
ttp://senben.org/archives/5529

平成26年08月27日 宮城県消費者教育推進計画策定に関する意見書
ttp://senben.org/archives/5524
平成26年8月27日
宮城県知事 村井嘉浩  殿
宮城県消費生活審議会 御中
仙 台 弁 護 士 会
会長 齋 藤 拓 生
宮城県消費者教育推進計画策定に関する意見書

第1 意見の趣旨
1 「宮城県消費者教育推進計画」の策定に関し、当会平成26年6月12日付「要請書」における「要請の趣旨」記載の内容を踏まえ、再検討するよう求める。
2 「宮城県消費者教育推進計画」の重要性に鑑み、専門の事項を調査させるため専門委員を置くなどの方策を検討するよう求める。
第2 意見の理由
1 「宮城県消費者教育推進計画(素案)」の発表
平成24年12月に消費者教育の推進に関する法律(以下「推進法」)が施行されたことを受け、宮城県においても、宮城県消費生活審議会において消費者教育推進計画(以下「推進計画」という)を策定していくことが決定された。宮城県は、平成26年7月24日に開催された消費生活審議会において、「宮城県消費者教育推進計画(素案)」(以下「素案」という)を発表した。
2 当会平成26年6月12日付「要請書」で指摘した事項が検討されていないこと
当会は、素案の発表に先立ち、宮城県に対し、平成26年6月12日付「要請書」(以下「当会要請書」という)において、推進計画の策定にあたり、下記の事項を要請した。

(1)推進法の趣旨と「消費者市民社会」の意義を普及、啓発する方策について検討し、推進計画に盛り込むこと
(2)消費者庁作成のイメージマップ等を活用して、①推進計画策定の前提として現状分析を十分に行い、②具体的なアクションプランを策定すること、③推進計画策定後の実施状況の検証・検証方法についても推進計画に盛り込むこと
(3)消費者教育等の担い手の育成や、学校における消費者教育の充実等について、理由中に例示するような具体的方策を検討し、推進計画に盛り込むこと
(4)消費者問題を扱う宮城県内の関係諸団体の意見を十分に反映することしかし、以下に述べるとおり、素案においては、当会要請書で指摘した重要な事項が十分に検討されているとは言い難く、推進計画の内容としては極めて不十分であると認められるので、再検討を求める。
3 「消費者市民社会」の意義の普及、啓発に関する方策について再検討が必要である
(1)「消費者市民社会」の意義の普及、啓発に関する具体的方策
推進法では、その基本理念において、「消費者教育は、消費者が消費者市民社会を構成する一員として主体的に消費者市民社会の形成に参画し、その発展に寄与することができるよう、その育成を積極的に支援することを旨として行われなければならない」と定められている(同法第3条第2項)。このような「消費者市民社会」の意義やその形成・発展に参画・寄与していく消費者の育成は、被害対応を中心に考えられていたこれまでの消費者教育から一歩進んだ、新たな視点を提唱するものである。しかし、このような「消費者市民社会」を目指す消費者教育は、一般にはまだ馴染の薄い内容である。従って、当会要請書において、まずはこの推進法の趣旨や「消費者市民社会」の意義をいかに普及、啓発していくかが重要であり、これを推進計画の重点課題として掲げるとともに、その具体的方策を検討し、推進計画の中にも盛り込むべきであると要請した。ところが、素案においては、「第1章 消費者教育推進計画に当たって」の「第1節 計画の背景と趣旨」において、わずかに、「消費者市民社会」の形成を目指して「宮城県消費者教育推進計画」を策定し、各関係機関との連携のもと消費者教育の更なる推進を図ること、「消費者の自立」「消費者市民社会」の形成という観点から、消費者教育推進のための人材育成に力を入れていく必要があることが示されているに過ぎず(素案1頁)、「消費者市民社会」の意義を普及、啓発していくための具体的方策が盛り込まれているとは言い難い。上記の通り、「消費者市民社会」の形成・発展に参画・寄与する消費者の育成を支援することが推進法の基本理念であるから、推進計画においては、「消費者市民社会」の意義の普及、啓発のための具体的方策を盛り込むことが不可欠というべきであり、この点について素案を再検討すべきである。なお、「京都府消費者教育推進計画」においては、「消費者市民社会の構築に向けた気運づくり」として、「『消費者市民社会』等に係るキャッチコピーの募集・普及」等の具体的施策が盛り込まれており参考になる。
(2)「消費者の責務」でないことへの注意
素案においては、「本計画における『消費者の自立』とは『消費生活に関する知識を修得し、これを適切な行動に結びつけることができる実践的な能力』(法第3条)を持った消費者が『消費者市民社会を構成する一員として主体的に消費者市民社会の形成に参画し、その発展に寄与』(法第3条第2項)する状況となることを指します」と記載されているが(素案1頁)、当会要請書において指摘したとおり、「消費者市民社会」の形成・発展に参画・寄与する消費者の育成は、あくまで国及び地方自治体の側の責務であって、消費者の側にそのような消費者となるべき責務を課すものではない。素案は、かかる観点が欠落しており、「消費者の自立」の名の下に消費者に責務を課すことに結びつきかねないので、この点についても再検討を求める。
4 イメージマップ等を活用した、現状分析、具体的なアクションプランの策定、推進計画策定後の検証について再検討が必要である
(1)イメージマップ等を活用した現状分析
効果的な推進計画を策定するためには、消費者庁が作成したイメージマップを参考にしながら、宮城県独自のイメージマップを策定し、宮城県における消費者教育の内、どの領域が不足しているか等を十分に分析すべきである。ところが、素案においては、消費生活センター等に寄せられた消費生活相談の統計や、学校に対するアンケート調査結果に基づき、一応の現状分析はなされているものの(素案3ないし9頁)、上記イメージマップを活用してどの領域が不足しているかの分析がなされているとは言い難く、再検討が必要である。
(2)具体的なアクションプランの策定
推進計画を実効性あるものにするためには、推進計画の策定にあたって、抽象的項目やこれまでの消費者教育行政の整理に止まらず、具体的なアクションプランを策定することが重要である。ところが、素案においては、「第3章 消費者教育推進計画の具体的取組」において、消費者教育推進のための具体的取組が示されているものの、いずれも現在行われている取組を羅列したに過ぎず(素案10ないし19頁)、現状分析をもとにした具体的なアクションプランが示されているとは言い難い。この点、例えば、消費生活相談の統計からは、「平成21年度には22%だった60歳以上の高齢者層の割合が年々増加し、平成25年度には31%と平成21年度と比較して1.4倍に増加し高齢者層の相談割合が増加していることが分かります」との分析がなされている(素案3ないし4頁)。また、学校に対するアンケート調査結果によれば、「他の優先課題があり取り組めない」「活用できる教材が少ない」「教員のスキルアップを図る研修の機会が少ない」「指導者や講師となる人材の情報が得られない」「どのような取組をすればよいか分からない」といった回答が多数寄せられているとの結果が出ている(素案6頁)。にもかかわらず、これら分析ないし調査の結果に基づく新たな具体的取組は何ら示されていないので、この点も再検討が必要である。
(3)推進計画策定後の検証
推進計画の実効性確保のためには、推進計画策定後も、アクションプランへの取組状況やその効果を検証、評価していくこと、及びその検証方法について、推進計画にも明記することが重要である。ところが、素案においては、平成30年度までを計画の期間とし、計画の期間内であっても社会情勢の変化等に対応するため必要に応じて見直すこと(素案2頁)、平成28年度に宮城県消費者施策推進計画(第3期)に組み込まれた後も3年を目処に基本方針の見直しを行うとしている国の動向を踏まえ、適切な管理を行っていくこと(素案20頁)が記載されているのみで、具体的な検証方法については何ら明記されていないので、再検討が必要である。この点、「静岡県消費者教育推進計画」においては、「消費者教育の推進体制に関する進捗評価」として数値目標とその達成予定時期が定められており、参考となる。
5 消費者教育の担い手の育成と学校における消費者教育の充実について再検討が必要である
(1)消費者教育の担い手の育成
消費者教育の実践のためには、消費者教育の推進に関する基本的な方針(以下「基本方針」という)にあるとおり、その担い手の育成が重要であり、担い手育成のための具体的方策についても推進計画に盛り込むべきである。消費者教育の担い手としては、これまでも消費生活相談に対応し知識、経験の積み重ねのある消費生活相談員が考えられ、相談員へのさらなる研修の充実や、これまでも当会が要請してきた相談員の雇用、地位の安定等が重要である。「静岡県消費者教育推進計画」においても、消費者教育の担い手の育成・活用について、「消費生活相談員の資質向上」が重点的に取り組むべき事項とされている。また、平成26年6月に成立した改正消費者安全法(不当景品類及び不当表示防止法等の一部を改正する等の法律)において、消費生活相談員の職が法律に位置づけられ、その専門性の確保・向上が重要課題とされ、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)から、改正法公布を契機として、「雇い止め」を廃止し相談員の処遇改善を求めるメッセージが出されている。「雇い止め」は、消費者教育における人材育成・活用においても大きなマイナスとなることは明らかである。素案においては、国や弁護士会等と連携して更なる研修の充実を進めるとするのみで(素案15頁)、消費生活相談員の担い手としての重要性、相談員の資質の向上、雇用、地位の安定については何ら触れられていないので、この点について再検討が必要である。また、相談員以外の地域における人材の育成も重要であり、そのための具体的方策としては、例えば、ケアマネージャー、ヘルパー、民生委員等の高齢者・障害者等を支援、見守る立場の者への研修の実施、啓発・情報提供等の他、県が養成講座を開設するなどして地域における消費者リーダーとなる人材を育成する等の積極的対策が検討されるべきであるが、素案では、人材育成の具体的方策についても従前の取組例が記載されているに過ぎず(素案16頁)、さらなら検討が必要である。県においては、市町村の消費者教育支援も重要な役割である。県が養成講座等により人材を育成するとともに、その人材が市町村において活用されるよう、活用促進策もあわせて検討されるべきである。この点、「静岡県消費者教育推進計画」においては、「消費者団体、法曹関係者、事業者、県研修終了者等の活用」に取り組むとして、県民消費生活センター単位で講座を開設し、平成29年度末までに1200人の消費者教育の担い手(地域人材)を育成することを明記しており、参考になる。市町村支援についても、県が、養成講座やレベルアップ講座等を開設して消費者リーダーを養成した上、市町にその人材活用を働きかける取り組みをしている例(山口県等)が参考にされるべきである。
(2)学校における消費者教育の充実
学校における消費者教育の充実のための具体的計画を盛り込むことも重要であるところ、既に指摘したとおり、学校に対するアンケート調査結果から様々な課題が浮かび上がっているにもかかわらず、これに対する具体的方策が示されていない。この点、当会要請書で示したとおり、千葉県柏市においては、教育委員会と行政部門が連携し、消費者教育の授業計画例を策定したり、消費者教育相談員を設置する等、積極的な施策が行われており参考となる。また、埼玉県において教育委員会主導の下で現場の教師による消費者教育実践例の報告が行われていることも参考となる。
6 関係諸団体の意見を十分に反映することについて再検討が必要である
「消費者市民社会」の実現という法の趣旨を普及し、達成していくためには、多様な団体の協力を得ていくこと不可欠であり、そのためには一方的な行政主導ではなく、関係諸団体の意見を十分に反映しながら施策を進めていくことが必要である。宮城県では、新たに消費者教育推進地域協議会を立ち上げるのではなく、既存の宮城県消費生活審議会を拡充して地域協議会の機能を持たせることとされているが、そのような方法を採るとしても、関係機関や団体からのヒアリングを十分に行うなど、多様な機関・団体の意見を十分に反映していくことが重要である。しかし、平成26年7月24日に開催された宮城県消費生活審議会においては、そのようなヒアリング等の機会を設けるとの説明はなされておらず、審議方法についても再検討が必要である。
7 専門委員の任命等を検討すべきこと
消費者教育推進法では、「消費者市民社会」の形成、行政・学校・地域等における多角的な取り組みが求められおり、推進計画策定に当たって調査・検討しなければならない事項は多岐にわたる。平成26年7月24日開催の宮城県消費生活審議会においても、今後検討を要する事項が多数ある旨説明されているところであり、十分な検討が行われるためには、専門的知見を活用した検討を行うことが必要と思料される。例えば、静岡県においては、「ふじのくに消費者教育研究会」を設置し、消費者教育支援センターに素案作成を委託して「ふじのくに消費教育のあり方報告書」をとりまとめ、浜松市においても、「消費者教育のあり方検討会」を開催して「消費者教育のあり方報告書」をとりまとめて消費者教育の推進計画策定に役立てているとのことである。宮城県の例としても、平成17年に宮城県消費生活条例の改正を行った際、県知事より宮城県消費生活審議会に「条例の在り方」について諮問がなされ、これを受けて審議会に「条例検討部会」を設置し、部会での検討を重ねて(約1年半の間に6回の部会開催)、県知事に答申を行って現在の条例制定に至っている。今回の消費者教育推進計画は、今後の県の消費者行政の中核的事項に関する指針を定めるという重要な施策であり、専門委員(宮城県消費生活条例第32条)を任命する等により、専門的知見を活用した検討により策定することが適切と思料されることから、そのような措置をとることを検討されるよう求めるものである。
8 まとめ
以上から、意見の趣旨記載のとおり求める次第である。なお、当会は、これまでも宮城県に対し、消費者教育の推進に限らず、消費者行政の充実全般に関して意見を述べるとともに、その活動に全面的に協力してきた。今回、宮城県に対しては、推進法の趣旨を反映した実効性のある推進計画を策定していただきたく意見を述べるものであるが、当会としても推進計画の策定作業に関与するなどの必要な協力を行いたいと考えているので、併せて検討いただきたい。  以 上

平成27年03月12日 宮城県迷惑行為防止条例案について規制対象を明確化して限定することを求める会長声明
ttp://senben.org/archives/5739

宮城県は,現在開会中の県議会において,「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(以下「現行条例」という。)の一部を改正する条例案(以下「改正条例案」という。)を提出している。改正条例案は,現行条例の名称を「迷惑行為防止条例」に改めるとともに,正当な理由なく行う「つきまとい,待ち伏せし,進路に立ちふさがり」,「見張り」,「押し掛けること」,「面会その他の義務のないことを行うことを要求すること」などを反復する行為を「嫌がらせ行為」として禁止し,常習の場合は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処し,常習でなくても6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処するという規定を新設しようとしている。確かに,ストーカー規制法の対象となっていない「つきまとい」などによる被害を防止する必要性があることは否定できない。しかし,上記「嫌がらせ行為」の禁止規定は,目的による限定もなく,規制対象も広範かつ不明確であり,その上,罰則まで設けているため,運用次第では市民運動や労働運動,マスコミ等の報道・取材活動など憲法が保障する言論・表現の自由,労働基本権を幅広く制約するおそれがある。 改正条例案は,規制対象である「嫌がらせ行為」の限定化を図るために,つきまといや面会要求などについては,「身体の安全若しくは住居,勤務先,学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の平穏若しくは名誉が害され,又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る」としているが,主観的評価が入り込む余地があるため,限定機能は乏しいと言わざるを得ない。また,改正条例案は,「正当な理由」という要件によって禁止対象の限定を試みているが,「正当な理由」の解釈如何によっては改正条例案の本来の趣旨を超えて,本来正当なものとして保障されるべき市民運動や労働運動等が「嫌がらせ行為」に該当するとして不当に制限され,又は萎縮してしまうおそれがある。 当会は,市民運動,労働運動及び取材活動などの憲法で保障されている基本的人権に基づく活動が改正条例案本来の趣旨を逸脱して不当に制約されることのないよう,より規制対象を明確化して限定することを強く求める。
2015年(平成27年)3月12日仙台弁護士会会長齋藤拓生

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余命三年時事日記 2254 ら特集10仙台弁護士会⑤5 [余命三年]

余命三年時事日記 2254 ら特集10仙台弁護士会⑤5
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/12/2254-%e3%82%89%e7%89%b9%e9%9b%8610%e4%bb%99%e5%8f%b0%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e2%91%a4%ef%bc%95/ より

平成27年02月21日 集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定の撤回を求めるとともに同閣議決定に基づく法整備に強く反対する決議
ttp://senben.org/wp-content/uploads/2015/02/shudantekijieikenketugi_270221.pdf

政府は,2014年7月1日「国, の存立を全うし,国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」と題して,集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定を行い,今後,集団的自衛権の行使等を実現させるための法整備を進めていくとの方針を示している。本閣議決定が推し進めようとする集団的自衛権の行使容認は,これまでの政府解釈において憲法上許されないとされていたものである。また,海外での国際的活動やグレーゾーン事態(武力攻撃に至らない侵害が発生した場合)における自衛隊の活動及び武器使用の範囲の拡大は,従来の自衛権発動の要件や海外での自衛隊の活動における制約を不当に緩和するものである。本閣議決定は,日本が武力攻撃をされていないにもかかわらず,戦争に参加することを許容し,自衛隊による地理的な限定のない実質的な「武力の行使」を可能とするものであり,今後,本閣議決定に基づく法整備が推し進められると,戦争をしない平和国家としての日本の国の在り方が根底から変わることとなる。日本国憲法は,前文で平和的生存権を確認し,第9条第1項において,国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄し,更に,同条第2項において,戦力不保持,交戦権否認を定めるなど,徹底した恒久平和主義を採用している。本閣議決定が許容する集団的自衛権の行使等は憲法第9条等に定める恒久平和主義に違反するものである。また,本閣議決定は,憲法第96条に定める憲法改正手続を潜脱して実質的な憲法改正を行おうとするものであり,主権が国民に存することとした国民主権や国家権力を憲法による制約の下に置くこととした立憲主義に反するものである。よって,当会は,集団的自衛権の行使等を容認する本閣議決定に強く抗議し,本閣議決定の撤回を求めるとともに,同閣議決定に基づく法整備に強く反対するもの
である。以上のとおり決議する。
2015年(平成27年)2月21日
仙台弁護士会会長齋藤拓生
提案理由
第1 集団的自衛権行使容認に至る政府の動き
2012年12月の第46回衆議院議員総選挙で自由民主党(以下「自民党」という。)が政権与党に復帰し,安倍晋三氏が再び首相に指名されたことを契機に,集団的自衛権の行使を容認する動きが急速に進められた。安倍首相は,就任直後の2013年1月,「集団的自衛権行使の(憲法解釈)
見直しは安倍政権の大きな方針の一つ」と述べ,同年2月には,首相の私的諮問機関であり,2008年6月に集団的自衛権の行使容認等を提言する第1次報告書を作成した「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(以下「安保法制懇」という。)を約5年ぶりに再開させた。安倍首相は,当初,憲法改正要件(第96条)の緩和にも意欲を見せていたが,国民の強い反対を受けたためこれを断念し,以後,解釈変更による集団的自衛権の行使容認に注力するようになった。2013年8月には,政府の憲法解釈において重要な役割を果たしてきた内閣法制局について,次長から長官に内部昇格するという従来の慣行を破り,内閣法制局での勤務経験がない者を内閣法制局長官に登用した。その上で,2014年5月15日,安保法制懇が報告書を提出したことを受けて安倍首相は記者会見を行い,同報告書の「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき,限定的に集団的自衛権を行使することは許される」という考え方について今後さらに研究を進め,憲法解釈の変更が必要と判断されれば閣議決定を行う旨表明した。その後,自民党と公明党による与党協議が行われたが,集団的自衛権の行使容認に反対する世論も大きい中,国会での議論を行うこともなく,ついに2014年7月1日,政府は,集団的自衛権の行使等を容認する閣議決定(「国の存立を全うし,国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」。以下「本閣議決定」という。)を行った。
第2 本閣議決定の内容
1 憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認
本閣議決定は,「現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果,①我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず,我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し,これにより我が国の存立が脅かされ,国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において,②これを排除し,我が国の存立を全うし,国民を守るために他の適当な手段がないときに,③必要最小限度の実力を行使することは,従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として,憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った」とし(①②③の数字は引用者が挿入。この3つの要件を,以下「新3要件」という。),「憲法上許容される上記の『武力の行使』は,国際法上は,集団的自衛権が根拠となる場合がある」とした。このように,本閣議決定は,「我が国に対する武力攻撃が発生した場合」ではない場合にも,他国に対する武力攻撃を実力をもって阻止することが憲法上許容される場合があるとするものであり,これまでの政府解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認するものである。
2 国際的活動における後方支援活動と武器使用の拡大
(1) 自衛隊が後方支援活動を行うことができる地域の拡大
本閣議決定は,国連安保理決議に基づき武力行使を行う他国軍隊に対して日本が支援活動を行うことが必要な場合があるとの認識の下,「従来の『後方地域』や『非戦闘地域』といった自衛隊が活動する範囲をおよそ一体化の問題が生じない地域に一律に区切る枠組ではなく,他国が『現に戦闘行為を行っている現場』ではない場所で実施する補給,輸送などの我が国の支援活動については,当該他国の『武力の行使と一体化』するものではないという認識を基本と」するとして,「(ア)・・・他国軍隊が『現に戦闘行為を行っている現場』では支援活動は実施しない。(イ)・・・支援活動を実施している場所が『現に戦闘行為を行っている現場』となる場合には,直ちに支援活動を休止又は中断する」という考え方に立って,「必要な支援活動を実施できるようにするための法整備を進める」とした。これはつまり,「現に戦闘行為を行っている現場」でなければ支援活動を実施できるとするもので,これまで「後方地域」や「非戦闘地域」という概念により限定してきた,自衛隊が支援活動等を行うことができるとされる地域を,大幅に拡大するものである。
(2) 国際的な平和協力活動等に伴う武器使用の拡大
これまで政府は,国際的な平和協力活動におけるいわゆる「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行のための武器使用」について,これを「国家又は国家に準ずる組織」に対して行った場合には,憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当するおそれがあるとして,自衛官の武器使用権限はいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。ところが,本閣議決定は,PKO参加5原則の枠組みの下で,受入れ同意をしている紛争当事者以外の「国家に準ずる組織」が敵対するものとして登場することは基本的にないと考えられるなどとして,国際的な平和協力活動におけるいわゆる「駆け付け警護」に伴う武器使用や,「任務遂行のための武器使用」をできるようにするとともに,武器使用を伴う在外邦人救出などの警察的な活動もできるように法整備を進めるとした。このように,本閣議決定は,自衛隊の国際的な活動等に伴う武器使用を拡大するものである。
3 武力攻撃に至らない侵害における自衛隊による武器使用等の容認
また,本閣議決定は,「純然たる平時でも有事でもない事態」ないし「武力攻撃に至らない侵害」(いわゆる「グレーゾーン事態」)について,警察機関と自衛隊がより緊密に協力し,切れ目のない十分な対応態勢を整備することが重要であるとの認識の下,離島の周辺地域等において外部からの武力攻撃に至らない侵害が発生した場合を挙げて,自衛隊の治安出動や海上警備行動の発令について,状況に応じた早期の下令や手続の迅速化のための方策を具体的に検討すると述べる。さらに,自衛隊と米軍部隊が連携して行う平素からの活動に際して,米軍部隊に対して武力攻撃に至らない侵害が発生した場合を想定し,日本の防衛に資する活動に現に従事している米軍部隊について,自衛隊法第95条の考え方を参考に,その武器等の防護のために自衛隊が武器の使用ができるよう,法整備をするとした。日本の防衛法制は,武力攻撃事態及びその予測事態を有事と,それ以外を平時と位置付けており,「グレーゾーン事態」といわれている事態も,防衛法制上は平時であり,本来,警察や海上保安庁が対応すべき場面である。本閣議決定は,このような場面においても自衛隊を積極的に活用し,米軍部隊の武器等防護のためにも武器使用を認めようとするものである。
第3 集団的自衛権に関する従来の政府解釈
1 集団的自衛権行使の否定
政府は,従来,憲法第9条が戦争放棄(第1項),戦力の不保持と交戦権の否認(第2項)を規定していることを前提として,憲法第9条の下で自衛権の発動が許容されるのは,①我が国に対する急迫不正の侵害(武力攻撃)が存在すること,②この攻撃を排除するため,他の適当な手段がないこと,③自衛権行使の方法が,必要最小限の実力行使にとどまること,の三要件を満たす場合に限られるとしてきた。そして,このような解釈の下,政府は,集団的自衛権について,「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を,自国が直接攻撃されていないにもかかわらず,実力をもって阻止する権利」と定義した上で,「我が国が,国際法上,このような集団的自衛権を有していることは主権国家である以上,当然であるが,憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は,我が国を防
衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており,集団的自衛権を行使することは,その範囲を超えるものであって,憲法上許されない」(1981年5月29日の政府答弁書)との見解を一貫して貫いてきた(1954年6月3日衆議院外務委員会外務省条約局長答弁,1972年10月14日参議院決算委員会政府提出資料等)。その理由は,集団的自衛権の行使が上記三要件のうち①を満たさないからであり(2008年1月26日衆議院予算委員会内閣法制局長官答弁),岸信介首相,中曽根康弘首相ら歴代の首相も,集団的自衛権の行使は憲法上許されない旨明言してきた。2004年6月18日の政府答弁書においても,集団的自衛権について,「国民の生命等が危険に直面している状況下で実力を行使する場合とは異なり,憲法の中に我が国として実力を行使することが許されるとする根拠を見いだし難」いとして,その行使は憲法上許されないとされた。このように,政府は従来,集団的自衛権の行使は憲法上許されないとの見解を繰り返し表明し,過去数十年にわたる国会等での議論において確認されてきたのである。
2 自衛隊用の後方支援活動及び国際平和協力活動における武器使用の限定
(1) 後方支援活動について
これまで政府は,自衛隊のいわゆる後方支援活動に関し,補給,輸送協力等それ自体は直接武力行使を行わない活動であっても,他国による武力の行使と一体となるような行動としてこれを行うことは憲法第9条との関係で許されないとし(1999年1月22日参議院本会議内閣総理大臣答弁),他国の武力行使と一体化するかどうかは地理的関係その他の事情によって判断されるとしてきた(1997年2月13日衆議院予算委員会内閣法制局長官答弁)。そして,この観点から,自衛隊が支援活動等を行うことができる地域について,「後方地域」や「非戦闘地域」という概念(「我が国領域並びに現に戦闘行為が行われておらず,かつ,そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる我が国周辺の公海・・・及びその上空の範囲)を設け」 ,活動をその地域に限定してきたのである。イラク戦争に際しては,「非戦闘地域」であるとしてサマーワに陸上自衛隊が派遣されたが,それでも繰り返し砲撃を受ける等の危険にさらされたのであり,これまでの武力行使の一体化論や「後方地域」「非戦闘地域」という概念でさえも,日本の海外での武力行使の防止にとって問題が多く,憲法上疑義のある限定であった。
(2) 国際的な平和協力活動における武器使用についてまた,政府は従来,国際的な平和協力活動における「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行のための武器使用」について,「国家又は国家に準ずる組織」に対して行った場合には,憲法第9条が禁ずる「武力の行使」に該当するおそれがあるとして,自衛官の武器使用権限をいわゆる自己保存型と武器等防護に限定してきた。3 憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に関する政府見解政府は,従来,憲法解釈の変更により集団的自衛権の行使を認めることができるのかどうかについて,「集団的自衛権の行使を憲法上認めたいという考え方があり,それを明確にしたいということであれば,憲法改正という手段を当然とらざるを得ない」と答弁し(1983年2月22日衆議院予算委員会内閣法制局長官答弁),また,集団的自衛権に関する憲法解釈の変更があり得るのかどうかについても,「(政府の憲法解釈は)それぞれ論理的な追求の結果として示されてきたもの」であり,「政府がその政策のために従来の憲法解釈を基本的に変更するということは,政府の憲法解釈の権威を著しく失墜させますし,ひいては内閣自体に対する国民の信頼を著しく損なうおそれもある,憲法を頂点とする法秩序の維持という観点から見ましても問題がある」(1996年2月27日衆議院予算委員会内閣法制局長官答弁),「憲法は我が国の法秩序の根幹であり,特に憲法第9条については過去50年余にわたる国会での議論の積み重ねがあるので,その解釈の変更については十分に慎重でなければならない」(2001年5月8日政府答弁書)などと答弁して,憲法解釈の見直しに慎重かつ否定的な姿勢を貫いてきた。
第4 本閣議決定は日本国憲法第9条に違反する
1 日本国憲法の基本原理としての恒久平和主義
国民主権,基本的人権の尊重,恒久平和主義等を基本原理とする日本国憲法が,戦後日本の民主主義と人権の発展,そして平和のために果たした役割は極めて大きい。日本国憲法は第二次世界, 大戦の痛切な反省を踏まえて,前文において,「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにする」との決意及び「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して,われらの安全と生存を保持しよう」との決意を明らかにした上で,「全世界の国民が,ひとしく恐怖と欠乏から免れ,平和のうちに生存する権利を有することを確認」している。その上で,憲法第9条は,国連憲章の国際紛争の平和解決原則をさらに発展させ,国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使を国際紛争を解決する手段としては永久に放棄し(憲法第9条第1項),陸海空軍その他の戦力を保持せず,国の交戦権を否認する(憲法第9条第2項)旨規定し,徹底した恒久平和主義を基本原理としている。平和なくして基本的人権が尊重・擁護されることはなく,戦争は最大の人権侵害であることに照らせば,この基本原理は,恒久平和への指針として世界に誇り得る先駆的意義を有しているものである。
2 集団的自衛権の行使は日本国憲法第9条に違反し許されない
本閣議決定が容認しようとする集団的自衛権の行使は,日本が他国間の戦争に加わっていくことを意味するものであり,戦争放棄,戦力不保持,交戦権の否認を定めた憲法第9条に違反することは明らかである。本閣議決定は「我が国の存立が脅かされ,国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」等の文言で集団的自衛権の行使を限定するものとされているが,これらの文言は極めて幅の広い抽象的な不確定概念であり,時の政府の判断によって恣意的な解釈がされる危険性が極めて大きい。個別的自衛権発動の第1要件である「急迫不正の侵害」の存否判断とは
異なり,「明白な危険」の有無は判断者の主観が入る余地が大きく,具体的判断要素として挙げられている点も,政府が武力行使をするかどうかを判断する場合に,当然に検討するであろう要素や状況であり,これらによって判断基準が客観的に明瞭になったとは言えない。また,「我が国の存立が脅かされる」ことと「国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆される」こととの関係については,国家と国民という表裏一体のものの両面であり,後者は我が国の存立が脅かされるということの実質を国民に着目して記述したものであり,加重要件ではないとされている(国会集中審議における政府答弁)。したがって,この要件は,政府の説明によれば,「我が国の存立が脅かされる」かどうかということに帰着し,「国民の権利」云々の修辞は特段限定する意味を持たないことになる。この要件は,全体として余りにも曖昧で抽象的であり,武力の行使の範囲を明確に限定したものとは到底言えない。実際,国会集中審議等で明らかにされた,本閣議決定における集団的自衛権の行使事例は,極めて幅広いものである。例えば,政府が与党に示した15事例のうちの集団的自衛権に係る8事例の全てが,新3要件に当てはまれば許容されるという(政府想定問答問10)。中でも,例えばホルムズ海峡に撒かれた機雷の除去について,安倍首相は国会集中審議において,同海峡は我が国が輸入する原油の8割が通過しており,同海峡を経由した石油供給が回復しなければ,我が国の国民生活に死活的な影響が生じ,我が国の存立が脅かされる事態が生じ得るなどと述べ,内閣官房一問一答(問24・25・27)もその機雷除去の重要性を強調している。これまでの政府の憲法第9条の解釈においては,海外での武力の行使は行わないとの原則の下,自衛隊による実力の行使は,我が国を防衛するための受動的なものであり,原則として我が国の領土・領海・領空とその周辺の公海・公
空に限られるとされてきた。それは,集団的自衛権の行使の禁止とも重なり,また,国連の集団安全保障や周辺事態に際して武力を行使する他国の「後方支援」において,「他国の武力行使との一体化」を禁止し,PKO活動における武器使用を自己保存型と武器等防護に制限し,駆け付け警護や任務遂行のための武器使用を認めてこなかったことにも現れている。ところが,他国に対する武力攻撃に対する集団的自衛権の行使にあっては,最初から,日本が武力を行使する場所は日本の領域外であり,それが公海・公空であっても日本周辺とは限らない。本閣議決定に基づく集団的自衛権の行使を含む「自衛の措置」は,ホルムズ海峡のような「地球の裏側」をも含み,地理的限定のない世界的規模での自衛隊の出動を予定するものと言わざるを得ない。日本が集団的自衛権を行使すると,日本が他国間の戦争において中立国から交戦国になるとともに,国際法上,日本国内全ての自衛隊の基地や施設が軍事目標となり,軍事目標に対する攻撃に伴う民間への被害も生じ得る。このように,本閣議決定は,憲法前文が定める平和的生存権の保障並びに第9条が定める戦争放棄,戦力不保持及び交戦権否認等の恒久平和主義の基本原理に背馳し,これに違反するものである。
3 国際的活動における後方支援活動及び武器使用の拡大並びに武力攻撃に至ら
ない侵害における自衛隊による武器使用等の容認も日本国憲法第9条に違反するさらに,本閣議決定は,集団的自衛権の行使容認ばかりでなく,国際協力活動の名の下に自衛隊の武器使用権限と後方支援活動を拡大することまで含めようとしている点も看過できない。武力攻撃に至らない侵害への自衛隊による対処を拡大しようとしている点も問題である。
(1) 国際的活動における後方支援活動について
前記第2・2・(1)のとおり,本閣議決定は,従来の最低限とも言える制約すら取り外し,他国が「現に戦闘行為を行っている現場」でなければ,自衛隊が補給,輸送等の支援活動を行うことができるようにしようとするものである。本閣議決定は,他国の武力行使との一体化論それ自体は前提とするといいながら,他国が「現に戦闘行為を行っている現場」でなければ支援活動を行っても当該他国の武力行使と一体化するものではないと「認識」するという。しかし,これは客観的根拠に乏しい決め付けでしかない。「現に戦闘行為を行っている現場」に近接した場所で,戦闘行為を行う他国の軍隊に補給・輸送等の支援活動を行うことは,当該他国と戦闘行為を行っている相手国からすれば,すぐ近くで直接補給等を行っている日本も敵国そのものに見えて当然であり,当該他国の武力行使と一体化していると言わざるを得ない。そのような状況において,自衛隊が相手国の攻撃の対象になり,自衛隊がこれに応戦することで,交戦状態に突き進むことも危惧される。本閣議決定は,武力の行使を行う他国の支援活動について,「現に戦闘行為を行っている現場」でない場所にまで地域を広く拡大することにより,これまで政府が採ってきた「他国の武力行使との一体化の禁止」を実質的に放 棄するものと言わざるを得ない。本閣議決定が予定する自衛隊の後方支援活動は,海外における武力の行使として,憲法第9条に反すると言うべきである。
(2) 自衛隊の国際的な活動に伴う武器使用について
前記第2・2・(2)のとおり,本閣議決定は,自衛隊の国際的な活動等に伴う武器使用を拡大しようとするものであるが,武器使用については,「警察比例の原則に類似した厳格な比例原則が働く」とも述べている。しかし,もともと駆け付け警護は,襲われた武装集団等を排除して対象者を援護,救助しようとするものであり,任務遂行のための妨害排除は,妨害する武装集団等を排除しようとするものであるから,いずれも相手を凌駕するだけの武器使用を必要とすることになる。そこでは,自衛隊による実質的な「武力の行使」が行われ,相手も自己防衛を超えた武力の行使をされていると受け止めることによって,相互に交戦状態に発展することが危惧される。それは,邦人救出の場合でも同様である。「駆け付け警護」に伴う武器使用や「任務遂行のための武器使用」について,「国家又は国家に準ずる組織」に対して行った場合には「武力の行使」に該当するおそれがあるとして,自衛権の武器使用権限を自己保存型と武器等防護に限定してきた従来の政府解釈は,憲法第9条の規範としての海外における武力行使の禁止の一環をなすものである。本閣議決定は,紛争当事者の受入れ同意や領域国政府の同意が及ぶ範囲には「国家又は国家に準ずる組織」が存在していないと考えられるなどと述べるが,これは従来の政府解釈の前提を大きく変えるものであり,客観的根拠に乏しい決め付けである。本閣議決定が自衛隊の国際的な活動等に伴う武器使用等を拡大しようとしている点も,憲法第9条に反すると言うべきである。
(3) 武力攻撃に至らない侵害における自衛隊による武器使用等の容認について
前記第2・3のとおり,日本の防衛法制は,武力攻撃事態及びその予測事態を有事と,それ以外は平時と位置付けており,「グレーゾーン事態」といわれている事態も,防衛法制上は平時である。本来は警察,海上保安庁の役割の場面で自衛隊を積極的に活用しようとすることは,一歩間違うと武力紛争に発展する危険性をはらむもので,国際紛争解決のための武力行使を禁止した憲法に反するおそれがある。「グレーゾーン事態」はあくまで平時であるから,治安の維持回復のための実力行使と言えども,防衛力を行使するということは,極めて慎重になされなければならない。防衛力を行使することで,「グレーゾーン事態」の背景にある国との間で不測の武力紛争へと発展しかねないおそれがあり,また,現場での判断により文民統制が徹底されないおそれもある。「グレーゾーン事態」における「命令発出手続の迅速化」は,国際紛争を解決するために武力を行使しないという憲法第9条に反するおそれがある。また,本閣議決定では日米の共同演習などを想定していると思われるが,米軍部隊に武力攻撃には至らない侵害が発生した場合に,自衛隊が米軍部隊のために武器を使用できるとすると,日本が深刻な武力紛争に巻き込まれるおそれがあるさらには,集団的自衛権の行使へと発展することも想定され,その場合,憲法第9条に違反することになる。
第5 本閣議決定は日本国憲法の基本理念である立憲主義に反する
1 日本国憲法の基本理念としての立憲主義
近代立憲主義は,個人の自由・権利(個人の尊重)を確保するため,憲法によって国家権力を制限することを目的とする近代憲法の基本理念であり,日本国憲法の基本理念である。すなわち,日本国憲法は「す, べて国民は,個人として尊重される」(第13条)とし,基本的人権の永久・不可侵性を確認するとともに(第97条),「天皇及び摂政及び国務大臣,国会議員,裁判官その他の公務員は,この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と,国家権力の行使を担う公務員に憲法尊重擁護義務を課している(第99条)。また,前文では,「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し,ここに主権が国民に存することを宣言し,この憲法を確定する」として,立憲主義に基づく平和主義を明らかにしている。この立憲主義の内容として重要なのが,国家権力の中でも暴走して個人の自由や権利を侵害する危険性の大きい実力組織の抑制である。そこで,日本国憲法は,憲法前文及び第9条によって実力組織が暴走しないための明確な歯止めを設けた。政府も,この憲法の下で,集団的自衛権の行使や海外における武力の行使は許されないとの解釈を長年一貫して積み上げてきた。こうして,恒久平和主義の現実的枠組みが形成され,憲法秩序の安定性が保持されてきた。それはまた,戦後の歴史を通じて積み重ねられてきた国民的議論の結果でもある。
2 本閣議決定は立憲主義に反する
このような憲法規範の内容を,憲法改正の手続もとらずに,一内閣の憲法解釈の変更や法律の制定・改正によって実質的に改変し,憲法による歯止めを緩和させることは,憲法を遵守すべき立場にある国務大臣や国会議員によってなし得ることではない。それは,国民の自由・権利そして平和を,権力に縛りをかける憲法によって守ろうとする立憲主義に,真っ向から違反するものである。
第6 本閣議決定は日本国憲法の基本原理である国民主権に反する
1 日本国憲法の基本原理としての国民主権
日本国憲法は,国民主権の原理に立脚する(憲法前文,第1条)。そして国民主権の原理は,国民の憲法制定権力の思想に由来し,この権力は,近代立憲主義憲法が制定されたとき,憲法改正権となる。日本国憲法は,その憲法改正権の行使について,第96条で,各議院の総議員の3分の2以上の賛成で国会が発議し,国民投票でその過半数の賛成を必要とすることを規定した。ここに,憲法制定・改正に関する国民主権の内容が定められているのである。したがって,本来憲法の改正をしなければできないことを,閣議決定や法律の制定・改正によって行おうとすることは,憲法第96条を潜脱し,国民主権を侵害するものとしても許されない。
2 本閣議決定が国民主権に反すること
本閣議決定は,日本国憲法の下で許容される余地のない集団的自衛権の行使を,法律の制定・改正によって行おうとするものであり,憲法第96条を潜脱し,国民主権に反するものである。しかも,特定秘密の保護に関する法律(以下「特定秘密保護法」という。)によって,政府が自衛権発動の要件等に関わる情報を特定秘密に指定して秘匿すると,自衛権発動等の要件が厳しいものであるかどうか以前の問題として,国民はもとより国会議員すら客観的な判断材料を持たないことになる。このよ
うに国民が十分な情報を知らされないまま,日本が武力の行使等に至るならば,政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないよう主権が国民に存することとした日本国憲法の立憲主義と国民主権に反することになる。
第7 本閣議決定に基づく法整備も憲法に違反し許されないこと
本閣議決定は,「今後の国内法整備の進め方」として,実際に自衛隊が活動を実施できるようにするためには,根拠となる国内法が必要となるとの認識の下,政府として,あらゆる事態に切れ目のない対応を可能とする法案の作成作業を開始することとし,準備ができ次第国会に提出する,としている。そこでは,整備の対象となる具体的な法令名は挙げられていないが,自衛隊法や武力攻撃事態法のほか,防衛省設置法,国家安全保障会議設置法,周辺事態法,周辺事態船舶検査法,武力攻撃事態国民保護法,武力攻撃事態特定公共施設利用法,国連平和維持活動協力法及び海賊行為対処法など,十数件の法律の改正等が想定される。また,本閣議決定が触れる安保理決議に基づいて武力行使を行う他国軍隊に対する支援活動については,これまでのテロ特措法やイラク特措法等の時限的個別立法ではなく,これを随時可能とする自衛隊海外派遣の恒久的一般法の制定も検討されていると報道されており,「武力攻撃に至らない侵害」への対応についても,自衛隊法の改正のほか,領海警備法(仮称)のような新規立法の可能性もある。本閣議決定を実施するためのこれらの法律の制定ないし改正も,日本国憲法に違反するものであるから許されない。国会の多数によっても,憲法に違反する法律の制定が許されないことはもちろんである。
第8 結論
当会は,政府が憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認を示唆して以降,それが憲法に違反し許されないことを会長声明で表明するとともに,街頭活動及び講演会等で市民に訴え,集団的自衛権の行使容認に強く反対してきた。しかし,政府は本閣議決定を強行し,本年の通常国会において本閣議決定を実施するための法律の制定ないし改正を進めていく姿勢を示している。よって,当会は,集団的自衛権の行使等を容認する本閣議決定に強く抗議し,その撤回を求めるとともに,本閣議決定に基づく法整備に強く反対するものである。以上

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余命三年時事日記 2253 ら特集10仙台弁護士会⑤4 [余命三年]

余命三年時事日記 2253 ら特集10仙台弁護士会⑤4
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/12/2253-%e3%82%89%e7%89%b9%e9%9b%8610%e4%bb%99%e5%8f%b0%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e2%91%a4%ef%bc%94/ より

平成26年02月06日 少年法改正法案に強く反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/4921

1 平成26年1月24日召集された通常国会において,少年法の一部を改正する法案が2月上旬に提出される見込みとなった。この法案は,国選付添人制度の対象事件の範囲を拡大することを内容に含むものではあるが,他方,検察官関与対象事件の範囲も拡大し,かつ,有期刑の上限引き上げをも含んでいる点において,少年法の改悪以外の何ものでもない。
2 少年法は「少年の健全な育成」を目的に掲げ(法1条),保護主義を基本理念とする。すなわち,非行を少年の成育環境や少年期の不安定さ等に起因する成長過程に生じる「歪み」と捉え,少年が自らの抱える問題を克服し成長し得る力と可塑性に依拠し,教育的な措置によりその問題性の解決を援助し,調和のとれた成長を確保するということである。そして,少年が自らの抱える問題を克服し成長していくためには,少年が自らの気持ちを率直に語り,少年と裁判官ら大人との対等な対話の中で,内省を深め,自らの真の問題性に気付き,これを克服する覚悟を決め,問題を解決する方法を探る必要がある。そのため,審判は,もともと表現力,理解力の未熟な少年らが心を開き自由に語れる場でなくてはならず,決して糾問的,弾劾的な場であってはならない(法22条1項参照)。ところが,平成12年の少年法改正により検察官関与制度が創設されたことによって,上記のような少年法の理念は後退を余儀なくされた。少年は,捜査段階で,長期間自由を拘束され,時には一方的な厳しい追及を受け,場合によっては虚偽自白を迫られることもある。そのような捜査機関の一員である検察官が審判にも関与した場合,少年が検察官の前で萎縮し,取調べ段階での供述に縛られ,あるいは検察官への反発から感情的になり,自由に本心を語り自分自身の問題性を深く掘り下げることができなくなるおそれがある。このように重大な問題を孕む検察官関与の対象事件が更に拡大されれば,少年法の保護主義の理念はなし崩し的に骨抜きにされ,取り返しのつかない重大な変容が生じかねず,ひいては,検察官が関与しない審判においてすら,保護主義は忘れ去られ,少年審判が,行為責任を追及する刑事裁判と同質のものとなることが懸念される。そして,このような状況下においては,いくら国選付添人制度が拡大されたとしても、検察官関与拡大による弊害を解消することはできない。少年が,自らの問題性に気づき克服していこうとする姿は,審判を捜査機関の影響から遮断し,懇切かつ和やかな雰囲気の中で,少年の立ち直りを援助する保護主義のもとでこそ実現するものであり,決して付添人弁護士単独の力によってなしえるものではない。したがって,上記法案に国選付添人対象事件の拡大が含まれていることは,上記法案に賛成する理由にはなりえない。
3 さらに,上記法案には,少年法における有期刑の上限引き上げ規定が含まれているが,この点も決して是認できない。少年法が不定期刑を導入し,成人に比べて有期刑の期間を大幅に短縮しているのは,少年の可塑性や,未熟ゆえに成人に比べてその責任が減少すること,情操保護の必要性等,少年の特性を踏まえた理由があるのであり,成人の有期刑の上限が引き上げられたことから直ちに少年の有期刑も上限を引き上げるべきということにはならない。特に少年受刑者は,刑執行開始後3年間は,少年受刑処遇要領の下で処遇するとされているが,その後は成人と同様の処遇になる。このような点からも,長期間の受刑は,少年の社会復帰を著しく困難にする。少年事件は凶悪犯罪を含め,減少傾向にあることが統計上明らかである。このような中で,重大事件を対象に厳罰化しなければならない立法事実は存在しない。ゆえに,少年の刑の厳罰化を図るべき根拠はなく,そもそも,厳罰化は非行の問題を解決することにはつながらず,逆に少年の社会復帰を困難にし,少年の更生を阻害するものであるから,このような観点からも,上記法案は決して容認できないものである。
1 以上のとおり,当会は,少年の刑を厳罰化し、少年法の理念の崩壊という極めて重大な弊害をもたらす上記法案に,強く反対する。
2014年(平成26年)2月6日仙台弁護士会会長内田正之

平成25年12月13日 特定秘密保護法の参議院採決に抗議し同法の廃止を求める会長声明
ttp://senben.org/archives/4849

12月5日,参議院国家安全保障に関する特別委員会において特定秘密保護法案の採決が強行され,翌6日,本会議において可決され,特定秘密保護法が成立した。当会は,これまで同法案について,①特定秘密の範囲が広範かつ不明確で,恣意的な秘密指定がなされるおそれがあるため,知る権利の保障や国民主権を後退させるものであること,②秘密指定等の適正をチェックする独立した第三者機関が存在しないこと,③処罰範囲も広範かつ不明確であり,罪刑法定主義の観点からも重大な疑義が存し,取材活動にも深刻な萎縮効果をもたらすこと,④国会議員への特定秘密の提供についても行政の裁量の余地が残されており,国会の内閣に対するコントロール機能が後退すること,⑤適性評価制度により国民のプライバシーが侵害されるおそれがあること,などを指摘し,同法案の廃案を求めてきた。国会における審議では,衆議院において法案の修正案が提案されたものの,それらについての十分な審議はなされず,当会が指摘し,多くの国民が懸念している問題点がなんら解消されないままで可決されたものであり,参議院においては,衆議院における審議において検討が不十分であった点についてさらなる審議がなされる必要があった。それにもかかわらず,法案全文が国民に明らかにされた10月25日からわずか1ヶ月余りの短期間で,十分な審議による問題点の解消すらなされずに衆議院に引き続き参議院でも特別委員会において採決を強行し,本会議において同法案を可決したことは,国民主権・民主主義を冒涜するものと言わざるを得ず,当会はその採決に強く抗議する。当会は,国民主権や基本的人権の保障を損なうおそれのある特定秘密保護法の廃止を求める。

2013年(平成25年)12月13日仙台弁護士会会長内田正之

平成25年12月13日 死刑執行に断固抗議し,死刑執行を停止するとともに,死刑に関する情報を広く公開し,死刑制度の存廃に関する国民的議論を求める会長声明
ttp://senben.org/archives/4846

本年12月12日,東京拘置所及び大阪拘置所において,それぞれ1名(計2名)の死刑確定者に対する死刑の執行が行われた。谷垣禎一法務大臣による死刑執行は今回で4度目であり,死刑を執行された者はこの1年間で計8名となった。当会は,これまでも,死刑が罪を犯した人の更生と社会復帰の観点から見たとき,その可能性を完全に奪うという問題点を内在しているものであること,誤判・えん罪による生命侵害という取り返しのつかない危険を内包するものであることから,政府に対し,死刑制度の存廃を含む抜本的な検討及び見直しを行い,その間死刑の執行を停止するよう繰り返し求めてきた。そして,当会は,本年5月22日付けの会長声明において,政府が死刑制度を廃止することが適当ではない理由として挙げている点に関し,第1に,死刑制度に関する情報が国民に周知されていない状況における世論調査は死刑制度を正当化するものとしては説得力に乏しいと言わざるを得ないこと,第2に,我々国民が死刑制度の存廃について十分に議論を尽くし意見を形成するためには死刑制度に関する情報が広く公開されることが必要であること,第3に,死刑の犯罪抑止効果は科学的・統計的に証明されているとは言い難いことを指摘した。そのうえで,死刑の執行を停止し,死刑に関する情報を広く国民に公開し,死刑制度の存廃に関する国民的議論を開始することを要請していた。さらに,当会は,本年9月19日付け会長声明においても,国民への情報公開,国民的議論を尽くさないまま死刑執行を行った政府に対し,抗議したばかりである。そのような中,政府が,前回の執行からわずか3か月後に今回の死刑執行を行ったことについては,死刑制度の存廃を含む抜本的な検討と見直しの必要性を軽視し,死刑制度が基本的人権に関わる極めて重要な問題であることへの配慮を著しく欠いたものと言わざるを得ない。よって,当会は,政府に対し,今回の死刑執行について,断固抗議するとともに,死刑制度が最も基本的な人権に関わる重大な問題であることを踏まえ,死刑廃止が国際的潮流となっている事実を真摯に受け止め,死刑の執行を停止した上で,死刑に関する情報を広く国民に公開し,死刑制度の存廃に関する国民的議論を開始するよう改めて要請する。
2013年(平成25年)12月13日仙台弁護士会会長内田正之

平成25年11月29日 特定秘密保護法案の衆議院採決に抗議し、参議院での廃案を求める会長声明
2013年(平成25年)11月29日仙台弁護士会会長 内 田 正 之
ttp://senben.org/archives/4805
平成26年08月27日 精神科病院の病棟を居住系施設に転換することに反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/5522

現在、日本には約34万床の精神病床があり、約32万人の患者が入院している。このうち、1年以上の長期入院患者は約20万人、10年以上の入院患者は約6万5000人にのぼる。入院患者数や入院期間は諸外国と比較すると極めて多く、この中には受け入れ条件が整えば退院可能な患者(社会的入院患者)が多数存在する。この現状は、国による精神障害者に対する隔離収容政策が招いた人権侵害である。このような中、2014年(平成26年)7月、厚生労働省の「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」(以下、「検討会」という)において、「病床の適正化により将来的に不必要となった建物設備を有効活用する」として、精神科病院の病棟をグループホーム等の施設(病床転換型居住系施設)に転換することを認める方向性が取りまとめられた。厚生労働省は、今後、方策の具体化に取り組む予定としている。本年1月に日本が批准し、2月に発効した障害者権利条約は、障害のある人が、障害のない人と等しく、居住地及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有し、特定の生活施設で生活する義務を負わないこと、地域社会における生活及び地域社会への包容を支援し、地域社会からの孤立及び隔離を防止するために必要な地域社会支援サービスを利用する機会の確保を締約国の義務としている。精神科病棟をグループホーム等の居住系施設に転換して入院患者の退院先としても、生活の場は病院の敷地内に留まり、精神障害者を地域社会から分離している現状を存続させることになるのであり、病床転換型居住系施設は、条約が求める「地域社会への包容・共生」に逆行するもので容認できない。検討会では、精神障害者本人の自由意思に基づく選択の自由が担保されること、地域移行に向けたステップとしての支援とし、基本的な利用期間を設けることなどの条件付けを行うとしている。しかし、地域資源が不足している現状では選択の自由を担保する前提に欠けるし、2004年(平成16年)8月の精神保健医療福祉の改革ビジョンにおいて、達成目標として設定されたとおりに精神病床が減少していない経緯を鑑みれば、病床転換型居住系施設も一度整備されれば恒久化してしまい、形だけの地域移行になる危険性が否定できず、真に地域に根差した生活への移行を骨抜きにしてしまうおそれがある。国は、これまでの地域移行に対する取り組みの遅れを反省し、病床転換型居住系施設整備により病床数や長期入院患者を減らすのではなく、地域福祉サービスの充実、地域における住環境整備、地域医療の充実等、地域の受け皿づくりの実現という真の地域移行に直ちに取り組むべきである。当会は、精神科病院の病棟を居住系施設に転換することに強く反対し、国に対し、障害者権利条約等に従い、精神障害者が退院して地域社会で生活することを保障する施策を図るよう求めるものである。
2014年(平成26年)8月27日仙台弁護士会 会長齋藤拓生

平成26年08月19日 「特定秘密の指定及びその解除並び適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」に対する意見書
ttp://senben.org/archives/5496
2014年(平成26年)8月19日
内閣官房特定秘密保護法施行準備室「意見募集」係 御中
仙 台 弁 護 士 会
会長 齋 藤 拓 生
仙台市青葉区一番町2丁目9番18号
電話 022-223-1001
第1 はじめに

特定秘密保護法は,国民の知る権利やプライバシー権等の人権を侵害し,国民主権にも抵触する重大な問題を孕んでいる。したがって,同法は廃止されるべきであり,少なくとも抜本的な見直しがないままの施行は許されない。そして,法律自体に憲法上の問題がある以上,それに基づく運用基準も制定されるべきではない。また,この点を置くとしても,2014年7月24日付けで公表され意見募集がなされている「特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)(案)」(以下「運用基準案」という。)にも看過し難い問題があるため,以下のとおり意見を述べる。
第2 意見
1 総論
(1)法形式について
そもそも法律で定めるべき重要事項を政令及び運用基準において定めているという法形式自体に問題がある。 政令及び運用基準は,法律の委任を受けて政府が定めるとされているが,白紙委任に等しい項目もあり,国民の権利義務に直結する重要事項は法律で定めるべきとの原則に照らしても問題がある。また,政令や運用基準が,法律と異なり,国会の議論を経ることなく改廃できる点においても大きな不安が残る。
(2)意見の観点
前記第1で述べたとおり,当会は,特定秘密保護法は廃止されるべきと考えるが,本意見書では運用基準案について,①特定秘密保護法の濫用的な運用を抑制できないこと,②特定秘密保護法の委任の範囲外の事項を定めていること,③特定秘密保護法の問題点がより一層明らかになったこと,の観点から意見を述べる。
2 運用基準案「Ⅰ 基本的な考え方」の「1 策定の趣旨」について
(1)意見
特定秘密の指定の範囲を極力限定すること,指定の恣意性の排除を担保することを「策定の趣旨」に明記していないのは不適切である。
(2)理由
「策定の趣旨」では,「特定秘密の漏えいの防止を図るとともに,その適正を確保する」ことを掲げているが,全体として特定秘密指定された情報の漏えいを防止することに力点が置かれ,特定秘密の指定範囲の限定や恣意的な指定の排除といった国民の知る権利への配慮や秘密指定の適正さの担保の観点が欠落している。
3 運用基準案「Ⅰ 基本的な考え方」の「2 特定秘密保護法の運用に当たって留意すべき事項」の「(1)拡張解釈の禁止並びに基本的人権及び報道・取材の自由の尊重」について
(1)意見
国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)を踏まえておらず不適切である。また,ツワネ原則で示されている諸原則が特定秘密保護法に明記されていないこと自体が不適切である。 (2)理由 国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)で定められている以下の諸原則が特定秘密保護法や運用基準案では定められておらず,恣意的な秘密指定を抑制することができず,不適切である。
①国民の情報アクセス権を制限する正当性の証明が政府の責務であることの明示(原則1,4)
②政府が秘密にしてはならない情報の明示(原則10)
③秘密指定が許される最長期間の明示(原則16)
(特定秘密保護法第4条は秘密指定の有効期間を定めているが,同条ただし書では永久秘密を認めており,最長期間の明示が不徹底である。)
④国民が秘密解除を請求するための明確な手続規定(原則17)
⑤全ての情報にアクセスできる独立した監視機関の設置(原則6,31~33)
⑥内部告発者の保護規定(原則37~46)
⑦一般国民は秘密情報を求めたり入手したりしたという事実を理由にした刑事訴追をされない(原則47)
4 運用基準案「Ⅰ 基本的な考え方」の「2 特定秘密保護法の運用に当たって留意すべき事項」の「(2)公文書管理法と情報公開法の適正な運用」について
(1)意見
① 特定秘密指定の有効期間の長短にかかわらず,恣意的な文書廃棄を防止するための具体的措置が明記されていないのは不適切である。
② 特定秘密指定についての政府の説明責任が不明確である。
(2)理由
① 特定秘密に指定される情報は,国家の安全保障に関するものであるから,基本的に歴史資料として重要なものであると認められる。したがって,事後の検証を確保するために,特定秘密に指定された情報を記録する公文書については恣意的に廃棄されない仕組みが必要不可欠である。しかし,特定秘密保護法や運用基準案ではその仕組みが無く,恣意的な文書廃棄を許容するかたちになっている。② ツワネ原則(原則1,4)にも示されている点であり,国民主権の下では国政に関する情報は国民に開示されるのが大原則であり,政府は特定秘密指定する場合には,当該情報を特定秘密にした具体的根拠について説明する責任がある。しかし,特定秘密保護法や運用基準案ではこの点が明記されておらず,恣意的な特定秘密指定をしても抽象的な説明のみに終始し,国民がそれを追及する可能性を閉ざしている。
5 運用基準案「Ⅰ 基本的な考え方」の「2 特定秘密保護法の運用に当たって留意すべき事項」の「(3)特定秘密を取り扱う者等の責務」について
(1)意見
特定秘密取扱者等が違法秘密や疑似秘密(時の政府の政治的利益のために特定の情報を秘匿する目的で指定される秘密)に接したときには通報の措置をとる責務が無いのは不適切である。
(2)理由
恣意的な特定秘密指定を排除するためには特定秘密取扱者等からの通報も重要な意義を有するところ,特定秘密取扱者等の責務として違法秘密や疑似秘密に接したときの措置を定めていないのは不適切である。
6 運用基準案「Ⅱ 特定秘密の指定等」の「1 指定の要件」の「(1)別表該当性」について
(1)意見
違法な行為に関する情報が除外されていないのは不適切である。
また,特定秘密保護法で定められていない米軍に関する情報までをも運用基準案に盛り込むことは法律の委任の範囲を逸脱しており不適切である。 運用基準案に示されている事項は抽象的・広範であり,具体的な対象が示されていない。そのため,限定機能を果たしておらず,特定秘密の範囲が広範であるという特定秘密保護法の問題点は何ら解消されていない。
(2)理由
例えば,運用基準案の別表第1号のイa(b)では「自衛隊の情報収集・警戒監視活動」が定められているが,ここには仙台地裁平成24円3月26日判決(判例時報2149号99頁)において,「各原告がした活動等の状況にとどまらず,これら各原告の氏名,職業に加え,所属政党等の思想信条に直結する個人情報を収集」しており,「人格権を侵害」し違法であるとされた自衛隊情報保全隊による国民監視活動も含まれることになる。自衛隊情報保全隊国民監視訴訟における自衛隊情報保全隊長等の証人尋問申請に対して,防衛大臣は民事訴訟法第191条第2項に規定する「公共の利益を害し,又は公務の遂行に著しい支障を生ずるおそれがある場合」に該当するとして証言することの承認を行わない旨回答しているが,特定秘密保護法施行後は特定秘密に指定されているという理由のみで証言の承認を拒否するおそれがあり,違法行為が国民に知らされないことが「保障」されてしまう。 運用基準案の別表第1号のイbには「アメリカ合衆国の軍隊(以下「米軍」という。)の運用」が明記されている。しかし,これは特定秘密保護法には明記されていない事項であり,明らかに法律の委任の範囲を逸脱している。 運用基準案によっても特定秘密の範囲は限定されておらず,広範な情報を特定秘密にし,刑事罰の威嚇をもって国民から遠ざけるという特定秘密保護法の問題点は何ら解消されていない。
7 運用基準案「Ⅱ 特定秘密の指定等」の「1 指定の要件」の「(2)非公知性」について
(1)意見
非公知性の判断は,客観的になされるべきであり,少なくとも外国の政府により公表・開示されたり,報道機関により公表された情報は一律に非公知性の要件を欠くとすべきである。
(2)理由
国民の知る権利保障の観点からは,当該情報が国民が知り得べき状態に至った場合には一律に非公知性を欠くとするのが適切である。
8 運用基準案「Ⅱ 特定秘密の指定等」の「1 指定の要件」の「(3)特段の秘匿の必要性」について
(1)意見
運用基準案で示されている例示は抽象的であり,不適切である。
(2)理由
当該情報の漏えいにより「我が国の安全保障に著しい支障を与える事態が生ずるおそれ」の有無は具体的になされるべきであり,運用基準案に例示されている程度の抽象的判断では限定機能を果たさない。
9 運用基準案「Ⅱ 特定秘密の指定等」の「1 指定の要件」の「(4)特に遵守すべき事項」について
(1)意見
「イ 公益通報の通報対象事実その他の行政機関による法令違反の隠蔽を目的として,指定してはならないこと」の「隠蔽を目的」は不要である。また,公益通報の対象事実その他の行政機関による法令違反は特定秘密指定してはならないことは,特定秘密保護法に明記すべき事項である(前記第2-3参照)。
(2)理由
「隠蔽目的」という主観的要素が加えてしまうと,法令違反を特定秘密に指定する際に隠蔽目的は無いという口実を与えることになる。10 運用基準案「Ⅱ 特定秘密の指定等」の「3 指定手続」の「(2)」について
(1)意見
① 「行政機関の長は,指定する際には書面又は電磁的記録により,当該指定に係る情報を他の情報と区別することができ」は「区別しなければならず」となっておらず,不適切である。
② 「指定の要件を満たしていると判断する理由」は,具体的に記述されるべきであり,特に,別表該当性については,単に別表に該当するだけでなく,その具体的事情が明記されるべきところ,運用基準案ではそこまで言及しておらず不適切である。
(2)理由
① 特定秘密を明確にするためには,当該指定に係る情報と特定秘密として取り扱うことを要しない他の情報とは,常に区別することが求められるというべきである。
② 「指定の要件を満たしていると判断する理由」が形式的・定型的な記述で良いとすれば,特定秘密の要件を定めた趣旨が失われるおそれが大きいので,「指定の要件を満たしていると判断する理由」は具体的に記述されるべきである。特に,別表該当性については,単に別表に該当するというだけでは実質的には理由が全く記述されていないのとを同じであるから,具体的事情まで記述されるべきである。
11 運用基準案「Ⅱ 特定秘密の指定等」の「3 指定手続」の「(4)」について
(1)意見
災害時の住民の避難等国民の生命及び身体を保護する観点から,特定秘密の指定を解除すべきとされる情報は,そもそも特定秘密指定の対象とすべきではない。
(2)理由
上記情報は,本来,被災時に国民が適確に判断して避難できるように広く公開されるべきであり,特定秘密指定にはなじまない。
12 運用基準案「Ⅱ 特定秘密の指定等」の「4 指定の有効期間の設定」について
(1)意見
情報通信技術の動向に密接に関係する情報については,指定に理由を見直すに当たって適切な最も短い期間を「3年等」としているのは不適切である。
(2)理由
情報通信技術の発展速度に鑑みれば,3年等は長すぎる。
13 運用基準案「Ⅱ 特定秘密の指定等」の「6 指定した特定秘密を適切に保護するための規程」について
(1)意見
特定秘密の保護措置は,政令や運用基準に委ねるのではなく特定秘密保護法で明記すべきである。
また,施行令案第12条第1項第10号は特定秘密の漏えいのおそれがある緊急事態に際して特定秘密文書等の廃棄を定めているが,これは法律の委任の範囲を逸脱するものであるから削除すべきであり,運用基準案からも削除すべきである。
(2)理由
特定秘密の保護措置は,特定秘密の保護を目的とする法律の中心的な事項であるから,本来法律で明記すべき事項である。にもかかわらず,政令や運用基準に委ねることは,国会によるチェックを無にしてしまうものであって適切ではない。また,施行令案第12条は特定秘密保護法第5条第1項に基づくものであるところ,同項では政令への委任の範囲として特定秘密文書等の廃棄にまでは言及していない。にもかかわらず,政令や運用基準案で廃棄を規定することは法律による委任の範囲を逸脱するものである。
14 運用基準案「Ⅲ 特定秘密の指定の有効期間の満了,延長,解除等」の「1 指定の有効期間の満了及び延長」の「(1)指定時又は延長時に定めた有効期間が満了する場合」について
(1)意見
アないしオに掲げられた情報について,特定秘密指定の有効期間を延長する前提での記述となっており不適切である。
(2)理由
アないしオに掲げられた情報は役割を終えた情報であるから,特定秘密として保護する必要性は認められない。
15 運用基準案「Ⅲ 特定秘密の指定の有効期間の満了,延長,解除等」の「3 指定が解除され,又は指定の有効期間が満了した当該指定に係る情報を記録する行政文書で保存期間が満了したものの扱い」の「(2)指定の有効期間が通じて30年以下の特定秘密」について
(1)意見
指定の有効期間が通じて30年以下の特定秘密も,すべて国立公文書館等に移管すべきであり,法律で明記すべきである。
(2)理由
特定秘密に指定される情報は,国家の安全保障に関するものであるから,基本的に歴史資料として重要なものであると認められる。したがって,事後の検証を確保するために,特定秘密に指定された情報を記録する公文書については恣意的に廃棄されない仕組みが必要不可欠である。
16 運用基準案「Ⅳ 適性評価の実施」の「1 適性評価の実施に当たっての基本的な考え方」の「(1)プライバシーの保護」について
(1)意見
同意を得る対象に評価対象者の家族同居人も加えていないのは不適切である。また,この点が特定秘密保護法に明記されていないことも不適切である。
(2)理由
適性評価の実施においては,評価対象者のみならず家族同居人のプライバシーも関わる以上,彼らのプライバシー情報を同意無く取得することは不適切である。
17 運用基準案「Ⅳ 適性評価の実施」の「1 適性評価の実施に当たっての基本的な考え方」の「(2)調査事項以外の調査の禁止」について
(1)意見
「適法な」政治活動及び労働組合の活動の内容が曖昧であり,不適切である。信教の自由への配慮がないのも不適切である。禁止事項に違反した調査を行った職員に対する懲戒処分その他適切な措置を講ずることの明記がないことも不適切である。 以上の点が特定秘密保護法に明記されていないことも不適切である。
(2)理由
政治活動や労働組合活動に「適法な」と限定を付すことにより,その内容の曖昧性,第一次判断者が政府や行政機関となることに鑑みると,恣意的判断のおそれや萎縮効果の危険がある。
また,警察庁や自衛隊情報保全隊はイスラム教徒やその団体を「国際テロ容疑」で調査していたことが明らかになっており,このような調査が信教の自由を侵害していることは明らかである。このような違法な調査を禁止する措置が特定秘密保護法や運用基準案で明記されていないのは不適切である。プライバシーや思想信条の自由,信教の自由等の保護の観点からは,禁止事項に違反した職員に対して懲戒処分その他適切な措置を講じる必要があるところ,その記述がないのも不適切である。
18 運用基準案「Ⅳ 適性評価の実施」の「1 適性評価の実施に当たっての基本的な考え方」の「(3)適性評価の目的外利用の禁止」について
(1)意見
目的外利用の禁止の範囲を「人事評価のために」に限定するのは不適切である。また,禁止事項に違反した調査を行った職員に対する懲戒処分その他適切な措置を講ずることの明記がないことも不適切である。この点が特定秘密保護法に明記されていないことも不適切である。
(2)理由
特定秘密保護法第16条は,特定秘密の保護以外の目的で適性評価の結果やその実施に当たって取得した個人情報の利用・提供を禁止している以上,運用基準案で「人事評価のために」に限定するのは不適切である。プライバシー保護の観点からは,禁止事項に違反した職員に対して懲戒処分その他適切な措置を講じる必要があるところ,その記述がないのも不適切である。
19 運用基準案「Ⅳ 適性評価の実施」の「4 適性評価の実施についての告知と同意」の「(1)評価対象者に対する告知」について
(1)意見
① 別添1の「告知書」の「2 適性評価で調査する事項」のうち,特定有害活動及びテロリズムの防止に関する事項が具体的でなく,不適切である。
② 別添1の「告知書」の「3 調査の方法」において,個別的に同意書をとることを前提にしていないのは不適切である。
(2)理由
① 特定有害活動及びテロリズムの防止に関する事項が具体的でないため,どのようなことが調査されるのかが不明であり,同意不同意についての正確な判断を阻害しかねない。
② 調査開始前に同意書を提出するため,評価対象者は,どのような事項について,どのような調査(調査のためにどこに照会するのか,どのような内容の調査をするのか等)が具体的に分からないまま同意書の提出を余儀なくされる。このような同意書をあらゆる調査についての包括的同意を与えたものとすることは,白紙委任を認めたに等しくプライバシー保護の観点からは不適切である。
20 運用基準案「Ⅳ 適性評価の実施」の「4 適性評価の実施についての告知と同意」の「(2)同意の手続」について
(1)意見
① 包括的な同意は不適切である。
② 評価対象者の家族・同居人を調査する際に彼らから同意書を取得しないことは不適切である。
(2)理由
① 別添2-1の「同意書」では,「私の知人その他の関係者に」質問させ,資料の提出を求めさせることに同意する旨の記載がある。しかし,これではどの範囲の知人その他の関係者なのかが不明であり,白紙委任的な内容である。このような同意取得の手続では,真の同意を取得したことにならない。
② 特定秘密保護法第12条第2項第1号は,評価対象者の家族・同居人の氏名,生年月日,国籍(過去に有していた国籍を含む。)及び住所を調査事項と定め,同条第4項ではさらに調査することも認めている。これらは個人情報に該当するところ,家族・同居人の同意を取得せずに調査することはプライバシー保護の観点からみて不適切である。
21 運用基準案「Ⅳ 適性評価の実施」の「4 適性評価の実施についての告知と同意」の「(3)不同意の場合の措置」について
(1)意見
不同意書面を要求するのは不適切である。
(2)理由
添付3の「不同意書」には,不同意の結果「特定秘密の取り扱いの業務が予定されていないポストに配置換となること等」があることが予告されている。「配置換となること等」という不明確な取扱いの予告は,評価対象者に強い不安感を与えるものであり,事実上同意を強制することにつながるおそれがある。
22 運用基準案「Ⅳ 適性評価の実施」の「8 苦情の申出とその処理」の「(1)苦情の処理のための体制」及び「(3)苦情の処理の手続」について
(1)意見
苦情処理担当者には,当該苦情申立をした評価対象者の適性評価の実施に直接従事した職員のみならず,調査の過程で質問や資料提供に応じた職員も指定されるべきではない。
(2)理由
適正に苦情処理を行うためには,当該適性評価の実施に関与していない者が行うのが適切である。
23 運用基準案「Ⅴ 特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の適正を確保するための措置等」の「3 特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の検証・監察・是正」の
「(1)内閣府独立公文書管理監(仮称)による検証・監察・是正」について
(1)意見
内閣府独立公文書管理監(仮称)及び内閣府情報保全監察室の独立性を確保するためには,構成員に弁護士,研究者その他外部の有識者を入れ,行政機関から就任する構成員についてはいわゆるノーリターン・ルールを導入すべきである。
(2)理由
内閣府独立公文書管理監及び内閣府情報保全監察室も内閣府に設置される組織であり,独立性・中立性には問題がある。そこで,少なくとも構成員については独立性・中立性が確保できる措置を講じるべきである。
24 運用基準案「Ⅴ 特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の適正を確保するための措置等」の「3 特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の検証・監察・是正」の「(2)行政機関の長による特定秘密指定管理簿の写しの提出等」について
(1)意見
内閣府独立公文書管理監に特定秘密に対するアクセス権限が認められていないのは不適切である。
(2)理由
運用基準案では,行政機関の長は内閣府独立公文書管理監からの特定秘密の提供の求めに対して拒否できることになっている。しかし,これでは特定秘密の指定の適正を検証・監察・是正することは不可能であり,ツワネ原則31~33にも反している。
25 運用基準案「Ⅴ 特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の適正を確保するための措置等」の「4 特定秘密の指定及びその解除並びに特定行政文書ファイル等の管理の適正に関する通報」の「(1)通報の処理の枠組み」,「(2)通報の処理」について
(1)意見
通報窓口が行政機関と内閣府独立公文書管理監に限定されており,いずれの対応も不十分だった場合における通報の手段が無いのは不適切である。また原則として最初に行政機関の通報窓口に通報する仕組みとしていることは,不適切である。
(2)理由
行政機関及び内閣府独立公文書管理監の通報処理が不十分な場合の仕組みがなければ,特定秘密指定の適正確保は実現できない。
また,行政機関の通報窓口に通報しても適正に処理されるか疑わしい面もあり,通報者も心情的に躊躇してしまうおそれがあるため,少なくとも独立公文書管理監への通報も自由に選択できるような仕組みにすべきである。
26 運用基準案「Ⅴ 特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施の適正を確保するための措置等」の「5 特定秘密保護法第18条第2項に規定する者及び国会への報告」について
(1)意見
報告事項が基本的に件数のみであり,適切な監督が期待できない。
(2)理由
件数のみの報告では,概要すら知ることができず,報告に基づいた適切な監督を行うことは不可能である。以 上

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余命三年時事日記 2252 ら特集10仙台弁護士会⑤3 [余命三年]

余命三年時事日記 2252 ら特集10仙台弁護士会⑤3
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/12/2252-%e3%82%89%e7%89%b9%e9%9b%8610%e4%bb%99%e5%8f%b0%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e2%91%a43/ より

平成26年03月13日 常用代替防止の理念を没却する労働者派遣法の改正に反対する会長声明 2014年(平成26年)3月13日仙台弁護士会会長内田正之
ttp://senben.org/archives/5021

平成26年02月06日 少年法改正法案に強く反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/4921

1 平成26年1月24日召集された通常国会において,少年法の一部を改正する法案が2月上旬に提出される見込みとなった。この法案は,国選付添人制度の対象事件の範囲を拡大することを内容に含むものではあるが,他方,検察官関与対象事件の範囲も拡大し,かつ,有期刑の上限引き上げをも含んでいる点において,少年法の改悪以外の何ものでもない。
2 少年法は「少年の健全な育成」を目的に掲げ(法1条),保護主義を基本理念とする。すなわち,非行を少年の成育環境や少年期の不安定さ等に起因する成長過程に生じる「歪み」と捉え,少年が自らの抱える問題を克服し成長し得る力と可塑性に依拠し,教育的な措置によりその問題性の解決を援助し,調和のとれた成長を確保するということである。そして,少年が自らの抱える問題を克服し成長していくためには,少年が自らの気持ちを率直に語り,少年と裁判官ら大人との対等な対話の中で,内省を深め,自らの真の問題性に気付き,これを克服する覚悟を決め,問題を解決する方法を探る必要がある。そのため,審判は,もともと表現力,理解力の未熟な少年らが心を開き自由に語れる場でなくてはならず,決して糾問的,弾劾的な場であってはならない(法22条1項参照)。
ところが,平成12年の少年法改正により検察官関与制度が創設されたことによって,上記のような少年法の理念は後退を余儀なくされた。少年は,捜査段階で,長期間自由を拘束され,時には一方的な厳しい追及を受け,場合によっては虚偽自白を迫られることもある。そのような捜査機関の一員である検察官が審判にも関与した場合,少年が検察官の前で萎縮し,取調べ段階での供述に縛られ,あるいは検察官への反発から感情的になり,自由に本心を語り自分自身の問題性を深く掘り下げることができなくなるおそれがある。このように重大な問題を孕む検察官関与の対象事件が更に拡大されれば,少年法の保護主義の理念はなし崩し的に骨抜きにされ,取り返しのつかない重大な変容が生じかねず,ひいては,検察官が関与しない審判においてすら,保護主義は忘れ去られ,少年審判が,行為責任を追及する刑事裁判と同質のものとなることが懸念される。そして,このような状況下においては,いくら国選付添人制度が拡大されたとしても、検察官関与拡大による弊害を解消することはできない。少年が,自らの問題性に気づき克服していこうとする姿は,審判を捜査機関の影響から遮断し,懇切かつ和やかな雰囲気の中で,少年の立ち直りを援助する保護主義のもとでこそ実現するものであり,決して付添人弁護士単独の力によってなしえるものではない。したがって,上記法案に国選付添人対象事件の拡大が含まれていることは,上記法案に賛成する理由にはなりえない。
3 さらに,上記法案には,少年法における有期刑の上限引き上げ規定が含まれているが,この点も決して是認できない。少年法が不定期刑を導入し,成人に比べて有期刑の期間を大幅に短縮しているのは,少年の可塑性や,未熟ゆえに成人に比べてその責任が減少すること,情操保護の必要性等,少年の特性を踏まえた理由があるのであり,成人の有期刑の上限が引き上げられたことから直ちに少年の有期刑も上限を引き上げるべきということにはならない。特に少年受刑者は,刑執行開始後3年間は,少年受刑処遇要領の下で処遇するとされているが,その後は成人と同様の処遇になる。このような点からも,長期間の受刑は,少年の社会復帰を著しく困難にする。少年事件は凶悪犯罪を含め,減少傾向にあることが統計上明らかである。このような中で,重大事件を対象に厳罰化しなければならない立法事実は存在しない。ゆえに,少年の刑の厳罰化を図るべき根拠はなく,そもそも,厳罰化は非行の問題を解決することにはつながらず,逆に少年の社会復帰を困難にし,少年の更生を阻害するものであるから,このような観点からも,上記法案は決して容認できないものである。
1 以上のとおり,当会は,少年の刑を厳罰化し、少年法の理念の崩壊という極めて重大な弊害をもたらす上記法案に,強く反対する。
2014年(平成26年)2月6日仙台弁護士会会長 内 田 正 之

平成26年02月22日 特定秘密保護法の廃止を求める決議
ttp://senben.org/archives/4969

特定秘密の保護に関する法律(平成25年法律第108号)(以下,「本法律」という。)は,2013年(平成25年)12月6日に参議院で可決成立し,同月13日に公布され,1年以内に施行されることとなった。しかし,本法律は,当会がこれまで指摘してきたように,以下のとおり,憲法上看過できない重大な問題がある。
第一に,国民の知る権利の保障及び国民主権の原理にもとる点である。
国政に関する情報を国民が知る権利(憲法第21条)は,国民主権(憲法前文,第1条)の実現のためには必要不可欠のものである。そして,知る権利の保障を実質化するためには情報公開と内部告発者保護の充実が必要である。また,一定の事項を例外的に一時的に行政機関が秘密にしようとする場合であっても,秘密とすべき情報の限定や行政機関の説明責任,及び違法不当な秘密指定をチェックし是正するための監視機関が必要である。ところが,本法律は,特定秘密の範囲も広範かつ不明確であり,秘密指定の有効期間も最長30年間という原則に大幅な例外を加えて秘密指定の半永久化を許容する一方で,秘密指定をする行政機関の長の説明責任を明記せず,恣意的な秘密指定をチェックし是正するための監視機関も設けていない。さらには,内部告発者に対する保護規定も設けていない。このように,本法律は,知る権利の保障及び国民主権の原理にもとるものである。
第二に,刑罰の広範化・重罰化による国民やメディアに対する萎縮効果である。
本法律では,特定秘密取扱者による故意の漏えいのみならず過失漏えいも処罰の対象としているほか,「特定秘密を保有する者の管理を害する行為」,共謀,教唆及び扇動も犯罪行為とされ,その処罰範囲は広範化し,国民やメディア関係者も処罰対象から除外されていない(第23条から第27条)。そして,何が特定秘密に指定されているかは一般市民には知らされないため,どのような行為がどの時点で犯罪となるのかが予測困難であり,罪刑法定主義(憲法第31条)の観点から重大な疑義がある。そして,このような処罰範囲の広範化は,捜査機関による逮捕・捜索・押収といった市民生活への介入拡大の契機となりうるものであり,漏えい行為等の法定刑が国家公務員法や自衛隊法に比して著しく重くなっていることをも併せ考慮すると,国民やメディアによる情報収集活動や政府の行為に対する監視活動に対する萎縮効果は否定できない。
第三に,国民のプライバシーや思想・良心の自由を侵害する危険を有する点である。
特定秘密を取扱う者を選別する適性評価制度は,特定有害活動及びテロリズムとの関係,犯罪・懲戒歴や薬物の乱用又は影響に関する事項,精神疾患に関する事項,飲酒についての節度に関する事項,信用状態等といった機微にわたるプライバシー情報を調査するとともに(第12条2項),本人の友人等についてまで調査するおそれがあり,プライバシー(憲法第13条)や思想・良心の自由(憲法第19条)を侵害する危険がある。
第四に,被疑者・被告人の防御権及び裁判を受ける権利を侵害しかねない点である。
秘密漏えい行為等による本法律違反被告事件において,政府は,特定秘密の内容を明らかにしなくても,当該秘密文書の作成過程や特定秘密に指定された手続や秘密指定を相当とする理由などの外形的事実から秘匿の必要性が実質的にあることを立証する方法(外形立証)により,実質秘性を立証できると答弁している。この場合,被告人側において実質秘性の反証を行うことになるが,外形的事実に関する反証に限定されてしまっては防御権の行使は著しく制約されてしまう。さらに,本法律では,刑事訴訟の公判前整理手続における証拠提示命令(刑事訴訟法第316条の27第1項)による特定秘密の提供を規定しているが(第10条1項1号ロ),行政機関の長が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれ」があると判断すれば提示拒否が許容されている。そのため,刑事訴訟において,「特定秘密」の内容が明らかにされないまま有罪とされてしまうおそれも否定できず,被告人の防御権及び裁判を受ける権利(憲法第31条,第32条,第37条,第82条)を侵害しかねない。
また,起訴前の段階では,被疑者や弁護人,裁判官が特定秘密の内容を知る制度的保障が全くないため,被疑者の防御権を侵害しかねない。
第五に,国会・国会議員の活動を制約しかねない点である。
本法律では,国会議員への特定秘密の提供は行政機関の長等の裁量に委ねられており(第10条),議院の国政調査権(憲法第62条)や議員の質問権(国会法第74条から第76条)を制約しかねない。加えて,特定秘密を漏えいした国会議員も処罰(過失も含む)の対象としており(第23条2項・3項・5項,第10条1項1号イ),国会議員が国会(秘密会)で知得した「特定秘密」に係る情報に関する議論を他の議員等とすることができなくなってしまう。これでは,国会議員が効果的な議員活動を行うことが困難となってしまい,国会が行政をコントロールする議院内閣制(憲法第66条3項等)や国会の最高機関性(憲法第41条)に抵触する。
第六に,立法事実が存在しない点である。
本法律は,国民主権を支える知る権利その他の人権を侵害しかねないものであり,そのような立法をする場合には,その立法が必要であることを裏付ける事実が存在しなければならない。しかし,従前の秘密保護法制(国家公務員法,自衛隊法,MDA秘密保護法,特別刑事法等)よりも処罰範囲を拡大し,重罰化し,プライバシー侵害等の危険のある適性評価制度を法制化する必要性を裏付ける事実が存在するとは到底いえない。立法事実が存在せず,その存在についての説明が十分になされていない以上,本法律は立法の基礎を欠くというべきである。以上のとおり,本法律は,法律の重要ないし基本的な事項に憲法上重大な問題をもち,かつ立法事実も存在しないため,部分的な修正では対処できないものであり,廃止しかない。
よって,当会は,本法律の廃止を求める。

2014年(平成26年)2月22日
仙 台 弁 護 士 会
会長 内 田 正 之

提 案 理 由
第1 はじめに
1 制定経過
特定秘密の保護に関する法律(以下,「本法律」という。)は,2011年(平成23年)8月8日に秘密保全のための法制の在り方に関する有識者会議が公表した「秘密保全のための法制の在り方について(報告書)」をもとに法案化作業が進められてきた。その間,法案化作業の全容が明らかにされることはなく,2013年(平成25年)9月3日から実施されたパブリックコメントの際に法案の概要がようやく示された。パブリックコメントは,わずか15日間という短期間であったにもかかわらず,約9万件の意見が寄せられ,その約77%が反対意見であった。本来であれば,パブリックコメントに寄せられた意見を踏まえ,法案の提出断念も含めて慎重に検討されるべきであったが,パブリックコメント終了後わずか9日目の同年9月26日に法案が公表された。
政府は,同年10月25日に秘密保護法案を臨時国会に提出した。そして,法案は11月7日から衆議院で審議が開始され,同月25日の福島公聴会では公述人全員が反対又は慎重審議を求める意見を述べたにもかかわらず,翌26日に衆議院で自民党・公明党・みんなの党・日本維新の会の4党による修正案が強行採決された。参議院においても,わずか20時間余りの審議で,12月6日に強行採決がなされ,可決成立した。
2 本決議の意義
当会は,有識者会議報告書が公表されて以降,2011年(平成23年)12月14日に「秘密保全の法制の在り方について(報告書)」に対する意見を表明したことをはじめ,適時に秘密保護法案の問題点を指摘し,同法案に反対してきた。しかし,本法律は,当会が指摘してきた問題点について何ら克服・改善されていない。本法律が国民主権を支える知る権利を侵害しかねないものであり,また他の基本的人権との関係においても重大な問題を孕むことから,当会は,改めて本法律の問題点を指摘し,同法の廃止を求める。
第2 知る権利の保障及び国民主権の原理にもとること
1 知る権利の保障
国民主権(憲法前文,第1条)の下において国民が国政について意思決定をするには,国政に関する情報が国民に共有されることが必要不可欠である。それ故に,国民の知る権利は民主政に資するものとして,憲法第21条で保障されている。知る権利の保障を実質化するためには,恣意的な情報隠しを阻止する情報公開制度・公文書管理制度の充実が必要であり,また内部告発者の保護も必要である。また,知る権利が国民主権を支える重要な基本的人権であることに鑑みると,その制約が正当化されるためには,制約を必要とする社会的事実(立法事実)が存在しなければならず,かつ,その制約が目的達成のための必要最小限度のものでなければならない。
2 ツワネ原則~知る権利と国家安全保障の関係
(1)2013年(平成25年)6月12日,70か国以上の500人を超える専門家によって起草された「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則(ツワネ原則)」が発表された。ツワネ原則は,自由権規約第19条(表現の自由及び知る権利に関する規定)等を踏まえ,国家安全保障分野において立法を行う者に対して,国家安全保障上の理由による情報非公開と,政府情報への国民のアクセス権を保障することとの両立を図って作成された実務的ガイドラインであり,知る権利の制約の必要最小限度性を検討する上でも重要である。同原則の概要は,以下のとおりである。
(2)国家秘密の存在を前提にしつつも,誰もが公的機関の情報にアクセスする権利を有しており,その権利を制限する正当性を証明するのは政府の責務である(原則1,4)。
(3)政府の人権法・国際人道法違反の事実や大量破壊兵器の保有,環境破壊など,政府が秘密にしてはならない情報を列挙している(原則10)。
(4)秘密指定は,必要な期間にのみ限定してなされるべきであり,政府が秘密指定を許される最長期間を法律で定めるべきである(原則16)。
(5)市民が秘密解除を請求するための手続が明確に定められるべきである(原則17)。
(6)刑事訴訟において,いかなる場合でも,被告人が証拠について精査,反論する機会を持たないまま有罪判決を下したり,自由を剥奪したりすべきではない(原則29(b))。法的公正さの点から,公的機関は被告人と弁護人に対し,その被告人が問われている容疑と,公正な裁判を確実に行うために必要なその他の情報を,たとえ秘密扱いの情報であっても,公共の利益を考慮した上で,開示するべきである(原則29(c))。公正な裁判を保障するために必要な情報の開示を公的機関が拒んだ場合,裁判所は審理を停止,若しくは起訴を棄却すべきである(原則29(d))。
(7)安全保障部門には独立した監視機関が設けられるべきであり,この機関は実効的な監視を行うために必要な全ての情報に対してアクセスできるようにすべきである(原則6,31,32,33)。
(8)人権侵害,国際人道法違反,公衆衛生と公共の安全に対する危険,環境に対する危険,職権濫用等の不正行為については,それらの秘密指定のいかんにかかわらず,所定の条件を満たせば,その開示(内部告発)は保護されるべきであり(原則37),刑事上及び民事上の責任の対象とされるべきではない(原則41)。また,不正行為に該当しない情報を開示した場合又は所定の条件を満たさない場合であっても,開示された情報による公益が秘密保持による公益を上回る場合には公益的保護を保障すべきであり(原則43),刑事処罰の対象とされるべきではなく,刑事訴追される場合であっても,開示が重大な損害を引き起こす現実的かつ特定可能な危険がなければならず,開示による公益よりも非開示による公益が大きい場合に限って刑事訴追が許されるべきである(原則46)。
(9)公務員でない者は,秘密情報の受領,保有又は公衆への公開により,又は秘密情報の探知,アクセスに関する共謀その他の罪により訴追されるべきではない(原則47)。また,公務員でない者は,情報流出の調査において,秘密の情報源やその他の非公開情報を明らかにすることを強制されるべきではない(原則48)。
3 特定秘密の広範性・不明確性・指定期間の半永久性
(1)特定秘密の広範性・不明確性
本法律では,別表で定める防衛,外交,特定有害活動の防止,テロリズムの防止の各事項に関する情報が特定秘密の対象になるとされているが(第3条1項),別表の記載は抽象的であるほか,「その他の重要な情報」などといった記載もあり,限定機能は乏しく,広範な国政に関する情報が特定秘密になりうる。特定秘密の指定等に関する統一的な運用基準が定められることとなったものの(第18条1項),その運用基準に従って適正な秘密指定等がなされることの担保はなきに等しい。政府は,内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督によるチェック機能がある旨述べる。しかし,内閣総理大臣が秘密指定等の全てをチェックすることは現実的に不可能であり,内閣府に設置されると言われている「保全監視委員会」(仮称)も行政内部の組織であり,恣意的な秘密指定等に対するチェック機能は期待できない。また,本法律には,ツワネ原則が求めている秘密指定についての政府の説明責任(原則1,4)や,秘密指定禁止条項(原則10)もない。
(2)指定期間の半永久性
本法律は,「特定秘密」の指定の有効期間を5年以内としつつ,その延長も認め,原則最長30年間としている(第4条3項)。しかし,同法は第4条4項で最長60年までの例外を大幅に許容している。また,「武器,弾薬,航空機その他の防衛に用に供する物」や「情報収集活動の手法または能力」,「政令で定める重要な情報」などは60年を超えて秘密指定できることになっており(第4条4項),秘密指定の半永久化を許容している。これでは,恣意的な秘密指定が永続するおそれがある。4 独立した監視機関の不存在
(1)行政機関による秘密指定に関する独立した監視機関の必要性は,ツワネ原則でも述べており(前記2(7)),諸外国においても次のような監視機関が設置されている。
アメリカでは,議会の特別委員会,機密指定に関する行政機関内部からの異議申立制度,情報保全監察局長(国立公文書館の部局)による機密解除請求などの制度が存在する。イギリスでは,議会情報安全保障委員会が,情報や安全保障問題に関する政府の活動を精査又は監視し,対象機関に対して情報の開示を強制する権限も付与されている。ドイツでは,議会監督委員会が,情報機関(連邦憲法擁護庁,軍事防諜局及び連邦情報局)に情報開示を求める権限,情報機関の職員に事情聴取を行う権限,情報機関の事務所立ち入り権限等を有する。フランスでは,裁判官及び国会議員で構成される独立の行政機関として国防秘密査問委員会があり,国防秘密の指定解除・公開についての助言を行う。同委員会には秘密情報へのアクセス権限等が認められている。
(2)しかるに,本法律では,独立した監視機関を設けていない。
政府は,参議院での審議の中で4つの組織の設置を表明したが,以下のとおり,いずれも独立した監視機関とは評価できない。
一つ目は,「情報保全諮問会議」である。しかし,これは内閣情報調査室が策定する「特定秘密」指定等の統一基準について意見を述べるにとどまり(第18条2項),個々の秘密の内容をチェックする権能を有さないため,「特定秘密」指定の恣意性を排除する担保措置には全くならない。
二つ目は,「保全監視委員会」(仮称)である。これは,特定秘密の指定,解除,適性評価の実施の適正を確保するために,第18条4項により内閣総理大臣が行う行政各部に対する指揮監督を果すことに資するために内閣官房に設置される組織とされ,事務次官級を中核に構成されると説明されている(平成25年12月4日参議院国家安全保障に関する特別委員会における内閣総理大臣答弁)。しかし,これは行政内部の官僚組織であり,恣意的な秘密指定等に対するチェック機能は期待できない。
三つ目は,「独立公文書管理監」(仮称)である。これは,特定秘密の記録された公文書の廃棄の可否を判断する機関で,内閣府に設置され,審議官級で構成されると説明されている(平成25年12月4日参議院国家安全保障に関する特別委員会における内閣総理大臣答弁)。しかし,独立公文書管理監にいかなる権限が付与されるのかが不明なため,実効性に疑問がある。また,これも行政内部の官僚組織であるため,恣意的な公文書廃棄のおそれは払拭できない。
四つ目は,「情報保全監察室」(仮称)である。これは,内閣府に20人規模で設置され,各行政機関による個別の特定秘密の指定及び解除の適否を検証及び監察し,不適切なものについて是正を求めることなどを想定していると説明されている(平成25年12月5日参議院国家安全保障に関する特別委員会における菅国務大臣答弁)。局への格上げも想定されており,附則第9条を踏まえた機関であると位置付けられる。しかし,これも行政内部の官僚組織であるため,恣意的な秘密指定等に対するチェック機能は期待できない。
5 内部告発者保護の規定の不存在
本法律には,内部告発者を保護する規定がなく,不正行為に関する情報を特定秘密指定することを禁止する旨の規定もないことを併せ考慮すると,不正行為に関する特定秘密を内部告発した者さえも秘密漏えい罪に問われるおそれがある。これでは,内部告発が抑制され,国民が知るべき情報を知らされないままになってしまうおそれがある。
6 小括
以上のとおり,本法律は,恣意的な特定秘密指定を排除する仕組みを有しておらず,ツワネ原則にも抵触している。そして,後述する刑罰規定と併せ考慮すると,本法律は,国民の知る権利を恣意的な特定秘密指定と刑罰規制によって規制するものであり,国民の知る権利の保障及び国民主権の原理にもとるものである。
第3 刑罰の広範化・重罰化による萎縮効果
1 罪刑法定主義との関係
(1)犯罪と刑罰を国会の定める法律により具体的かつ明確に規定しなければならないという罪刑法定主義は,自由かつ民主的な社会生活を送るためには必要不可欠であり,憲法第31条により保障されると解されている。しかるに,本法律では,特定秘密の範囲が広範かつ不明確であり,国民には何が特定秘密なのかは分からないため,漏えい行為等の構成要件の主要な要素である特定秘密の内容が具体的かつ明確に定められていないことになり,罪刑法定主義の観点から重大な疑義がある。また,本法律は,犯罪行為として特定秘密取扱者による故意の漏えい行為にとどまらず,過失による漏えい行為や漏えい行為の未遂も対象にしている(第23条3項・4項)。そればかりでなく,本法律は,漏えい行為の共謀,教唆及び扇動や,特定秘密の取得行為(特定秘密の管理侵害行為)とその行為の未遂,共謀,教唆及び扇動を対象にして(第24条から第27条),特定秘密取扱者以外の者も処罰対象に加えている。そのため,上記特定秘密の不明確さとも相まって,犯罪行為の範囲の外延が不明確となってしまい,この点でも罪刑法定主義の観点から重大な疑義がある。
(2)このような罪刑法定主義の観点から重大な疑義のある本法律の下では,取材活動の萎縮や知る権利に対する制約をもたらすおそれが大きい。この点,本法律は,国民の知る権利の保障に資する報道の自由又は取材の自由に配慮する旨の規定を盛り込んでいる(第22条)。しかし,判例上,知る権利や報道の自由が憲法第21条の保障のもとにあることは確立されており,取材の自由も同条の趣旨に照らし十分尊重に値するものとされているのであるから,改めてその文言を規定する意味は乏しい。むしろ,「処罰しない」「逮捕・捜索・押収しない」という明記がない以上,取材活動などの国民の自由に対する萎縮効果をぬぐい去ることはできない。
2 重罰化について
秘密の保護については既に国家公務員法や自衛隊法,MDA秘密保護法(日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法),及び刑事特別法(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法)等によって秘密漏えい行為等に対する罰則が設けられており,故意の漏えい行為については自衛隊法が懲役5年以下,MDA秘密保護法及び刑事特別法が懲役10年以下という重罰が定められている。しかるに,有識者会議報告書で示されている過去の秘密漏えい事案をみても,実刑判決がなされているのは自衛隊法違反の懲役10月のみであり,他の有罪判決においてもMDA秘密保護法違反の懲役2年6月・執行猶予4年であり,懲役10年・罰金1000万円という重罰を設ける必要性は認められない。
第4 国民のプライバシー,思想・良心の自由侵害の危険
1 プライバシー侵害の危険
特定秘密を取扱う者を選別する適性評価制度は,特定有害活動及びテロリズムとの関係,犯罪・懲戒歴や薬物の乱用又は影響に関する事項,精神疾患に関する事項,飲酒についての節度に関する事項,信用状態等といった機微にわたるプライバシー情報を調査するとともに(第12条2項),本人の友人等についてまで調査するおそれがあり,プライバシー(憲法第13条)を侵害する危険がある。他方で,過去の情報漏えい事案を見ても,必ずしも上記調査事項に係る属性を持った人物が情報漏えいをしたわけではなく,このような調査による人的管理の実効性があるのかは疑問である。また,行政機関の長は,適性評価のための調査として,「公務所若しくは公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる」(第12条4項)とされており,特定秘密取扱候補者の病状・入通院履歴や電話・メールの発信受信履歴なども調査することができる。この点,本法律は,適性評価のための調査について予め評価対象者から同意を得る旨定めている(第12条3項)。しかし,同意を拒否することは事実上不可能であり,同意は事実上強制されることになりかねず,同意の存在をもってプライバシー侵害を解消することにはならない。
2 思想・良心の自由の侵害の危険
適性評価制度は,評価対象者の「特定有害活動及びテロリズムとの関係に関する事項」を調査する(第12条2項1号)。特定有害活動とは,「公になっていない情報のうちその漏えいが我が国の安全保障に支障を与えるおそれがあるものを取得するための活動」等「であって,外国の利益を図る目的で行われ,かつ,我が国及び国民の安全を著しく害し,又は害するおそれのあるもの」のことをいうが,特定秘密は我が国の安全保障のために特に秘匿を要する情報とされているため,特定秘密の取得活動を行えば,我が国の安全保障を害する目的がある,即ち「外国の利益を図る目的がある」と事実上推定されてしまうおそれがある。つまり,特定秘密を取得するための探知・取材などの活動をしているだけで「特定有害活動」と推定され,活動を調査されてしまうおそれがある。また,テロリズムとは,「政治上その他の主義主張に基づいて」,一定「の目的で人を殺傷し,又は重要な施設その他の建物を破壊するための活動」のことをいうが,政府に批判的な主張をする者は人を殺傷したり施設を破壊する可能性があるとして,事前にその「政治上その他の主義主張」が調査されてしまうおそれがある。このように,適性評価制度は,思想・良心の自由を侵害しかねない。
3 評価対象者以外の者のプライバシー,思想・良心の自由の侵害の危険
以上のようなプライバシーや「政治上その他の主義主張」に関する調査は,評価対象者本人だけでなく、その周りの家族や友人にも及ぶおそれがある。なぜなら、既に自衛隊で実施されている適格性確認制度の下では,評価対象者に対し、その友人の氏名・住所・勤務先等を申告させており、当該友人の身上を調査している可能性があるからである。
第5 被疑者・被告人の防御権・裁判を受ける権利の侵害の危険
1 刑事訴訟手続における防御権・裁判を受ける権利の侵害の危険
(1)被告人の防御権・裁判を受ける権利の侵害の危険
本法律は,刑事事件の捜査又は公訴の維持の業務であって,刑事訴訟の公判前整理手続における証拠提示命令(刑事訴訟法第316条の27第1項)による場合,及び当該捜査又は公訴の維持に必要な業務に従事する者以外の者に当該特定秘密を提供することがないと認められるものに特定秘密を提供をすると規定している(第10条1項1号ロ)。しかし,同号柱書では,上記の各場合に特定秘密を提供するための要件として,①当該特定秘密を利用し,又は知る者の範囲を制限すること,②目的外利用されないようにすることその他の当該特定秘密を利用し,又は知る者が当該特定秘密を保護するために必要なものとして政令で定める措置を講じること,③我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められること,が定められている。そのうち,③の判断は行政機関の長が行うと解されるため,行政機関の長が「我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれ」があると判断すれば提示拒否が許容される仕組みになっている。また,証拠開示命令(刑事訴訟法第316条の26)に対する特定秘密提供の規定がないため,特定秘密の指定解除がなされない限り,特定秘密を開示しない可能性もある。この点,政府は「インカメラ審査を経た後,証拠開示命令が出された場合には,証拠として開示をされることになります。」と答弁しているが(平成25年12月2日参議院国家安全保障特別委員会における森まさこ大臣答弁),そうであれば本法律にもその旨を明記すべきであった。証拠提示命令や証拠開示命令にもかかわらず行政機関の長が特定秘密を提供しない場合には,特定秘密の内容が被告人や弁護人のみならず裁判官にすら明らかにされないまま審理が進み,尋問や論告,弁論も特定秘密に関する部分が制限され,そのまま有罪とされてしまうおそれも否定できない。これでは,被告人の防御権及び裁判を受ける権利(憲法第31条,第32条,第37条,第82条)を侵害しかねない。
(2)被疑者の防御権侵害の危険
本法律は,上記のとおり,捜査又は公訴の維持に必要な業務に従事する者以外への特定秘密の提供を認めていない。その結果,起訴前の段階では,被疑者や弁護人,さらには裁判官が特定秘密の内容を知る制度的保障が全くないため,被疑者の防御権(憲法第31条)を侵害しかねない。
2 外形立証による有罪認定の危険
秘密漏えい行為等による本法律違反被告事件において,構成要件である特定秘密の内容が明らかにされなければ,本来は,訴因不特定として公訴棄却の判決がなされるべきである(刑事訴訟法第256条3項,同法第338条4号)。ツワネ原則も,公正な裁判を保障するために必要な情報の開示を公的機関が拒んだ場合,裁判所は審理を停止,若しくは起訴を棄却すべきとしている(原則29(d))。ところが,政府は,特定秘密の内容を明らかにしなくても,当該秘密文書の作成過程や特定秘密に指定された手続や秘密指定を相当とする理由などの外形的事実から秘匿の必要性が実質的にあることを立証する方法(外形立証)により,実質秘性を立証できると答弁している(平成25年11月28日参議院国家安全保障特別委員会における森まさこ大臣答弁等)。この場合,被告人側において実質秘性の反証を行うことになるが,外形的事実に関する反証に限定されてしまっては防御権の行使は著しく制約されてしまう。このような外形立証が認められてしまうと,刑事訴訟は行政機関の長が行った秘密指定を追認するだけの場になってしまうおそれがある。
第6 国会・国会議員の活動を制約する危険
1 国政調査権や質問権に対する制約の危険
本法律は,各議院,各議院の委員会及び参議院の調査会における審査又は調査において,①当該特定秘密を利用し,又は知る者の範囲を制限すること,②目的外利用されないようにすることその他の当該特定秘密を利用し,又は知る者が当該特定秘密を保護するために必要なものとして国会で定める措置を講じること,③我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認められること,④秘密会とすることを要件として,行政機関の長が国会に特定秘密を提供する旨定めている(第10条1項1号イ)。このうち③については,行政機関の長が判断すると解されるため,行政機関の長の裁量により特定秘密の提供不提供がなされるおそれがある。そのため,議院の国政調査権(憲法第62条)や議員の質問権(国会法第74条から第76条)が制約されかねない。
2 国会議員に対する処罰の危険
本法律は,特定秘密を漏えいした国会議員も処罰(過失も含む)の対象としており(第23条2項・3項・5項,第10条1項1号イ),国会議員が国会(秘密会)で知得した「特定秘密」に係る情報に関する議論を他の議員等とすることができなくなってしまう。これでは,国会議員が効果的な議員活動を行うことが困難となってしまい,国会が行政をコントロールする議院内閣制(憲法第66条3項等)や国会の最高機関性(憲法第41条)に抵触する。
第7 立法事実について
1 刑罰の広範化・重罰化を基礎付ける立法事実の不存在
我が国には,これまで包括的な秘密保護法は存在していなかったが,国家公務員法や自衛隊法,MDA秘密保護法及び刑事特別法などの秘密保護法制が存在している。これらの法律の下で,公務員による守秘義務違反が頻発したり,スパイ行為による秘密漏えいが頻発したという事実は,政府から説明されていない。政府が挙げている秘密漏えい事件は,平成12年以降8件に過ぎず,そのうち犯罪として起訴され有罪となったのは2件のみであり,うち1件は執行猶予が付されている。しかも,有識者会議の資料によれば,これらの事件を受けて,各機関において再発防止のための対策を講じているとされている。したがって,刑罰の広範化・重罰化するだけの立法事実の存在は認められない。
2 適性評価制度を基礎付ける立法事実の不存在
過去の秘密漏えい事案をみても,個人のプライバシーを調査して適性を評価するという手法が秘密漏えい対策として有効性があるとは認め難い。秘密漏えいは,適性評価制度による人的管理によって防止できるものではなく,電磁的記録媒体へのデータの書き出し制限,印刷・コピー時の認証機能,通信制御,アクセス制御,ログの保存等のセキュリティ機能を活用した情報管理システムの適正化や情報保全教育,サイバー攻撃に対する技術的防衛により防止することを徹底した方が効果的であると考えられ,本法律の必要性は認められない。
3 その他
その他,政府は,本法律により,在アルジェリア邦人に対するテロ事件のような事件が発生した場合に,外国の関係機関等から秘匿性の高い情報がより適切な形で迅速に提供されることが期待できる旨答弁している(平成25年11月28日参議院国家安全保障特別委員会における鈴木良之政府参考人答弁)。しかし,上記在アルジェリア邦人に対するテロ事件では他国も情報を得られなかったのであり,本法律の必要性を基礎付ける例にはならない。
第8 結論
以上のとおり,本法律は,法律の重要ないし基本的な事項に憲法上重大な問題をもち,かつ立法事実も存在しないため,部分的な修正では対処できないものであり,廃止しかない。よって,当会は,本法律の廃止を求める。以 上

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余命三年時事日記 2251 ら特集10仙台弁護士会⑤2 [余命三年]

余命三年時事日記 2251 ら特集10仙台弁護士会⑤2
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/ より

仙台弁護士会
ttp://senben.org/archives/category/statement2015
平成26年08月19日 「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見書
ttp://senben.org/archives/5493
「特定秘密の保護に関する法律施行令(案)」に対する意見書
2014年(平成26年)8月19日
内閣官房特定秘密保護法施行準備室「意見募集」係 御中
仙 台 弁 護 士 会
会長 齋 藤 拓 生
仙台市青葉区一番町2丁目9番18号
電話 022-223-1001

第1 はじめに
特定秘密保護法は,国民の知る権利やプライバシー権等の人権を侵害し,国民主権にも抵触する重大な問題をはらんでいる。したがって,同法は廃止されるべきであり,少なくとも抜本的な見直しがないままの施行は許されない。そして,法律自体に憲法上の問題がある以上,それに基づく施行令も制定されるべきではない。また,この点を置くとしても,2014年7月24日付けで,内閣官房特定秘密保護法施行準備室において公表され,意見募集がなされている「特定秘密保護法に関する法律施行令(案)」(以下「施行令案」という。)にも看過し難い問題があるため,以下のとおり意見を述べる。
第2 意見
1 総論
そもそも法律で定めるべき重要事項を政令及び運用基準において定めているという法形式自体に問題がある。政令及び運用基準は,法律の委任を受けて政府が定めるとされているが,白紙委任に等しい項目もあり,国民の権利義務に直結する重要事項は法律で定めるべきとの原則に照らしても問題がある。また,政令や運用基準が,法律と異なり,国会の議論を経ることなく改廃できる点においても大きな不安が残る。
2 施行令案第3条第1号(法第3条第1項ただし書の政令で定める行政機関の長)について
(1)意見
法務省及び金融庁を施行令案第3条第1号に加えるべきである。
(2)理由
2012年12月31日時点で法務省が保有していた特別管理秘密文書等の件数は,0件であった(平成25年3月12日衆議院議員赤嶺政賢君提出 特別管理秘密及び秘密取扱者適格性確認制度に関する質問に対する答弁書)。したがって,法務省については特定秘密の指定機関に加える必要性がない。同様に,
2012年12月31日時点で金融庁が保有していた特別管理秘密文書等の件数は,49件に過ぎず(同上),特定秘密の指定機関に加える必要性は乏しい。また,同庁が国家の安全保障に関する情報を取り扱っているとも考えがたい。
3 施行令案第3条第2号(法第3条第1項ただし書の政令で定める行政機関の長)について
(1)意見
原子力規制委員会を施行令案第3条第2号に加えるべきである。
(2)理由
原子力規制委員会は,国民の生命・健康の安全に重大な影響を及ぼす原子力発電に関する情報を扱っている。同委員会が特定秘密の指定機関となり,これらの情報を特定秘密に指定できるようになると,これらの情報にアクセスしようとする取材活動までもが刑事罰の対象になりかねず,国民が知るべき情報を入手できなくなってしまうおそれがある。公開するのが好ましくない情報については情報公開法の不開示情報該当性の問題として扱うことで十分であり,情報漏えい策としては公文書管理システムの適正化を徹底することで対応できる(日弁連2013年10月23日付け「秘密保護法制定に反対し,情報管理システムの適正化及び更なる情報公開に向けた法改正を求める意見書」参照)。
4 特定秘密保護法第4条第4項第7号について
(1)意見
施行令案には,特定秘密保護法第4条第4項第7号の政令で定める情報が規定されていないが,今後も規定すべきではない。また,法第4条第4項第7号は削除すべきである。
(2)理由
特定秘密保護法第4条第4項第7号は,同項第1号ないし第6号以外の情報でも政令で定めることができるとしている。しかし,これでは60年を超えて秘密指定できる情報の範囲が無限定に広がりかねない。したがって,今後も同号に基づき政令で定める情報を規定すべきではない。
また,そもそも同号のように政令に白紙委任するような規定は国会によるチェックを無にしてしまうものであって適切ではないから,このような規定は削除すべきである。
5 施行令案第12条(行政機関の長による特定秘密の保護措置)について
(1)意見
特定秘密の保護措置は,政令や運用基準に委ねるのではなく特定秘密保護法で明記すべきである。
また,施行令案第12条第1項第10号は特定秘密の漏えいのおそれがある緊急事態に際して特定秘密文書等の廃棄を定めているが,これは法律の委任の範囲を逸脱するものであるから削除すべきである。
(2)理由
特定秘密の保護措置は,特定秘密の保護を目的とする法律の中心的な事項であるから,本来法律で明記すべき事項である。にもかかわらず,政令や運用基準に委ねることは,国会によるチェックを無にしてしまうものであって適切ではない。また,施行令案第12条は特定秘密保護法第5条第1項に基づくものであるところ,同項では政令への委任の範囲として特定秘密文書等の廃棄にまでは言及していない。にもかかわらず,政令で廃棄を規定することは法律による委任の範囲を逸脱するものである。
6 施行令案第21条(評価対象者に対する告知等)について
(1)意見
書面による告知及び同意は,包括的なものになるおそれがあり適切ではない。
(2)理由
施行令案第21条は,評価対象者に対する告知及び同意は「書面により行う」としている。しかし,同意書は適性評価の調査実施前に取り付けることとされているところ,運用基準案で示されている同意書の内容は包括的なものであり,具体性に欠ける。これではどのような事項について,どのような調査(調査のためにどこに照会するのか,どのような内容の調査をするのか等)が具体的に分からないまま同意書提出を余儀なくされてしまいかねず,プライバシー保護としては不適切である。以 上

平成26年07月11日 死刑執行に断固抗議し,死刑執行を停止するとともに,死刑に関する情報を広く公開し,死刑制度の存廃に関する国民的議論を求める会長声明
2014年(平成26年)7月10日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生
ttp://senben.org/archives/5270

平成26年07月01日 集団的自衛権の行使を容認する閣議決定に強く抗議しその即時撤回を求める会長声明
ttp://senben.org/archives/5254

本日,安倍晋三内閣は,従来「自衛権発動の三要件」の第1要件とされていた「我が国に対する武力攻撃が発生した場合」に加え,「又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し,これにより我が国の存立が脅かされ,国民の生命,自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」にも自衛権を行使できるとする閣議決定を行った。これは,集団的自衛権の行使を容認するものであり,従来の政府の憲法解釈の変更である。自国が攻撃されていないにもかかわらず,他国間の戦争に軍事的に関与することを可能にする集団的自衛権の行使は,前文で平和的生存権を確認し,第9条で戦争放棄,戦力不保持及び交戦権否認を定めた恒久平和主義をとる日本国憲法の下では許されない。それ故,日本政府も過去数十年にわたり,集団的自衛権については憲法の中に我が国として実力を行使することが許されるとする根拠を見いだし難いとして,その行使は憲法上許されないとの見解を示してきた。従来の政府解釈を変更し,集団的自衛権の行使を容認する本日の閣議決定は,日本国憲法の基本原理である恒久平和主義に反する。同時に,閣議決定により憲法による歯止めを緩和させる解釈変更は,憲法によって国家権力を制約するという立憲主義に反するとともに,厳格な憲法改正手続を定めた第96条を潜脱して実質的に憲法改正を行おうとするものである。当会は,このような憲法に違反する閣議決定に強く抗議するとともに,その即時撤回を求める。
2014年(平成26年)7月1日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生


平成26年06月12日 行政書士法改正に反対する会長声明
2014(平成26)年6月12日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生
ttp://senben.org/archives/5221
平成26年06月12日 地方教育行政法改正案に反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/5225

2014年(平成26年)5月20日,教育委員会制度を見直すことを主たる内容とする地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正案(以下,「本改正法案」という)が衆議院本会議で可決され,現在参議院で審議されている。本改正法案は,現行教育委員会制度を根本的に変更し,①現行の教育委員長と教育長を一本化した新「教育長」をおき,②首長にその任免権を与える(新「教育長」の任期は3年に短縮),そして,③首長が主宰する常設機関として「総合教育会議」を設置し,同会議において,政府の教育基本振興計画を参酌して教育行政の大綱的方針を決定することなどを内容としている。これは,自治体の首長が教育行政の中身に直接関与できるようにするものであり,更には,地方教育行政についての国(文部科学大臣)の関与権が強化されているものである。しかし,こうした教育委員会制度の根本的変更の必要性については,十分に検証されているとは言いがたい。現行の教育委員会について,何らかの改善が必要とされる点があるとしても,現行教育委員会制度を本改正法案のような内容に変更しなければならない必要性については疑問がある。まして,首長が教育行政の中身に直接関わり,国の関与権が強化される制度に改正する必要性は見いだせない。また,そもそも現行の教育委員会制度が採用された際の基本理念は,①地方教育行政の政治的中立性の確保の要請,②教育行政の継続性・安定性の確保の要請,③地方教育行政への住民意思の反映の要請という点にあり,これらの要請は,教育への不当な支配・介入を禁止し,自主性・自律性という教育の本質的要請に応え,ひいては子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等の基本的人権の十分な保障を確保しようとするものであった。本改正法案のように,教育委員会制度が根本的に変更され,自治体の首長が教育行政の中身に直接関わるようになれば,教育は,国家から管理統制されたり,政治の介入により偏向することになりかねない。そうなれば,子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等が侵害されるおそれがあり,日本の教育の将来に大きな禍根を残すことが強く懸念される。当会は,これまで,教育基本法の改正の際にも,一貫して,教育に対する国家の管理統制と政治の介入に反対してきたところである。今また,当会は,子どもの教育を受ける権利・学習権・成長発達権等が侵害される危険性をはらむ,政治による教育への不当な支配・介入が行われるおそれの大きい本改正法案に強く反対する。
2014年(平成26年)6月12日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生

平成26年05月23日 「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法」)に反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/5153

1 2013年(平成25年)12月、国際観光産業振興議員連盟(通称「IR議連」)に所属する有志の議員によって、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」案(以下「カジノ解禁推進法案」という。)が国会に提出され、今国会において審議されると報道されている。
2 IR議連は、観光振興、地域振興に資する成長戦略の一つとしてカジノ解禁推進法案を位置づけており、いわゆる「IR方式」(統合型リゾート方式。ここでは、カジノ施設、会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設を一体として設置する手法をいう。)を用い、複合施設を作ることで、観光振興と国・地方の経済の活性化、財政への寄与が期待されるとしている。一方、暴力団の介入や犯罪の温床になることへの懸念、マネーロンダリングへの懸念、地域風俗環境の悪化、公序良俗の乱れへの懸念、青少年に対する悪影響への懸念、ギャンブル依存症患者の増大等の社会的な懸念要因については、カジノを設置運営する民間事業者を適切に管理すること等により払拭できるとする。
3 しかし、カジノ先進国であるアメリカ議会上院の調査報告(米国ギャンブル影響調査委員会報告書:National Gambling Impact Study Commission Report 1999)によれば、カジノ建設によって税収と雇用の増加は認められるものの、他方で多くのギャンブル依存症(病的賭博)患者が生み出されるほか、犯罪、破産、自殺、抑鬱症などの病気が増加し、社会的サービス費用(失業保険や精神治療にかかる費用)、政府の規制費用等の社会的コストが増大することが指摘されている。特にギャンブル依存症については、その治療困難性がつとに指摘されており、カジノ解禁により確実に生じるであろうギャンブル依存症患者にかかる社会的コストは軽視できない。カジノ解禁は、一面では経済振興をもたらすとしても、社会的コストの増加も回避できず、有効な経済成長戦略といえるか、疑問を禁じ得ない。また、カジノへの暴力団や反社会的集団による介入を完全に排除することは困難であり、したがって、カジノ施設及びその周辺において、犯罪の温床となる、地域風俗環境が悪化する、公序良俗が乱れる、青少年健全育成が阻害される等の悪影響等を引き起こす懸念は大きい。そもそもカジノは賭博場そのものである。我が国においては、賭博行為は、国民に怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、勤労の美風を害するばかりでなく、犯罪を誘発し、国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれがあるとして禁止されている(刑法第185条及び刑法第186条)。カジノ解禁によってもたらされる悪影響については、この賭博罪の立法趣旨も踏まえ十分かつ慎重な検討がなされるべきであって、経済振興のみをもって推進することは国の政策として失当であると言わざるを得ない。
4 また、被災地においては、住居や職を失った喪失感などから、被災者がギャンブル依存に陥る例が少なくないとされる。ギャンブル依存症が、被災者個人の生活の再建を遅らせかねない。
5 以上のとおり、カジノが解禁されれば、刑事罰をもって賭博を禁止してきた立法趣旨が損なわれ、上記のようにギャンブル依存症患者や、犯罪、破産、自殺等の増加等さまざまな弊害や悪影響が現実化するおそれがある。また、カジノ解禁の唯一の根拠である経済振興自体、同時に生み出される社会的コストを考慮すれば、法案を成立させる根拠となりえない。よって、当会はカジノ解禁推進法案に断固反対する。

2014年(平成26年)5月23日仙台弁護士会会長  齋 藤 拓 生


平成26年05月16日 法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会「事務当局試案」に関する会長声明
ttp://senben.org/archives/5148

2014年(平成26年)4月30日に開催された,法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会(以下「特別部会」という)の第26回会議において,事務当局試案(以下「本試案」という)が公表された。しかし,本試案には以下のとおりの問題がある。
1 取調べの可視化が不十分である
本試案には,取調べの可視化の対象について,裁判員制度対象事件の取調べに限定するA案と,裁判員制度対象事件に加えて全身柄拘束事件における検察官取調べとするB案が併記されている。A案では,特別部会設置の契機とされた郵政不正事件のほか,志布志事件,パソコン遠隔操作事件,痴漢えん罪事件など多くの事件が可視化の対象とならない上,裁判員制度対象事件は全公判事件の2パーセント未満に過ぎないことから,可視化は原則ではなく,例外的に行われるものとなってしまう。B案でも,司法警察職員の取調べや身柄拘束のない事件における検察官取調べを対象としておらず,えん罪の原因となってきた密室における取調べが残存することとなり,取調べの適正化を図り,被疑者の黙秘権を保障しようとする可視化制度の目的を達成することは不可能である。また,本試案は「記録をすることが困難であると認めるとき」「記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき」等を可視化の例外事由としており,取調官の判断により可視化されない場合を広く認める余地を残している。本試案が示す取調べの可視化制度は,これまで当会が求めてきた,取調べの全事件全過程の例外なき可視化とはほど遠いものであって,容認できない。
2 通信傍受の対象拡大・手続簡略化には反対する
本試案には,「通信傍受の合理化・効率化」として,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(以下「通信傍受法」という)の適用対象となる犯罪を,一定の要件のもとで現住建造物放火,殺人,傷害,逮捕・監禁,略取・誘拐,窃盗,強盗,詐欺,恐喝にまで拡大し,さらに,現行の通信傍受法が通信傍受時における通信事業者の立会を要件として規定している点を変更して,捜査機関が通信事業者の立会なくして通信を傍受できる制度が示されている。しかし,現行の通信傍受法が定める通信傍受それ自体が,憲法が国民に保障する通信の自由をはじめとして,思想の自由,言論の自由,結社の自由,プライバシー権等の基本的人権を侵害する「盗聴」であり,また,通常の捜査とは異なり,捜査の対象となる通信が特定されず,かつ,事前に捜査の対象者に令状が提示されない点で憲法35条が定める令状主義に違反している疑いが強いものである。通信傍受法制定時にも同様の議論があり,その結果として通信傍受の対象は組織的銃器犯罪や組織的薬物犯罪などごく一部の犯罪に絞られているのである。そのような通信傍受について,対象犯罪を現行法よりも大きく拡大し,さらに通信事業者の立会を不要とする内容に改正することは憲法違反となる可能性が非常に高いのであり,許されるものではない。本試案が法案要綱案としてこのまま取りまとめられたとすれば,国民の通信の秘密の保障やプライバシー権が侵害される事態が生ずる懸念がきわめて強い。当会は,通信傍受の対象拡大・手続の簡略化については断固反対するものである。
3 証拠開示制度が不十分である
本試案には,証拠の一覧表の交付制度が示されているが,この一覧表には文書の要旨(内容を識別できる程度の事項)の記載が求められていないから,その内容が不明である。また,同制度は公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件のみに適用されるものであるから,被疑者・被告人の権利保障の観点からは不十分と言わざるを得ない。当会が従前求めてきた全面的証拠開示制度の創設が検討されるべきである。
4 被告人の虚偽供述禁止規定は被告人の黙秘権・防御権を侵害する
本試案には,被告人の虚偽供述禁止の規定が示されているが,この規定があることによって,起訴事実を否認する被告人が黙秘をした場合には,裁判官・裁判員に,「黙秘するのは,犯行を否認する供述をすると虚偽供述禁止規定に違反するからだ。犯行否認が虚偽だから黙秘している。」との心証を抱かせるおそれが高まり,そのため被告人は,実際上,黙秘権を放棄して被告人質問に応じざるを得なくなることから,被告人の黙秘権,防御権を侵害する危険性が高い。
以上のとおり,本試案には,捜査の適正化という特別部会の設置趣旨を踏み外し,取調べの可視化や証拠開示は不十分なものにとどまり,さらに通信傍受という憲法違反の疑いのある捜査手法を拡充する等という,重大な問題がある。当会は,特別部会に対し,被疑者・被告人の権利保障を実質化する法制度を確立するという出発点に立ち戻っての議論を行うことを強く求めるものである。
2014年(平成26年)5月16日仙台弁護士会会長 齋 藤 拓 生


平成26年05月03日 憲法記念日に当たって集団的自衛権の行使容認に改めて反対する会長声明
ttp://senben.org/archives/5138

本日,日本国憲法が施行されてから67年目の憲法記念日を迎えた。日本国憲法は,近代立憲主義に基づき,国民主権及び基本的人権の尊重を基本原理とするとともに,第二次世界大戦の痛切な反省を踏まえ,前文で平和的生存権を確認し,第9条で戦争放棄,戦力不保持及び交戦権否認を定めるなど徹底した恒久平和主義を基本原理として採用し,戦後日本の平和国家としての発展を支えてきた。ところが,昨年来,政府は,憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する動きを急速に進めている。いわゆる安保法制懇は本年5月中旬にもこれを容認すべきとする報告書をまとめ,政府もこれを容認する閣議決定をする予定であると報道されている。自国が攻撃されていないにもかかわらず実力を行使することを正当化する集団的自衛権は,その本質は他国防衛にほかならず自衛権とは全く別物であって,これを認めることは,他国間の戦争に日本が軍事的に関与する可能性を著しく増大させ,平和国家としての国のあり方を根本から変えることになる。政府は,過去数十年にわたって,日本国民の平和的生存権や,憲法第13条が生命等に対する国民の権利を国政上尊重すべきとしている趣旨を根拠に,外部からの武力攻撃によって国民の生命等が危険にさらされるような場合,すなわち我が国に対して武力攻撃が加えられた場合には,これを排除するために必要最小限度の範囲で実力を行使すること(個別的自衛権の行使)は憲法に違反しないと説明する一方,集団的自衛権については,国民の生命等が危険に直面している状況下で実力を行使する場合とは異なり,憲法の中に我が国として実力を行使することが許されるとする根拠を見いだし難いとして,その行使は憲法上許されないとの立場を堅持してきた。集団的自衛権の行使を容認しようとする今般の政府の動きは,恒久平和主義に反するとともに,憲法の基本原理に関わる解釈の重大な変更を一内閣の判断で行おうとする点で,憲法により国家権力を制約するという立憲主義に反する。また,閣議決定により実質的に憲法改正を行うものとして,厳格な憲法改正手続を定めた憲法第96条を潜脱するものである。当会は,2013年(平成25年)10月18日付け会長声明において,憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に強く反対する旨表明したが,施行から67年目の憲法記念日を迎えるに当たり,日本国憲法の立憲主義の意義を再確認するとともに,恒久平和主義という基本原理を解釈変更によって実質的に改変し,集団的自衛権の行使を容認しようとする動きに対し,改めて強く反対する。

2014年(平成26年)5月3日仙台弁護士会 会長齋藤拓生

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渡邉哲也 おいおい、またかよ。決まっていないことを大臣が話すとは。。。■仮想通貨の取引所取引禁止、最終決定ではない=韓国大統領府 [政治]

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渡邉哲也 リーマンショックも、韓国が関係しているのですね。リーマン救済で最後に手を挙げたのが韓国の国策銀行である産業銀行、連日、救済する、しないという正反対のリークがあり、株価は乱高下、リーマンの体力と時間を奪っていったのですね。そして、最後は辞めたと匙を投げた。で、時間切れでドボン [政治]

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小坪慎也 韓国滅亡後の、日本の有事想定【腹を括った方はシェア】 [政治]

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高橋洋一 科学・技術の話。他ではないニュース解説として科学・技術の話を入れるようにラジオ局にお願いしたところ、年明けから話題になっているcpu脆弱性を取り上げてもらった。 [政治]

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高橋洋一 謝るどころか、今でも懲りないメディアもある↓→アベノミクス続けば5年以内に財政破綻 経済学の巨匠・伊東光晴が本気の直言! [政治]

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高橋洋一 官民イコールフッティング。今の人勧ではトップ1%の民間企業を調べて、そこと同じだから官民格差なしというのはおかしい。全企業を調べれば2割程度低くなるということは今では2割程度高いとも言える。これは公務員叩きではなく、ちゃんと民間の平均を調べろという基本的なこと [政治]

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高橋洋一 凄い計算。人事院勧告の計算を見直して公務員給与をカットすれば、その分他の財政出動になって、民間給与増。マクロ経済的にみれば、まあたいした影響ではないわな。こんな公務員自己中心の世界でみているから、官民イコールフッティングの議論が国民に好かれるんだな [政治]

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高橋洋一 高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ 立憲民主「公務員人件費カット」の正体 労組へ見せる「いい顔」との矛盾 [政治]

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【台湾CH Vol.215】海峡支配を狙う中国航空路 / 新春に日台で台湾正名運動 / 台南で保存される日本製SL / 台北101元旦花火[桜H30/1/12] [政治]

【台湾CH Vol.215】海峡支配を狙う中国航空路 / 新春に日台で台湾正名運動 / 台南で保存される日本製SL / 台北101元旦花火[桜H30/1/12]

【日台交流頻道】第215集, / /第215集,中國使用台海航線的目的 / 日台新年進行正名活動/ 在南市保存的日本製SL / 台北101的元旦煙火秀
本節目使用日台的語言。本集報導:①台日先後舉行新年的第一場正名連署活動,廣受民眾支持。②新年象徵-台北101煙火。③自日治時代活躍於台灣的火車頭將以文化財的面貌重現風華。④中國在台灣海峽全面啓用之M503的企圖的目的甚麼?
主播:永山英樹・謝惠芝
台湾チャンネル第215 回は、①新年を迎え、台湾と日本の街頭では早速2020台湾正名の請願署名活動が。②今や元日の風物詩となった台北101のカウントダウン花火の模様を。③日本時代から戦後にかけて活躍したSLが間もなく文化財として公開へ。④中国が台湾海峡で一方的に設定した航空路線の全面使用を開始。その恐るべき狙いとは。
キャスター:永山英樹・謝恵芝
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2018年1月12日 マット安川のずばり勝負 山下たかし [政治]

2018年1月12日 マット安川のずばり勝負 山下たかし

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【DHC】1/12(金) 武田邦彦×須田慎一郎×居島一平【虎ノ門ニュース】 [政治]

【DHC】1/12(金) 武田邦彦×須田慎一郎×居島一平【虎ノ門ニュース】

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おはよう寺ちゃん活動中 [政治]

おはよう寺ちゃん活動中

9:10 尖閣諸島に中国の潜水艦ほ?
https://youtu.be/mBNZ14_lkC4?t=9m10s
12:59 景気一致指数 10年振りの高水準しゅ
https://youtu.be/mBNZ14_lkC4?t=12m59s
15:53 NAFTA 存続の危機ら!
https://youtu.be/mBNZ14_lkC4?t=15m53s
19:32 トランプノミクスの評価 今年の米経済はどうなるじ?
https://youtu.be/mBNZ14_lkC4?t=19m32s
28:52 今年の日本経済はどうなるお?
https://youtu.be/mBNZ14_lkC4?t=28m52s
38:06 エンディング
https://youtu.be/mBNZ14_lkC4?t=38m6s
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余命三年時事日記 2250 けいちん熊本弁護士会③ [余命三年]

余命三年時事日記 2250 けいちん熊本弁護士会③
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/12/2250-%e3%81%91%e3%81%84%e3%81%a1%e3%82%93%e7%86%8a%e6%9c%ac%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e2%91%a2/ より

弁護士は特別なんだと言いたいようです。
秋田弁護士会所属弁護士の刺殺事件に関する会長声明
11月4日午前4時5分頃、秋田弁護士会所属の津谷裕貴弁護士が自宅に浸入した男性に襲撃され刺殺されるという痛ましい事件が発生した。
 報道によると、現場で逮捕された被疑者は、同弁護士が妻側の代理人を務めた離婚調停事件の相手方であって、同弁護士を恨んでいたということである。これは、弁護士の正当な業務遂行に対する逆恨みによる蛮行であり、法治国家においては決して許されないものである。
 本年6月2日、横浜弁護士会所属の前野義広弁護士がその業務に関連して殺害された事件の記憶も薄れないこの時期に、こういった事件が繰り返されることについて、当会は激しい憤りを覚えるものである。
 基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とし、市民の権利と自由の実現のために日々奮闘する弁護士に対する業務妨害・犯罪行為は、決して許されない。
 当会は、津谷裕貴弁護士のご冥福を祈り、ご遺族に対して心からの哀悼の意を表するとともに、日本弁護士連合会及び全国の弁護士会連合会・弁護士会と連携して、弁護士に対するいかなる暴力行為に対してもひるむことなく毅然として対応していくことを誓うものである。以上
熊本県弁護士会 熊本県弁護士会会長 高木絹子

言うことが日本人の感覚ではないです。
民法(家族法)の差別的規定等の早期改正を求める会長声明
選択的夫婦別姓や非嫡出子の相続分差別撤廃等に関する民法改正案は,1996年に法制審議会の答申が出されているにもかかわらず,14年が経過した現在に至っても,未だ法改正は実現していない。しかし,家族法部分に関する民法改正は,いまや喫緊の課題である。
 現行の夫婦同姓制度のもと,婚姻に際し96%もの夫婦が夫の氏を選択しているという現状において,多くの女性が改姓を事実上強制され,社会生活上,職業上の不利益を被るだけでなく,精神的苦痛をも負わされている。女性の社会進出が進む中,自己のアイデンティティとしての氏を婚姻後も継続して使用したいという女性たちの希望は,氏名が人格権の一内容を構成すること(最高裁第二小法廷昭和63年2月16日判決)に鑑み,また憲法13条,24条等の趣旨からも,法制度上十分に尊重されなければならない。また,①夫婦の同姓を強制する国は,先進国においてはすでに日本のみとなっていること,②2006年の内閣府調査では,60歳未満の年齢層では男女とも選択的夫婦別姓制の導入に賛成する者が反対する者を上回ったこと,③2009年9月以後に複数の新聞社により実施された調査では,いずれも選択的夫婦別姓制の導入に賛成する者の数が反対する者の数を上回ったことなどから,すでに選択的夫婦別姓制の導入についての社会的な合意も形成されている。もはや,選択的夫婦別姓制の導入を躊躇う理由はどこにもない。
 また,非嫡出子の相続分差別は,出生時に父母が婚姻しているか否かという子自身には変更不可能な事実をもって行われる差別であり,最高裁判所においても,憲法14条,24条2項との関係で非嫡出子の相続分差別撤廃を求める意見が繰り返し述べられている。また,このような差別をしないことが国際的にも趨勢になっており,早急に改正すべきである。
 さらに,女性にのみ再婚禁止期間を課している規定についても,今日の科学技術の発達によって父性推定の衝突回避という立法事実はすでに失われており,早期に撤廃すべきである。婚姻年齢の統一についても,憲法14条及び24条2項から当然に要請されるところであり,早期に改正すべきである。
 日本における民法(家族法)改正の遅れは,度々国連においても問題視され,1993年以来,日本政府は国連の各委員会から家族法の早期改正を行うよう繰り返し勧告を受けている。とりわけ2009年の女子差別撤廃委員会は,家族法改正を最優先課題と指摘し,2年以内の書面による詳細な報告を求め,再度早期改正を行うよう厳しく勧告している。
 政権交代後の政府においても,千葉景子法務大臣は,選択的夫婦別姓制等を導入する民法改正案を2010年の通常国会に提出することを目指すと明言しており,法改正を待ち望んだ国民の期待はいっそう大きくなっている。
 当会は,選択的夫婦別姓制の導入や非嫡出子の相続分差別撤廃等をはじめとする民法(家族法)の差別的規定等の改正が早期に今国会に提出され,速やかに審議成立することを強く求めるものである。
2010年5月13日
熊本県弁護士会  会長 高木絹子



このころから外患罪を意識していたのでしょうか?
死刑執行に関する会長声明 熊本県弁護士会 会長  三藤省三
1 本年2月1日、福岡拘置所、大阪拘置所及び東京拘置所において各1名、合計3名の死刑確定者に対して死刑が執行された。今回の執行は、昨年12月の死刑執行から僅か2か月足らずの間に更なる執行がなされたものである。このような相次ぐ死刑の執行は、積極的に死刑を執行していこうという政府の姿勢を示したものというべきであり、誠に遺憾である。
2 私たちの社会は、免田・財田川・松山・島田各事件という4つの死刑確定事件について再審無罪判決が確定し、死刑判決においても誤判を犯してしまったという経験を持っている。そうであるにもかかわらず、このような誤判を生じるに至った制度上・運用上の問題点については、未だ抜本的な改善が図られていない。死刑事件についての誤判の危険性は、今もなお存在するのである。
また、死刑と無期刑の量刑につき、裁判所によって判断の分かれる事例が相次いで生じている。このような判断のぶれは、死刑についての確固とした明確な基準が存在しないことを明らかにしているのである。
 さらに、我が国の死刑確定者は、国際人権(自由権)規約、国連決議に違反した状態におかれている。特に面会・通信の過剰な制限は、死刑確定者の再審請求、恩赦出願などの権利行使の大きな妨げとなっており、看過できない。今般、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の施行により、実務の改善が期待されているものの、いまだに死刑確定者と再審弁護人との接見に立会いが付されるなど、死刑確定者の権利行使が十全に保障されているとは言いがたい状況である。
以上のような状況下において、直ちに死刑を執行してしまうことには重大な問題がある。
3 国際的にも、死刑廃止条約が1989年12月15日の国連総会で採択され(1991年発効)、1997年4月以降毎年、国連人権委員会(2006年国連人権理事会に改組)が「死刑廃止に関する決議」を行うなど、死刑に対する慎重な姿勢は国際的な潮流となっている。
 また、昨年5月18日に示された国連の拷問禁止委員会による日本政府報告書に対する最終見解・勧告においては、我が国の死刑制度がはらんでいる多くの問題が端的に指摘された上で、死刑の執行を速やかに停止するべきことなどが勧告された。
さらに、昨年12月18日には、国連総会本会議において、すべての死刑存置国に対して死刑執行の停止を求める決議が採択されたところである。
4 我が国においては、現在、死刑制度に対する国民的議論が十分に尽くされたとはいいがたい状態にある。今後、とりわけ2009年から開始される裁判員制度においては、裁判員も死刑を含む量刑判断に関与することになっている。死刑制度及びその運用について国民的な議論が必要とされるところである。
 このような議論が必要とされている最中に、あたかもベルトコンベアに載せるが如くに次々と死刑執行を行うことは、余りに拙速にすぎると言わざるをえない。
5 当会は、今回の死刑執行に遺憾の意を表明するとともに、政府に対し、死刑制度の存廃、運用について国民的議論が尽くされるまでの一定期間、死刑の執行を停止することを強く求めるものである。

韓国朝鮮籍の犯罪者が多いこの日本で一体、何を考えているのでしょうか?
犯罪被害者等が刑事裁判に直接関与することのできる 被害者参加制度に反対する会長声明
熊本県弁護士会 会長  三藤省三

平成19年3月13日、被害者参加制度の新設を含む「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、本国会に上程されている。
 被害者参加制度は、裁判員裁判対象事件や業務上過失致死傷等の事件について、裁判所に参加を申し出た被害者やその遺族(以下「犯罪被害者等」という。)に対し、公判への出席、情状に関する事項についての証人に対する尋問、自ら被告人に対して行う質問、証拠調べ終了後の弁論としての意見陳述(求刑を含む)を認める制度である。
 犯罪被害者支援に関しては、これまで、犯罪被害者等は「事件の当事者」でありながら、刑事手続の蚊帳の外に置かれて情報から遮断され、精神的ケアの面でも経済的補償の面でも十分な支援を受けられずにきている。近時関係各位の尽力によって犯罪被害者基本法の制定をはじめ、各種支援策が講じられるようになってきたものの、現行の刑事司法制度が、犯罪被害者が抱いている不満に十分に答えているとはいえず、さらなる犯罪被害者支援策が求められる。
 しかしながら、今般の改正法で導入が予定されている犯罪被害者の刑事手続参加制度は、以下のとおり、刑事裁判の構造を根底から変容させ、被告人の防御権を危うくさせるばかりか、来る裁判員制度の実施にも深刻な悪影響を与える虞があることから、当会としては、かかる制度の導入には、反対せざるを得ない。
1 犯罪性の有無や犯人と被告人との同一性が争われている否認事件において、応報感情に駆られた犯罪被害者等ないしその代理人による、被告人の犯人性を前提とした証人尋問・被告人質問や意見陳述は、被告人に不必要且つ多大な負担を強いることになるばかりか、犯罪被害者等の意見が過度に重視され、証拠に基づく冷静な事実認定や公平な量刑に強い影響を与えることが憂慮される。
 犯罪被害者等の刑事手続への参加は、被告人の無罪推定の原則にも抵触し、被告人の防御権を侵害する懸念を払拭できない。
2 犯罪被害者等による被告人質問権・意見陳述権(求刑を含む)等の目的とするところは、畢竟、被告人に対する糾弾に収斂せざるを得ない。しかも、平成21年から施行される裁判員制度下で、法律の専門家でもなくしかも事件毎に関与する裁判員において、量刑の社会復帰理念等が十分に理解されないまま、被告人質問や意見陳述等を通じた犯罪被害者らの被害感情が過大評価されることになれば、徒に過度の重罰化を招き、行刑の理念のみならず、刑事司法手続の適正すら変質せしめる危険がある。
 とりわけ裁判員制度の制度設計に際しては、被害者参加制度が考慮されていなかったことから、被害者参加制度が及ぼす影響も大きいものとなろう。
3 代用監獄の温存による自白強要の危険、伝聞法則の形骸化、接見交通権の侵害、人質司法、調書裁判等被疑者・被告人の人権が極めて脆弱な現状において、さらに被害者保護の名目の下に、被害者らからの私怨による責任追求まで許容されるならば、危殆に貧した被疑者・被告人の人権保障など風前の灯となる。  諸外国の犯罪被害者参加制度と雖も、被疑者・被告人の無罪推定の原則等を侵害しないよう各種の法的手当が講じられており、歴史的・制度的・社会的背景の相違を無視して、我が国でそのまま制度化するのは、妥当ではない。
4 一方、悲惨な状況におかれた犯罪被害者等の救済が緊急且つ重要な課題であり、経済的、社会的、医療的措置等を通じ、国家・社会の責任において、十分な手当てが講じられるべきこともまた論を俟たない※。  しかし,犯罪被害者等の刑事手続参加によって、刑事司法が被害者等の癒しの場になり、被害者等の立ち直りや回復に寄与することは実証性がなく、被告人の反駁等により、却って犯罪被害者等の精神的被害を増幅する危険すらある。
5 多くの犯罪被害者等が刑事裁判に対して抱いている不満は、捜査結果や事件内容、手続について十分な情報提供がなされていないため、なぜこうした事態に巻き込まれているのか「知りたい」という願いが充たされないことや、検察官の訴訟活動に自らの思いが十分に反映されないことなどに起因している。これらの犯罪被害者等の不満に対応するためには、刑事訴訟の諸原則との重大な矛盾を孕む被害者参加制度の方法によらなくとも、
【1】 被害者等の検察官に対する質問・意見表明制度の導入
【2】 犯罪被害者等に対する公費による弁護士支援制度の導入
によって、現行刑事訴訟の構造と矛盾を来すことなく犯罪被害者等の要望に応えることが可能である。
6 2007(平成19)年4月14日、「被害者と司法を考える会」は、今回の被害者参加制度の功罪を指摘し、全国の各弁護士会に対し、上記法案に反対の決議を求める要望書を提出しており、被害者参加制度が必ずしも犯罪被害者等の不満に応えるものでないことが明らかである。
 このように、被害者参加制度は、犯罪被害者等の支援にはつながらない上に、刑事裁判の構造を根底から変容させ、被告人の防御権を危うくさせるものであり、当会は、この法案について、深く憂慮し、強く反対の意見を表明するものである。


「ゲートキーパー」立法に反対する会長声明
熊本県弁護士会 会長 坂本邦彦

政府の国際組織犯罪等・国際テロ対策推進本部は、平成16年12月、「テロの未然防止に関する行動計画」を策定し、その中でFATF(OECD加盟国を中心とする政府機関である「金融活動作業部会」の略称)勧告の完全実施を決め、弁護士に対しても、依頼者の疑わしい取引に関する報告義務を課し、これを立法(ゲートキーパー立法)化する準備をしている。
 その一方で、政府は、平成17年11月17日、FATF勧告実施のための法律の整備の一環として、金融情報機関(通称FIU)を金融庁から警察庁に移管することを決定した。
 しかし、そもそも弁護士に依頼者の疑わしい取引に関する報告義務を立法により強制すること自体、弁護士の依頼者に対する守秘義務を侵すものであり、弁護士制度の根幹を覆すもので、到底認め難いことである上、この報告先を警察庁に移管することは、更に、これまでの弁護士自治自体を国が否定し、弁護士、弁護士会を国の監督下に置くことにつながるもので現在の弁護士法の否定であって絶対に容認できない。
 弁護士は、たとえ相手が国家権力であっても、その対抗の中で市民の人権を擁護することを職責としており、弁護士の秘密保持の原則は、このような国家とも対抗関係に立つことがある弁護士の職業の本質に根ざすものである。時の政府又は政治権力から独立していることが(弁護士自治)、人権の擁護と社会正義の実現の基盤である。そして、この基盤を支える義務として、守秘義務は国民の弁護士制度・司法制度への信頼の基礎ともなっている。政府が検討しているゲートキーパー立法は、この基盤を文字どおり根底から覆すものである。
 また、弁護士の報告義務制度が導入されれば、弁護士のこれまでのような依頼者との秘密保持義務は、国家との関係で解除されるとはいえ、弁護士は自らの依頼者のことを告げ口するような不本意な行動を強いられ、通報した事実を依頼者に開示することも禁止された状態で仕事を続けなければならない。そのため、依頼者は何を通報されるかわからないので真に重要なことは弁護士に話せなくなる。また、「疑わしい」というレベルで弁護士に通報義務を課せば、トラブルに巻き込まれたくないと思う弁護士による誤った通報が発生するおそれもあり、これによって自らの依頼者に経済的な破滅をもたらすおそれもあり、依頼者にも多大の損害を与える可能性が大きい。
 更に、この制度の導入によって依頼者が弁護士に真実を話さなくなれば、弁護士は依頼者が法律を遵守して行動するように適切な援助をすることもできなくなり、このことによって、逆に、依頼者による違法行為という結果を招くリスクも生まれる。
 要するに、依頼者の違法な行為を金融監督機関に通報することによる違法行為の予防、抑止の効果よりも、多くの依頼者が適切な法的アドバイスを受けられなくなるリスクの方が格段に大きいと言わざるを得ない。
 このように、弁護士に対するゲートキーパー立法を認めれば、弁護士は、正当な依頼者の利益を守ることができなくなり、依頼者も多大の損失を蒙るおそれがあるのである。
 もちろん、マネーロンダリング等の防止が重要であることはいうまでもないことであり、当会としてもこの防止のための対応、努力は常に続けていかなければならず、弁護士の職責上も国際組織犯罪、国際テロを防止する行動をとることが当然必要である。
しかし、現在、政府が法律の整備を検討している弁護士に通報義務を課す制度を立法化することは、これまでの永い歴史の中で構築された弁護士自治制度の根幹を崩壊させるもので、弁護士と依頼者との信頼関係を根底から脅かし、かつ、国民が国家からの監視を受けるという重大な人権侵害の結果を招くことにもなり、到底容認できない。
よって、当会は、ゲートキーパー立法に強く反対するものである。以上

もう「アウト」「アウト」「アウト」。これしか出てこない。
共謀罪の新設に反対する会長声明
「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」(以下,「本法案」といいます)は,先の衆議院解散に伴って廃案となりましたが,今国会において同様の内容で再上程されることが決定しました。
 本法案において新設される「共謀罪」は,長期4年以上の刑を定める罪に当たる行為について,団体の活動として,当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀した者を,前提犯罪の軽重にしたがって5年以下又は2年以下の懲役・禁錮に処するというものです。
 しかし,この「共謀罪」は,犯罪の実行に着手することはおろか,何らの予備行為をすることも必要なく,単に犯罪の共謀をするだけで処罰するものであって,近代刑法の大原則である罪刑法定主義に反するものです。しかも,対象となる罪は600以上と広範囲に及び,共謀という概念自体が曖昧であって,思想自体を処罰するおそれが強く,思想の自由や表現の自由などの憲法上の基本的人権に対する重大な脅威となることが危惧されます。そして,共謀の存在を立証するために,捜査における自白偏重を招く危険性が予想され,また,共謀の内容を構成する会話,電話,電子メールの傍受などの捜査手法が拡大することも十分懸念されます。
 また,この「共謀罪」は,「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約」の締結に伴う国内法整備として必要なものであると説明されていますが,同条約で規定されているいわゆる顕示行為(準備行為)を要件とすることもせず,それどころか,同条約が取締の対象として予定していた越境性(国際性)や組織的犯罪集団による行為も要件から欠落させています。その結果,「共謀罪」の対象範囲は同条約が要求する以上に拡大し,一般市民団体,企業,労働組合の活動にさえ及ぶことになると思われます。 
 このように,本法案に新設されている「共謀罪」は,国民の基本的人権を侵害し,市民生活にとって重大な脅威となるものであることから,当会は,その新設には強く反対するものです。
平成17年11月4日
熊本県弁護士会 会長  坂 本 邦 彦

個人情報保護法案に対する会長声明
平成15年(2003年)4月24日

政府は個人情報保護関連5法(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律案、個人情報の保護に関する法律案、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律案、情報公開・個人情報保護審査会設置法案、同法案要綱)を今国会に提出し、現在衆議院の「個人情報の保護に関する特別委員会」で審議されている。
 これらの法案は昨年12月に廃案になり、今回改めて提出されているが、個人情報保護法案についてはメディア規制にならないように文言上の配慮をし、行政機関個人情報保護法案については公務員に対する罰則規定を若干強めてはいるが、なお個人情報の保護について看過できない重大な問題のある法案といわざるを得ない。
1.個人情報保護法案について
法案は、「個人情報取扱事業者」にさまざまな義務を課し、主務大臣が、事業者の個人情報の取り扱いに問題があると認定したときには報告を徴収し、必要があれば助言し、勧告、命令し、緊急な場合には違反行為中止等の措置命令を課し、命令違反に対しては刑罰を課す構造となっている。
 そして、法案によると、ある者が「個人情報取扱業者」に該当するか否かは「取り扱う個人情報の量及び利用方法」により政令で定められることになっており、その定め方如何ではメディア、弁護士・弁護士会、NGOから団地自治会、同窓会、著述家の団体、労働組合、生活協同組合までもが、個人情報を悪用する名簿業者等と同列に扱われ、主務大臣が個人情報保護を口実に市民団体等の活動や弁護士・弁護士会の行動に干渉し、その情報収集、意見表明の妨げとなる危険性がある。
 そこで当面は、「個人情報取扱業者」に該当するか否かで一律に扱うのではなく、個人情報の侵害の危険性の高い金融、情報通信、医療などの分野についてだけ、その特性を考慮した上で、必要な限りで罰則を伴った分野別個別法の立法がなされるべきである。
2.行政機関個人情報保護法案について
 法案では、行政機関が必要に応じて広汎に国民の情報を収集・管理・統合・行政内部で流通させることに法的根拠を与える内容になっており、ほとんどの自治体の個人情報保護条例では規制されている思想、信条、病歴、犯罪 歴などの他人に知られたくないセンシティブ情報を規制しておらず、また、行政機関には「相当な理由」という曖昧なかつ緩やかな基準で、しかも第三者機関ではなく当該行政機関が自ら判断するという方法で目的外利用、他の行政機関による利用を認めているのであって、住民基本台帳ネットワークシステムの住民票コードで識別管理されることにより、国民が行政の前に透明化されてしまいかねない。
 そして、個人が、そもそも収集の許されない情報(思想・信条等)を収集されていないかをチェックしたり、誤った情報の訂正・削除を求めたりすることは個人の尊厳を保障するため当然必要不可欠であり、その為には、国の行政機関等が保有している個人情報についてはすべてファイル簿を作成し、公表することが求められるが、その様な規定は法案には設けられていない。
 また、行政機関が保有する個人情報の訂正請求などに関する所轄大臣の決定に不服があった場合の訴訟についても、権利の実効性という観点からすれば、原告の住所地を管轄する地方裁判所に提訴できるという規定が必要であるにもかかわらず、法案には管轄に関する規定が設けられておらず、東京地方裁判所でしか訴訟が提起できないという事態が起きかねない。
 そこで今般の法案について、当弁護士会としては、現在特別委員会による集中的な審議が進められているが、委員会において以上の点を十分審議検討されて政府案を修正されるよう強く期待する。
熊本県弁護士会 会長 塚本 侃

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余命三年時事日記 2249 けいちん熊本弁護士会② [余命三年]

余命三年時事日記 2249 けいちん熊本弁護士会②
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/12/2249-%e3%81%91%e3%81%84%e3%81%a1%e3%82%93%e7%86%8a%e6%9c%ac%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e2%91%a1/ より
青字はけいちんコメントである。
集団的自衛権の行使容認に反対する会長声明
1 安保法制懇の報告書から与党協議へ
安倍晋三首相が設置した私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」は,2014年5月15日,集団的自衛権の行使を認めるべきとする報告書を提出した。これを受けて安倍首相は,同日,集団的自衛権の行使容認に向け,与党協議を進めていく方針を発表した。
 集団的自衛権とは,自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を,自国が直接攻撃されてないにもかかわらず,実力をもって阻止する権利とされている。
2 日本国憲法と政府解釈
 日本国憲法は,「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないようにする」(前文)ため,平和的生存権を定め,9条で戦争放棄,戦力不保持と交戦権否認を定めるなど,非軍事の徹底した恒久平和主義を基本原理としている。これは,武力紛争の絶えない現代国際社会にあって,人類の進むべき未来を指し示す先駆的な意義を有する。
 この徹底した恒久平和主義のもと,政府は,「憲法9条の下において許容されている自衛権の行使は,我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており,集団的自衛権を行使することは,その範囲を超えるものであって,憲法上許されないと考えている。」(1981年5月29日答弁)との解釈を今日まで維持してきた。
 ところが,安倍首相は,これまで積み重ねられてきた憲法解釈を閣議決定ないし立法によって変更しようとしており,立憲主義の見地から到底容認できない。
3 日弁連と当会の立場
 日弁連は,2013年5月31日の定期総会において「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」を採択するなど,集団的自衛権の行使に反対しており,当会も,同様の立場から,同年11月12日,「集団的自衛権行使の容認と国家安全保障基本法案の国会提出に反対する会長声明」を発表するなどしてきた。
4 集団的自衛権の行使は限定できない
 安保法制懇の報告書は,集団的自衛権を行使するには「わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性がある」などの条件を付すことで,限定容認であると強調しようとしているが,裏を返せば,時の政府が日本の安全に重大な影響を及ぼすと判断すればいつでも行使できるということであり,全面容認にほかならない。
5 集団的自衛権の行使は許されない
 当会は,憲法解釈を変更し,憲法9条が禁ずる集団的自衛権の行使を容認することに断固反対する。
2014(平成26)年5月21日
熊本県弁護士会 会長 内田 光也

特定秘密の保護に関する法律の廃止を求める声明
政府は,多数の国民の反対や拙速な審議に対する批判があったにもかかわらず,平成25年12月6日,特定秘密の保護に関する法律(以下「特定秘密保護法」という。)を採決の強行により可決成立させ,同月13日に同法を公布し,1年以内に施行される見込みとなった。
 当弁護士会は,特定秘密保護法について,特定秘密として指定可能な対象分野が広範かつ不明確であり,国民の知る権利・言論の自由,プライバシー権等の基本的人権を侵害するおそれが極めて強く,罪刑法定主義にも反し,国民主権原理にももとるものであるとして,同法の成立に一貫して反対し,街頭宣伝などの取組を行ってきた。
 しかし,与野党の修正協議により法案の多少の修正はなされたものの,同法のもつ危険性は全く払拭されていない。
 そして,同法は,政府が唐突に法案を提出したことに始まり,わずか2週間の募集期間で締め切られたパブリックコメント,名ばかりの公聴会,臨時国会の限られた会期での曖昧な政府答弁など,およそ不十分な国会審議で,国民の理解を欠いたまま,衆参両議院での強行採決により成立した。
 国民の中に同法案への反対意見が大きく広がっていたにもかかわらず,衆参両議院で繰り返し強行採決されたことは,拙速な法案審議であったというべきであり,代表民主主義の観点からも非常に憂慮すべき事態といわなければならない。
 当弁護士会は,特定秘密保護法の危険性を指摘し続けるとともに,日本国憲法の諸原理を尊重する立場から,同法の廃止を強く求めるものである。
2014年(平成26年)2月24日
熊本県弁護士会
会 長  衛 藤 二 男 

特定秘密保護法案の衆議院における強行採決に抗議し、参議院における慎重審議を求める会長声明
去る11月26日、「特定秘密の保護に関する法律案」(以下、特定秘密保護法案という。)が衆議院本会議において与党及び一部野党の賛成多数で可決され、参議院に送付された。
 当弁護士会は、これまで、特定秘密保護法案が国民の知る権利・言論の自由、プライバシー権等の基本的人権を侵害する虞が極めて強く、国民主権原理にも悖るものであり、日本国憲法の諸原理を尊重する立場から、同法案の立法化には強く反対してきたところである。
 特定秘密保護法案は、その内容において、国民の基本的人権や民主主義の原理にとって極めて重要な問題点を含む法律案であるのみならず、手続面においても、法案の概要公表から3ヶ月足らずで衆議院で審議入りしており、国民の理解や議論が十分にされないまま、しかも、言論界・マスコミ等の各界・各層を含む多くの国民の反対の意思表明を無視して、極めて短期間の内に審議らしい審議すらされていないことも大きな問題である。
 本年6月に南アフリカ共和国の首都プレトリア近郊のツワネという所で国連関係者を含む70カ国以上の専門家500人以上が携わって2年以上をかけて作成された「国家安全保障と情報への権利に関する国際原則」(「ツワネ原則」)は、国家秘密の必要性を認めつつ、国が有する情報の公開原則とのバランスに配慮することを勧告している。また、政府に対して情報を秘密にする正当性の証明責任を課し、秘密を漏洩した公務員に対する刑事罰についても公開された情報が国の安全にとって「現実的で特定できる重大な損害」を引き起こす危険性が大きい場合に限るとしている。このたび衆議院で可決された特定秘密保護法案は、最新の国際的な議論の成果であるこの「ツワネ原則」を全く反映していない。
 このように、特定秘密保護法案は、日本国憲法の諸原理に反し、国民の基本的人権を侵害するのみならず、国際的な原則である「ツワネ原則」を一顧だにしないものであって、到底是認できるものではない。  
よって、当弁護士会は、衆議院においてこのような法案が採決のうえ可決されたことに強く抗議すると共に、「良識の府」である参議院が慎重な審議を尽くしてその機能を十全に果たすよう強く要請する。
2013年(平成25年)12月2日
熊本県弁護士会  会 長  衛 藤 二 男

集団的自衛権行使の容認と国家安全保障基本法案の国会提出に反対する声明
1 集団的自衛権を容認する最近の動き
 2012年12月の衆議院選挙で自由民主党が大勝し政権与党になって以来、集団的自衛権行使を容認する動きが急速に進んでいる。
 安倍首相は、2013年2月8日に、私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(以下「安保法制懇」という)を約5年ぶりに再開させた。安保法制懇は、2008年に「集団的自衛権行使を求める報告書」を提出し、政府の憲法解釈を変更し集団的自衛権の行使を認めるよう求めた。今回は前回の検討事項に加えて、国家安全保障基本法の制定など新たな課題についても検討するよう諮問した。
2 集団的自衛権に関する政府見解
 政府は、従来から、憲法9条下で許される自衛権の行使は、①我が国に対する急迫不正の侵害が存在すること、②この攻撃を排除するため、他に適当な手段がないこと、③自衛権行使の方法が必要最小限の実力行使にとどまること、の3要件に該当する場合に限定している。そして、これを前提として、政府は、「我が国が、国際法上、このような集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法9条の下において許容されている自衛権行使は、我が国を防衛するための必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」(1981年5月29日政府答弁)との見解を表明し、その後、今日まで、政府見解は維持されている。
3 日弁連の意見と当会の立場
 日弁連は、第48回及び第51回人権擁護大会で指摘したとおり、戦争は最大の人権侵害・環境破壊であり、平和的生存権及び憲法9条は極めて先駆け的な意義をもち、特に憲法9条は集団的自衛権を禁止している。また、日弁連は、2013年3月19日に「集団的自衛権行使の容認および国家安全保障基本法案の国会提出に反対する意見書」、同年5月31日の定期総会において「集団的自衛権の行使容認に反対する決議」を採択するなど、集団的自衛権の行使に反対しており、当会も同様の立場をとるものである。
4 国家安全保障法案の問題点
 国家安全保障法案は、「我が国の、あるいは我が国と密接な関係にある他国に対する、外部からの武力攻撃が発生した事態であること」(法案10条1項)を、我が国が自衛権を行使する場合の遵守事項と定めている。つまり、我が国は当然に、国際連合憲章が定める集団的自衛権を、憲法第9条の制約なしに行使できることを前提としているのである。このような憲法で禁止されている集団的自衛権を認める法律を国会に提出することは許されない。
 また、国家安全保障法案は、憲法上許されていない集団的自衛権の行使を下位法である法律で容認しようとするものであり、時の政府の判断で憲法解釈を変更することは政府や立法府を憲法の制約下に置こうとした立憲主義に違反し到底許されるものではない。
5 結論
 当会は、立憲主義の見地から、時の政府の都合で憲法解釈を変更して集団的自衛権行使を容認すること、及び憲法9条が禁ずる集団的自衛権の行使を認める法案が国会に提出されることに、強く反対する。
2013(平成25)年11月12日
熊本県弁護士会 会長 衛藤 二男

「特定秘密の保護に関する法律案」に反対する声明
1 政府は,「特定秘密の保護に関する法律案」(以下,「同法案」という。)を策定し,今秋の臨時国会での成立を目指している。
同法案は,「防衛」「外交」「外国の利益を図る目的で行われる安全脅威活動の防止」「テロ活動防止」の4分野の情報のうち,公になっていない情報でその漏洩が我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるために特に秘匿することが必要であると行政機関の長が判断した情報を「特定秘密」と指定し(同法案3条1項),「特定秘密」の取扱業務に従事する者がその業務により特定秘密を漏らした場合等(同法案21条),「特定秘密」を保有する者の「管理を害する行為により特定秘密を取得」した場合等(同法案22条)に最高で懲役10年の刑罰をもって対処することを主な内容とする。
2 防衛,外交,安全脅威活動の防止,テロ活動防止という特定秘密として指定可能な国家情報の対象分野は広範かつ不明確であるうえ,「その漏洩が我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがある」との限定はあるものの,行政機関が指定権限を有するものであるから,違法秘密や疑似秘密(時の政府当局者の自己保身のための秘密)を「特定秘密」に指定してしまう危険があり,ひいては重要な国政の課題について国民の判断を誤らせ,国民の知る権利を害し国民主権原理にも悖るものであり,到底許されない。
3 同法案は,「管理を害する行為」により特定秘密を取得する行為を処罰対象としているが,いかなる取材活動が「管理を害する行為」なのか不明確であるうえ「特定秘密」の範囲が不明確であることと相俟って処罰範囲が無限定に広がり,このことは罪刑法定主義に反するといわざるを得ない。
 また,取材者は処罰を避けるために上記4分野への取材そのものを自粛する事態にもなりかねない。取材の自由及び報道の自由は,憲法上の権利である表現の自由に直結し,また,憲法で保障された国民の知る権利に資するものとして極めて重要な憲法上の権利であり,同法案によって民主主義と個人の自由のために極めて重要な人権が侵害されるといわざるを得ず,憲法上到底許されない。
4 当会は,日本国憲法の諸原理を尊重する立場から,同法案が立法化されることに強く反対し,政府が同法案を国会に提出しないことを強く求める。
2013(平成25)年10月9日
熊本県弁護士会
会 長  衛 藤 二 男

憲法第96条の憲法改正発議要件の緩和に反対する決議
第1 決議の趣旨
当会は、憲法第96条を改正して発議要件を緩和することに強く反対する。
第2 決議の理由
1 憲法第96条の定めと同条改正の動き
日本国憲法第96条は、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」と定める。
 自由民主党は、昨年4月27日、日本国憲法改正草案を発表し、第96条の改正規定を、衆参各院の総議員の過半数で発議できるように変更しようとしている。日本維新の会も、第96条の憲法改正発議要件の緩和を提案している。
 昨年12月16日に行われた衆議院議員総選挙の結果、自由民主党と日本維新の会、みんなの党が合計366議席となり、衆議院では、憲法改正を主張する3党で「総議員の三分の二以上」を占めることとなった。 2 国会の発議要件が「総議員の三分の二以上」とされた理由
憲法は、基本的人権を守るために国家権力の組織を定め、たとえ民主的に選ばれた国家権力であっても権力が濫用されるおそれがあるので、その濫用を防止するために国家権力に縛りをかける国の基本法である(立憲主義)。
すなわち、憲法第11条は「この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。」とし、憲法第97条は「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」とする。この基本的人権の尊重こそが憲法の最高法規性を実質的に裏付けるものであり、この条項に引き続く憲法第98条は「この憲法は、国の最高法規であって」と、憲法の最高法規性を宣言し、憲法第81条で裁判所に違憲立法審査権を与えている。憲法第96条の改正規定は、これらの条項と一体のものとして、憲法保障の重要な役割を担うものである。
そのため、憲法が改正される場合には、国会での審議においても、国民相互間の議論においても、充実した慎重な議論が尽くされた上で改正がなされるべきことが求められ、法律制定より厳しい要件が定められたのである。
もし、充実した十分慎重な議論が尽くされないままに簡単に憲法が改正されるとすれば、国の基本法が安易に変更され、基本的人権の保障が形骸化されるおそれがある。国の基本法である憲法をその時々の支配層の便宜などのために安易に改正することは、それが国民の基本的人権保障や我が国の統治体制に関わるだけに、絶対に避けなければならない。
 発議要件を3分の2以上から過半数にすると、憲法改正の発議はきわめて容易となる。議会の過半数を握った政権与党は、立憲主義の観点から縛りをかけられている立場にあるにもかかわらず、その縛りを解くために簡単に憲法改正案を発議することができることとなり、立憲主義が大きく後退してしまう危険が大きい。
3 結論
以上のとおり、日本国憲法第96条について提案されている改正案は、国の基本的な在り方を不安定にし、立憲主義と基本的人権尊重の立場に反するものとして極めて問題であり、許されないものと言わなければならない。
 当会は、憲法改正の発議要件を緩和しようとする憲法第96条改正提案に対して、強く反対するものである。以上 
平成25(2013)年5月28日
熊本県弁護士会   


MV-22オスプレイの普天間飛行場配備及び飛行に抗議する声明
1 沖縄在留米軍海兵隊は、去る10月4日、普天間飛行場に配備したMV-22オスプレイの訓練飛行を開始した。
 オスプレイは、開発段階から事故を繰り返していたばかりでなく、2005年に量産体制に移行した後も事故が絶えず、最近も、本年4月11日、米海兵隊のMV-22がモロッコでの訓練中に墜落し搭乗員2名が死亡する等の事故を起こし、さらに本年6月14日、フロリダ州で訓練中のCV-22オスプレイ(米空軍向けの同一機種)が墜落し乗員5名が負傷する事故を起こしている。
 米海兵隊は、これらの墜落事故について人為的ミスが原因であることを強調するが、わずか2か月あまりの間に2度の墜落事故が発生していること自体看過できないものであり、仮に、これらの事故原因が人為的ミスであったとしても、それが直ちに墜落事故につながっていることからすれば、オスプレイ自体が事故発生の危険性が極めて高い機種であるといわざるを得ない。
2 米国が発表した「MV-22の普天間飛行場配備及び日本での運用に関するレビュー」によれば、オスプレイは沖縄本島のほぼ全域を飛行するほか、大分県から福岡県、熊本県、宮崎県の山間部を飛行する「イエロールート」が含まれていることも明らかになっている。熊本県内では、山鹿市、菊池市、阿蘇市、南阿蘇村、高森町、山都町、美里町、八代市、水上村、湯前町の10市町村の上空を飛行することとされている。  そのため、水上村議会では同機の飛行中止を求める意見書が、菊池市議会、山都町議会では同機の配備・飛行に反対する請願書が、阿蘇市議会、南阿蘇村議会では同陳情書がそれぞれ採択されたほか、菊池市長、合志市長、八代市長が同機の配備・飛行に反対を表明している。
3 今般のオスプレイの配備及び飛行の強行は、沖縄県民のみならず、飛行ルートに含まれている熊本県内の住民の生命・身体及び財産に対する重大な侵害のおそれを生じさせるものであり、憲法が保障する幸福追求権の一内容である人格権(13条)、平和のうちに生きる権利(前文、9条、13条)の精神に反するといわざるを得ず、当会として到底これを看過することはできない。
 当会は、このようなオスプレイの配備と飛行に対して強く抗議し、米国政府に対し、オスプレイの普天間飛行場への配備計画を即時撤回するよう強く求めるとともに、日本政府に対して、オスプレイの日本配備を白紙に戻すべく米国と交渉するよう強く求めるものである。
2012(平成24)年11月6日
熊本県弁護士会 会長 坂本 秀徳 

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余命三年時事日記 2248 けいちん熊本弁護士会 [余命三年]

余命三年時事日記 2248 けいちん熊本弁護士会
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/12/2248-%e3%81%91%e3%81%84%e3%81%a1%e3%82%93%e7%86%8a%e6%9c%ac%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a/ より

熊本弁護士会会長声明を投稿しました。
よろしくお願いします。
まだありますが、どうしましょうか。(あげていただいてけっこうである。
それにしても、歴代会長掲載には笑いました。
けいちん熊本弁護士会
夫婦同姓強制及び再婚禁止期間等の民法の差別的規定の早期改正を求める会長声明
本年2月18日、最高裁判所は、選択的夫婦別姓を認めていない民法第750条が憲法第13条、第14条、第24条及び女性差別撤廃条約第16条第1項(b)、(g)に違反するとして男女5人が国に損害賠償を求めた訴訟の審理を大法廷に回付し、さらに、同日、女性のみに6か月の再婚禁止期間を定める民法第733条が憲法第14条及び第24条に違反するとして女性が国に立法不作為による損害賠償を求めた訴訟についても、審理を大法廷に回付した。
 日本政府は、国連の自由権規約委員会及び女性差別撤廃委員会から、上記民法第750条及び民法733条のほか、婚姻適齢について男女の差を設けている民法第731条について、繰り返し懸念を表明され、これらの女性差別的規定の改正に向けて早急な対策を講じるように要請されている。
 現行の夫婦同姓を強制する制度の下、婚姻に際し多くの夫婦が夫の氏を選択しているという現状において、多くの女性が職業上・社会生活上様々な不利益・不都合を被っている。氏名が人格権の一内容を構成すること(最高裁第二小法廷昭和63年2月16日判決)に鑑み、また、真の両性の平等と男女共同参画社会を実現する上で、夫婦同姓の強制は、早急に見直すべきである。
 また、女性のみに再婚禁止期間を課している規定についても、今日の科学技術の発達によって父子推定の衝突回避という立法事実は既に失われており、撤廃が強く求められる。
 さらに、婚姻適齢について男女の差を設けている規定についても、このような差別を認めるだけの合理的な立法事実は全く存在せず、早急に見直されるべきである。
 当会はこれまで、民法第731条、第733条、第750条の改正を多年にわたって求めてきた。これらの条文を改正する民法改正案要綱を法制審議会が決定してから、すでに約19年もの期間が経過している。
 当会としては、国会に対し、最高裁判所による司法判断を待たずに、不合理な差別的規定である民法第731条、第733条、第750条を早急に改正するよう再度強く求めるものである。
2015(平成27)年4月16日 熊本県弁護士会 会長  馬 場   啓

憲法違反の安全保障法案に反対する 熊本県弁護士会歴代会長声明
自国が攻撃されていないにもかかわらず他国間の戦争へ軍事的に関与することを可能にする集団的自衛権の行使は、前文で平和的生存権を確認し、9条で戦争放棄、戦力不保持及び交戦権の否認を規定し、徹底した恒久平和主義をさだめている日本国憲法に明らかに違反します。
 日本政府は、これまで一貫して、「日本が直接武力攻撃されていないにもかかわらず、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を実力で阻止する集団的自衛権の行使は、憲法9条の下において許容される我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまる自衛権の行使を超えるものであって、憲法上許されない」との憲法解釈を堅持してきました。
 ところが、安倍内閣は、昨年7月1日、歴代の政府解釈を変更して集団的自衛権行使を容認する閣議決定を行い、本年7月16日、同閣議決定を法制化する安全保障法案を衆議院で通過させ、現在、参議院で審議されています。
 集団的自衛権の行使を容認する安全保障法案は、日本国憲法に違反するものであると同時に、憲法改正手続を経ることなく憲法規範を変更するものであり、国家権力を制限することによって国民の基本的人権を保障しようとする立憲主義にも反します。
 私たち熊本県弁護士会の歴代会長は、基本的人権を擁護し、社会正義の実現を使命とする弁護士として、違憲立法である安全保障法案の廃案を求めます。
2015(平成27)年9月7日
熊本県弁護士会
1984年度会長  千場 茂勝
1985年度会長  坂本 仁郎
1989年度会長  矢野 博邦
1990年度会長  竹中 敏彦
1992年度会長  松本津紀雄
1993年度会長  舞田 邦彦
1995年度会長  森山 義文
1996年度会長  河津 和明
1999年度会長  樋口 雄三
2001年度会長  村山 光信
2002年度会長  建部  明
2003年度会長  塚本  侃
2004年度会長  津留  清
2005年度会長  坂本 邦彦
2007年度会長  三藤 省三
2008年度会長  高木 聡廣
2009年度会長  成瀬 公博
2010年度会長  高木 絹子
2011年度会長  髙島 剛一
2012年度会長  坂本 秀德
2013年度会長  衛藤 二男
2014年度会長  内田 光也
2015年度会長  馬場  啓
(以上23名)

テロ等組織犯罪準備罪の新設に反対する会長声明
 政府は,過去3度廃案となった共謀罪創設規定を含む法案(以下「旧法案」という。)につき,「共謀罪」を「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を改めた上,新たな法案をとりまとめ(以下「新法案」という。),来年の通常国会に提出する方針であるとの報道がなされている。
新法案では,いわゆる共謀罪について,旧法案から次の点が変更された。
(1) 適用対象について,旧法案が「団体」としていたものを「組織的犯罪集団」に変更し,「組織的犯罪集団」の定義を「目的が4年以上の懲役・禁錮の罪を実行することにある団体」とした。
 (2) 処罰対象について,旧法案が「共謀した者」としていたものを「二人以上で計画した者」に変更し,かつ,「計画した者」につき「犯罪の実行のための資金又は物品の取得その他の当該犯罪の実行の準備行為が行われたとき」という要件を追加した。
 このように,形式的には,犯罪成立要件が追加されたが,その本質は,旧法案と何ら変わらない。
 まず,(1)の点については,そもそも「目的が4年以上の懲役・禁錮の罪を実行することにある団体」を明確に定義することは困難であり,適法な活動を行う団体であっても,その活動の評価により,適用対象となってしまう可能性がある。そうすると,その適用対象となるか否かは解釈次第ということとなり,処罰範囲が不明確になってしまう。それのみならず,600以上もの犯罪に適用され,対象範囲が極めて広範であるという点は,旧法案と変わらない。
 次に,(2)の点については,「計画」とは「犯罪の合意」と同義であり,その法的性質は「共謀」と何ら変わりはない。また,「犯罪の実行の準備行為」との要件についても,犯罪発生の危険をほとんど含まない行為まで対象とされる可能性があり,極めて抽象的で恣意的な解釈が可能である。そうすると,行為ではなく思想を処罰するという危険性が生じるとともに,その処罰範囲が不明確なため,言論の自由・集会の自由・結社の自由等の基本的人権に対しての萎縮効果が生じることは明らかである。
 当会は,平成27年12月11日,「共謀罪の新設に反対する会長声明」を発しているが,そこで指摘した旧法案の問題点は,そのまま新法案に妥当する。
 以上のように,新法案は,旧法案の問題点を何ら解消しておらず,国民の基本的人権に対する重大な侵害を招く危険を有するものである。
よって,当会は,新法案の提出及びテロ等組織犯罪準備罪の新設に強く反対する。
2016(平成28)年12月14日
熊本県弁護士会 会 長  吉 田 賢 一

「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(いわゆる「カジノ解禁 推進法」)の成立に抗議し,廃止を求める会長声明
 1 2016年(平成28年)12月15日,「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(以下,「カジノ解禁推進法」という。)が成立した。
 2 当会は,2014年(平成26年)10月21日に既に「「特定複合観光施設区域の整備の推進に 関する法律案」(いわゆる「カジノ解禁推進法案」)に反対する会長声明」を公表したところである。カジノ解禁推進法の目的は,集客による地域経済の振興と,カジノ収益の社会への還元にあるとされているところ,このような目的はカジノ設置によって達せられる保証はなく,その一方で,カジノ設置による悪影響が強く懸念され,その排除の措置等が具体的でないことからすれば,カジノの設置をすることは到底認められないからである。
 3 既にカジノを設置している他国の状況を見ると,韓国,米国等ではカジノ設置自治体の人口が減少したり,多額の損失を被ったという調査結果も存在している。このような客観的な調査結果の検証を十分に行わないまま短絡的にカジノ設置による経済効果を当然の前提としてはならない。
 また、民間企業が,直接,カジノの運営等をするとされているが,民間企業が運営するカジノに対する規制には限界があり,カジノ収益の社会への還元が保証されているとは言いがたい。
 4 さらに,暴力団が資金源としてカジノに関与することが予想され,マネー・ローンダリングにカジノが利用される懸念もある。このような反社会的勢力・行為を助長するべきではない。
 ギャンブル依存症は,慢性,進行性,難治性で放置すれば自殺に至ることもある極めて重篤な疾患である。特に,我が国においては,世界各国と比べてその発症率は極めて高く,ギャンブル依存症の者が多重債務に陥ることも多い。生活の困窮が他の犯罪や紛争の原因となる可能性が高いことは周知の事実となっている。また,青少年らが賭博行為の危険性を正しく認識できないまま成長することになりかねず,国の未来を担う青少年への悪影響は社会全体の損失につながる。
 カジノ設置による,治安や住環境の悪化のおそれも顕著であり,地域に対して長期的に回復困難なダメージを与えかねない。
 5 カジノ解禁推進法は,刑法で賭博罪として禁止されている行為の一部を正面から公認するものである。しかも、この法律は,歴史的沿革のもと禁じるべきとされてきた行為について,十分な立法事実が示されることもマネー・ローンダリングの懸念やギャンブル依存症に対する十分な対策が講じられることもないまま,法案審議されることになったわずか2週間後に可決・成立したものである。日本の刑事司法政策ひいては日本社会に与える影響が極めて大きい問題であるにもかかわらず,そして,この間の世論調査ではカジノ解禁に反対または慎重との意見が賛成意見を大きく上回っていたにもかかわらず,国民の世論に背を向けこのような短期間の審理で法律を成立させたことは,手続としても拙速の誹りは免れず,到底許容されるものではない。
 6 よって,当会はカジノ解禁推進法の成立に強く抗議し,その廃止を求める。
2017年(平成29年)2月15日
熊本県弁護士会 会長  吉 田 賢 一

緊急事態条項を創設する憲法改正に反対する会長声明
近時、災害対策等を理由として、憲法を改正し緊急事態条項を創設しようとする議論が、政府や与党内から提起されており、先日(本年3月23日)の衆議院憲法審査会においても、緊急事態条項の創設について参考人の意見陳述・質疑が行われた。
 緊急事態条項とは、戦争・内乱・恐慌・大規模な自然災害など、平時の統治機構をもっては対処できない非常事態において、国家権力が、国家の存立を維持するために、憲法秩序を一時停止して非常措置を取る権限とされており、国家緊急権とも呼ばれるものである。こうした緊急事態条項は、一時的にせよ行政府への強度の権力集中と憲法上保障された人権の制限を図るものであるから、行政府による濫用の危険性が高く、基本的人権の尊重と権力分立を旨とする立憲主義を破壊する大きな危険性をはらんでいる。日本国憲法は、権力が濫用された過去の幾多の歴史的事実を踏まえ、立憲主義と相いれない本質を有する緊急事態条項について、あえて規定を設けていないのである。
 そもそも、災害対策においては、「事前に準備していないことは緊急時にはできない」とされており、平時における事前準備が何より重要である。この点について、日本の災害法制では、大規模災害時の対処のために既に十分な整備がなされている。すわなち、災害が発生し、国に重大な影響を及ぼすような場合には、内閣総理大臣が災害緊急事態を布告し(災害対策基本法105条)、内閣は、生活必需物資等の授受の制限、価格統制及び債務支払の延期等を決定することができることとされている(同法109条)。また、内閣総理大臣は、地震防災応急対策のため、必要に応じて地方公共団体等に指示を行うことができ(大規模地震対策特別措置法11条1項、同法13条1項)、防衛大臣に対し、自衛隊の部隊等の派遣を要請することができる(同法13条2項)。さらに、都道府県知事の強制権(災害救助法7条~10条)や市町村長の強制権(災害対策基本法59条、60条、63条~65条)など、私人の権利を制限する権限も設けられている。東日本大震災等の過去の大規模災害において政府の初動対応が不十分であったと批判されているが、それは既存の法制度に不備があったのではなく、災害への事前の対策が不足し、法制度を十分に活用することができなかったからである。今後の大規模災害への備えとして行うべきは、すでに十分に整備されている災害法制を発災時に適切・迅速に運用できるよう平時から防災・減災のための対策・準備を充実させることである。
 諸外国の例を見ても、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカの4カ国において、災害における国家緊急権を憲法で定めているのはドイツだけであり、その他の国は日本と同じく法律で対処している。また、ドイツの憲法上の制度を見ても、州及び連邦の相互援助の規定であり、権限を連邦政府に集中させるのではなく、現場に近い州が対応するものとされている。こうした諸外国の例からも、緊急事態条項を創設し政府への権力の集中によって事態に対処しようとすることは、方向性を見誤っていると言わざるを得ない。東日本大震災の被災自治体に対する日弁連アンケート(平成27年9月実施・24市町村回答)においても、災害対策の第一義的な対応は市町村主導とすべきであること、緊急事態条項の存しない現憲法が災害対策の障害となったことはないとの結果が示されている。
 平成28年4月、熊本の地はかつてない震災に見舞われ、甚大な被害を受けた。これに対して全国から支援が寄せられるとともに、当会も、被災地の弁護士会として被災者支援活動を行ってきたが、そうした活動において、東日本大震災をはじめとする過去の大規模災害の体験に基づく支援・助言が何よりの助けとなった。こうした経験から言えることは、今後も発生することが予想される大規模災害において、被災者の支援及び被災地の復興のために必要なことは、過去の幾多の災害における具体的な経験を踏まえ、発生した被害の原因を検証し、その対策を策定して事前の準備を進めていくことであり、ことが起こってから憲法の基本原則を停止し政府に権力を集中させるための法制度を創設することではないということである。
 よって、当会は、災害対策等を理由として憲法を改正し、緊急事態条項を創設することについて、断固として反対するものである。
平成29年3月31日
熊本県弁護士会 会 長  吉 田 賢 一

憲法違反の安保関連法案の採決強行に抗議する声明
 2015(平成27)年9月19日、参議院本会議における採決の強行により、平和安全法制整備法及び国際平和支援法(以下、あわせて「安保関連法」という。)が成立した。
 安保関連法が憲法違反であることは、当会をはじめ、日本弁護士連合会、全国の弁護士会、弁護士会連合会が繰り返し指摘してきただけでなく、多数の憲法学者、元長官を含む元最高裁判所裁判官や歴代の元内閣法制局長官も明言している。
 政府が、国民への説明義務を果すことなく、衆議院に続き参議院で採決を強行して同法を成立させたことは、民主主義を踏みにじる暴挙と言わざるをえず、当会は断固として抗議する。
 政府は、「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」である集団的自衛権を行使することは憲法第9条に違反し、禁じられているとの解釈を堅持してきた。
 長年にわたり確立してきた憲法解釈を、憲法第96条に定める改正手続によることなく、時の政治権力が正反対に変更し、集団的自衛権の行使を容認することは、立憲主義に違反する。
 今回成立した安保関連法は、内容はもとより、その成立過程に多くの問題を抱えるものであり、当会は、国民と手を携え、憲法に違反する安保関連法のすみやかな廃止を求めていくとともに、廃止以前の時点で、同法の規定する措置が発動されることがないよう、全力を尽くす決意である。
2015(平成27)年9月24日
熊本県弁護士会 会 長  馬 場   啓

憲法記念日会長談話
本年5月3日、私たちは、日本国憲法施行70年を迎えます。
日本国憲法は、国のあり方を決める権利が私たち国民にあるという国民主権を、基本理念の一つとしています。また、個人の尊重と基本的人権の保障を図るとともに、人々の自由や権利を守るため、第99条で国会議員等の公務員に対して憲法を尊重し守ることを義務づけ、国家権力の暴走を防ぐ立憲主義を基本原理としています。さらに、先の大戦の反省から、その前文において平和的生存権を定め、9条では戦力不保持、交戦権の否認を定めるなど、徹底した恒久平和主義を貫いてきました。
 しかし、近年、こうした日本国憲法の基本理念が脅かされ、私たちの国のあり方は根本から変えられようとしています。
 平成26年7月1日、政府は、「自国と密接な関係にある外国への武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止する権利」である集団的自衛権について、その行使は憲法9条に違反するとしてきた従来の憲法解釈を変更し、行使を認める閣議決定を行いました。そして、平成27年9月19日、参議院本会議における採決強行により、集団的自衛権の行使等を容認する安全保障関連法が成立し、平成28年3月29日に施行されています。長年にわたり確立してきた憲法解釈を、憲法96条に定める改正手続によることなく時の政治権力が変更し、集団的自衛権の行使を容認することは、立憲主義に対する重大な違反といわなければなりません。
 また、近時、災害対策等を理由に、憲法を改正し緊急事態条項を創設しようとする動きがあります。しかし、日本国憲法は、権力が濫用された歴史的事実を踏まえ、立憲主義と相容れない緊急事態条項についてあえて規定を設けていません。加えて、日本では大規模災害時の対処のために十分な法整備が既になされており、今後の災害への備えとして行うべきは、災害法制を災害発生時に適切・迅速に運用できるよう平時から対策・準備を充実させることです。したがって、事が起きてから憲法の基本原則を停止し政府に権力を集中させる緊急事態条項は、日本国憲法の基本原理に反する上に、災害対策に資するものでもないのですから、憲法を改正して緊急事態条項を創設すべきではありません。
 さらに、本年3月21日には、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案が閣議決定され、国会に提出されています。
 「テロ等準備罪」は、対象犯罪の遂行を二人以上で計画(共謀)することを主な内容としていますが、いかなるときに「テロ等準備罪」が成立するのか不明確で、対象犯罪も広範なので、国民は何をもって処罰されるのか予測することができません。そのため、「テロ等準備罪」が新設されれば、言論の自由・集会の自由・結社の自由等の基本的人権に対し著しい萎縮効果が生じ、私たち市民の生活に深刻な影響を及ぼすことは明らかです。
 熊本県弁護士会は、憲法施行70年を迎えるにあたり、日本国憲法の基本原理に反し、又は、国民の基本的人権を脅かす立法及び改憲の動きに、改めて強く抗議するとともに、今後も、基本的人権の擁護と日本国憲法の基本理念を守るため、最大限の努力を尽くしていきたいと思います。
平成29年5月2日
熊本県弁護士会 会 長  宮 田 房 之

いわゆる共謀罪法の成立に強く抗議し,廃止を求める会長声明
 2017年(平成29年)6月15日,いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正法(以下「共謀罪法」という。)が参議院本会議で強行採決され成立した。
 当会は,これまで3度にわたり,共謀罪に反対する会長声明を発出し,共謀罪の問題点について述べてきたところである。すなわち,共謀罪には,思想ではなく行為を処罰するという刑事法体系の基本原則に反するものであること,処罰範囲が不明確であり,言論の自由・集会の自由・結社の自由等の基本的人権に対しての萎縮効果が生じるおそれがあること,捜査機関による個人間の会話や通信等の監視が強化されるおそれがあることなど,多くの問題点が存する。
 したがって,共謀罪法の採決にあたっては,十分な議論と慎重な審理がなされるべきであった。それにもかかわらず,衆議院法務委員会において採決が強行され,参議院においては,法務委員会の採決が省略され,中間報告をもって本会議の採決がなされるという,極めて異例の,議会制民主主義を蔑ろにするような手続がとられた。
 このように,共謀罪法は,その内容に問題点が多数存するばかりか,その成立に至る手続にも問題点が存する以上,廃止されなければならない。
 そして,共謀罪法は、警察等が適用する場面において、人権侵害のおそれが強く認められることから、共謀罪法が廃止されるまでの間においても,市民のプライバシーその他の人権を守るために、裁判所・弁護士等の司法が果たすべき役割は大きい。
 この点,ジョセフ・カナタチ国連人権理事会特別報告者が,共謀罪法に関し,プライバシーを守るための仕組みが欠ける懸念事項の1つとして,警察がGPS捜査や電子機器の使用のモニタリングをするために裁判所の許可を求める際の司法の監督の質について懸念を示しているところであり,共謀罪法の恣意的運用を防止するためにも,司法の警察等への監督の質を高めていかなければならない。
よって,当会は,共謀罪法の成立に強く抗議し,その廃止に向けた取組みを行うとともに,その廃止までの間は同法が恣意的に運用されることがないよう注視していく所存である。
2017(平成29)年8月8日
熊本県弁護士会  会長 宮 田 房 之

死刑執行に強く抗議し,改めて死刑執行を停止し,死刑制度についての全社会的議論を求める会長声明
 2017年7月13日,大阪拘置所と広島拘置所において各1名に対して死刑が執行された。金田勝年法務大臣による2回目の執行であり,第2次安倍内閣発足以降,死刑が執行されたのは,11回目で,合わせて19名になる。
 当会は,2015年9月14日,上川陽子法務大臣(当時)に対し,「死刑に関する全社会的議論を呼びかける意見書」を提出して,死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し,死刑制度に関する世界の情勢について調査の上,調査結果と議論に基づき,今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと,そのような議論が尽くされるまでの間,すべての死刑の執行を停止すること等を求め,その後も死刑執行に抗議する声明を出していた。
 また,日本弁護士連合会は,2016年10月に開催した人権擁護大会において,2020年までに死刑制度の廃止を目指す「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を賛成多数で決議している。  このような状況における死刑の執行は極めて遺憾であり,当会は改めて死刑執行に強く抗議する。
 2014年3月,静岡地方裁判所が袴田巖氏の第2次再審請求事件について,再審を開始し,死刑及び拘置の執行を停止する決定をした。現在,東京高等裁判所において即時抗告審が行われているが,もし死刑の執行がなされていたならば,まさに取り返しのつかない事態となっていた。袴田氏は48年ぶりに釈放されたが,現在でもその心身に不調を来している。誤判・えん罪の危険性は現実的なものであり,誤って死刑を執行するおそれは否定できない。今回,大阪拘置所において死刑執行された者は再審請求中であり,この点についても強く抗議する。
 死刑の廃止は国際的な趨勢であり,世界で死刑を廃止又は停止している国は141か国に上っている。2016年末時点で死刑を存置している国は57か国であるが,2016年に実際に死刑を執行した国は更に少なく,日本を含め23か国であった。国際人権(自由権)規約委員会は,2014年,日本政府に対し,死刑の廃止について十分に考慮すること等を勧告している。
 当会は,これまでの死刑執行に対しても強く抗議してきたところであるが,今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに,改めて死刑執行を停止し,死刑に関する情報を広く国民に公開し,死刑制度の廃止についての全社会的議論を求めるものである。
2017年(平成29年)7月19日
熊本県弁護士会  会 長  宮 田 房 之

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昼寝ネコの雑記帳  中国が日本に攻めてくるなどというのは幻想だ。絶対にありえない。 [政治]

昼寝ネコの雑記帳  中国が日本に攻めてくるなどというのは幻想だ。絶対にありえない。
http://hiruneneko.exblog.jp/29045682/ より

 「中国が日本に攻めてくるなどというのは幻想だ。そんなことは絶対にありえない」、と断言したのはジャーナリストの鳥越俊太郎氏だった。これはまさに神がかり的な預言だと思う。あの拡張主義の中国が、日本は平和憲法を制定し、国民も平和な国を維持したがっているのだから、その意思を尊重して日本を支配するとか、属国化するのは止めておこう、と考えているとでも言うのだろうか。大変な見識だと思う。

 今日も夜の9時過ぎに、ようやく歩ける状況になった。朝からの歩行数は約9百歩。昨日同様また7千歩ちょっとを歩かなければならなかった。数ヶ月前の私だったら、あれこれ理由をつけて先延ばしし、セブンイレブンで買ったバタークッキーやソイジョイをパクついたと思う。しかし、多少は大人になったようで自分を叱咤激励し、寒い中を歩きに出た。

 今晩も第三京浜まで歩き、引き返して国道246号まで行って帰宅した。ちょうど8千歩を歩くことができた。今朝の血糖値が、なんと最近の平均値から50も急降下したのも励みになった。もう少しで正常値に入ろうかという勢いだったので、この画期的な変化の機会を大事にしようと考えた。近年になく歩いていることが奏功したのか、あるいは電子水との複合効果なのか、医学的な見解は不明である。午後7時以降は、固形物を口にせずひたすら電子水と酸素水を飲んでいる。甘い物の誘惑に弱い私としては、大きな進歩である。

 今日、YouTubeで検索し、たくさんの動画をダウンロードした。「大和心を語るねずさんのひとりごと」のブログ主・小名木善行(おなぎぜんこう)氏が、CGS(ネット大学設立を目指しているらしい)主宰の元吹田市議会議員・神谷宗幣氏と対談した、ねずさんシリーズだ。なんと51編にもなったが、すべてダウンロードさせていただいた。ねずさんのブログには時々お邪魔させていただいてる。最近は古事記に関する書籍も出版されており、日本史とその文化に関して学ばせていただきたいと思っている。

 歩きながら、何を聴こうかと迷い、結局選んだのは「潜入!アメリカ国家安全保障局(NSA)」だった。歩きながらなので、音声しか聴くことができなかったが、アメリカ国家安全保障局に初めてカメラが入ったと言っていたので、改めて動画で観てみようと思う。これまで、公開情報から収集して分析する手法・OSINT情報(Open Source Intelligence)、人的な情報源から収集するHUMINT情報(Human Intelligence)については、たびたび言及した。今日聴いた音声で触れられていたのは、電波や電子信号を傍受する事による情報収集・SIGINT情報(Signals Intelligence)に加え、非通信用(レーダー等)の電磁放射からの情報収集であるELINT情報(Electronic Intelligence)が紹介されていた。(読み方:オシント情報、ヒュミント情報、シギント情報、エリント情報)

 この動画は40分以上とちょっと長いが、私は授業で学んだのは文字情報だけだったので、「潜入!アメリカ国家安全保障局(NSA)」という見出しと、初めてカメラが潜入して実際に撮影した映像が観られるのはとても興味深い。いや、そんなことよりも国家の安全を守るために、現実にどれだけ熾烈な環境で多くの人が働いているかを知る、いい機会だと思う。このYouTube動画をご覧になれば、「中国が日本に攻めてくるなどというのは幻想だ。そんなことは絶対にありえない」と公言する人斑は、まさに中国の工作員か協力者そのものであるとしか思えないだろう。久しぶりにインテリジェンスの最先端の現実を垣間見ることができて、とてもいい刺激になった。国家インテリジェンスと、ファミリー・インテリジェンスでは、ベクトルも規模も手法も大きく異なるが、引き続き私なりに研究を続けていきたいと、思いを新たにした。

(参考資料動画:アメリカ国家安全保障局・NSAの現状)
 *クリックしても開かないときはURLをコピーし、所定のboxにペーストすれば閲覧可能のようなので、お試しいただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=hUoukfKVf8o&t=5s
潜入!アメリカ国家安全保障局(NSA)
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MIZUNAの部屋 税金で反日学校を援助する必要なし [政治]

MIZUNAの部屋 税金で反日学校を援助する必要なし
http://mizunamayuneko.blog.fc2.com/blog-entry-2532.html より

http://blog-imgs-118.fc2.com/m/i/z/mizunamayuneko/20180109013923a09.jpg
前川喜平って、まだうろちょろしてるの?
もりかけ問題の時は「脚光」を浴びていましたが、今度は朝鮮学校の件で、
「脚光」を浴びたいのか?

朝鮮学校って、分類上は各種学校です。
ただしカリキュラムは限りなく日本の学校に近いです。

在日の方は、朝鮮学校や韓国学校?のような民族学校に通って、民族のアイデンティティーを維持する努力をしています。

そんな中で今回話題なのは、朝鮮学校・・・。
北朝鮮系の学校。
校内には、金日成、金正日、金正恩の写真が掲げられ、奉っています。

いくら日本育ちで、日本文化や生活が体に染みこんでいるとはいえ、
北朝鮮の支配者を崇めている以上、反日思想に染まっており、日本を敵国と認識しているということです。
ましてや近年、核開発に勤しみ、弾道ミサイル発射実験を繰り返し、アメリカや日本に対して「火の海にしてやる」と挑発を続ける北朝鮮指導者を支持する朝鮮学校って、「テロリスト養成学校」と呼ばれても仕方がないのでは?

現在各国は北朝鮮に経済制裁を加えていますが、
北朝鮮、朝鮮総連直属の学校に通う生徒の授業料を全額補助するなんて、
それは、安保理決議の制裁措置を無視し破ることと同じなのでは?

北朝鮮が「悪」である以上、北朝鮮配下の「朝鮮学校」も悪。
前川喜平が「朝鮮学校生と北朝鮮の支配者層は別だ。」と主張するのであれば、
生徒を一人連れてきて、「あなたは北朝鮮に忠誠を誓いますか?」とか「金正恩総書記を尊敬しますか?」とか質問すればいい。
さて、朝鮮学校の生徒はどう答えるかな?(笑)

朝鮮学校は論外として、
韓国系の学校も授業料の援助なんて必要ないと思うな!
だって、連中みんな「反日」なんでしょう?
例えば慰安婦問題について聞けばいい。
「あなたは慰安婦問題についてどう思いますか?」
とか
「日本政府の対応は十分だと思いますか?」とか
あるいは竹島について質問してもいい。
ことごとく韓国寄りの返事をすると思います。
だいたい、自ら「私たちの先祖は朝鮮半島から日本に強制連行された」
とか大嘘付いているわけですから・・・。
日本がこのような問題について強い姿勢を示せないのは、朝鮮戦争関連で、アメリカが韓国と軍事同盟関係にあるからです。
日本政府も日本人も、本音の部分では、「いやいや日本に住んでいるのなら、いっそのこと祖国に帰れば?」と思っているのではないかな?

在日韓国人も在日朝鮮人も、通名使い分けて生活保護を複数自治体から受け取ったり、銀国口座を沢山作って税金逃れしたり、悪いことやり放題ですね。
強姦・殺人事件といえば在日。
ついこの前も神戸で在日がプラットホームから線路に人を突き落としています。

犯罪者または犯罪予備軍、前科者というのが私の在日に対する認識ですね。
データ的には警視庁の発表した資料を調べれば誰もが納得するでしょう。

Yahooニュースより
・・・転載開始・・・
無償化除外は「理不尽」=朝鮮学校への差別と指摘―司法で救済を・前川前次官
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180107-00000027-jij-soci

1/7(日) 14:36配信 時事通信
文部科学省で高校の授業料無償化の制度設計に携わった前川喜平・前文科事務次官。朝鮮学校の生徒を対象から外す国の対応を「乱暴で理不尽極まる」と批判し、司法が是正すべきだとの考えを示した=12月撮影、都内
 文部科学省で高校の授業料無償化の制度設計に携わった前川喜平・前文科事務次官が時事通信の取材に応じ、朝鮮学校の生徒を対象から外す国の対応を「乱暴で理不尽極まる」と批判し、司法が是正すべきだとの考えを示した。

「勝つまで闘う」=朝鮮学校卒業生らが会見

 無償化の是非をめぐって卒業生や学校運営法人による訴訟が起こされており、2017年は広島、東京両地裁で原告敗訴、大阪地裁では勝訴の判決が出た。今年4月には名古屋地裁で判決が予定されているほか、福岡地裁小倉支部や東京、大阪、広島の各高裁でも年内に判断が示される可能性があり、再び注目が集まりそうだ。

 安倍政権発足後の13年2月、国は朝鮮学校生を制度の対象から除外した。世帯年収で一定額未満となる家庭の生徒はその額に応じた国からの就学支援金を授業料に充当できる制度だが、「朝鮮学校が北朝鮮や朝鮮総連の影響下にあり、支援金が授業料に充てられない懸念がある」と見なした。

 前川氏は「対象に含める前提で、朝鮮学校から申請を受け付け、審査もしていた」と経緯を説明。「支援金が授業料に充てられないと言うなら、その挙証責任は国にある」と述べた上で、「支給すれば授業料に充てたかどうかは直ちに分かることだ」と指摘した。

 また、北朝鮮による拉致問題などと関連付けて除外を正当化することに対して「拉致は許されない犯罪行為だが、朝鮮学校生と北朝鮮の支配者層は別だ。差別や偏見をあおっている」と強調。「生徒たちは日本社会で育ち、日本の文化になじむ普通の若者だ。北朝鮮を理想の国だなんて誰も思っていない」と話し、共生の必要性を訴えた。

 「人の心は弱く、誰かを差別したいという気持ちは皆が持っている」と前川氏。「今の政権は差別感情をあおって増幅させ、権力を維持している。そういうネガティブな感情を制御するすべを身に付けさせるのが本来の教育だが、できていなかった」と教育行政に関わった過去を振り返り、じくじたる思いを吐露した。 
・・・転載終了・・・
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余命三年時事日記 2247 ら特集山形弁護士会⑤ [余命三年]

余命三年時事日記 2247 ら特集山形弁護士会⑤
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/11/2247-%e3%82%89%e7%89%b9%e9%9b%86%e5%b1%b1%e5%bd%a2%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e2%91%a4/ より

山形県弁護士会
ttp://www.yamaben.or.jp/html/kai4.html
特定秘密保護法制定に反対する会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s013.html

1. 政府は,2013(平成25)年10月25日,特定秘密の保護に関する法律案(以下「本法案」という。)を閣議決定し,衆議院に提出した。当会は,昨年,秘密保全法制定について,その重大な問題を指摘し反対する旨の意見を表明した。本法案は,基本的に秘密保全法を踏襲するものであり,次に述べるとおり,主権者である国民の知る権利を侵害し,国政の重要な情報を隠して民主主義の根幹を揺るがすおそれがあると同時に,憲法が保障する国民の表現の自由,取材,報道の自由,プライバシーの権利などに重大な脅威を与えるものである。
2. まず,本法案では,「防衛」「外交」「特定有害活動の防止」及び「テロリズムの防止」の4分野において,行政機関の長が「その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため,特に秘匿することが必要」と判断する秘密を「特定秘密」と指定することができるとされているが,広範かつ曖昧であるため,行政機関の恣意的判断で,本来国民に開示されるべき情報が隠蔽される危険性がある。そして,本法案は,特定秘密指定の有効期間を5年と定めているが,通算して30年まで延長できるほか,さらに,内閣の承認を得れば,それ以上の延長まで可能とされているため,一度特定秘密に指定されれば,半永久的に秘匿することが可能となる。
3. また,本法案では,「適性評価制度」を導入し,特定秘密を取り扱わせようとする者に対して,その適性があるかどうかを判断するため,本人のみならず家族や同居人のプライバシー情報の調査を許容するが,政府がプライバシー情報を収集,管理,利用することになれば,国民は思想信条による差別的取扱いの危険にさらされることになる。
4. さらに,本法案では,「特定秘密」の漏えい行為を処罰対象としているが,故意犯のみならず過失犯も処罰するうえ,さらに,共謀,教唆,扇動まで広く処罰する。「特定秘密」の概念自体が曖昧であることに照らせば,処罰範囲はさらに不明確かつ広範になり,罪刑法定主義に反するおそれがある。しかも,その法定刑の上限は,既存の関係諸法令に比して重罰化している。その結果,報道機関の取材活動に対する萎縮効果は計り知れず,報道機関の取材・報道の自由を侵害するとともに,主権者である国民の知る権利をも侵害することになる。
5. 上記の罰則規定は,国会議員も処罰の対象としているが,これによれば,特定秘密を知得した国会議員が当該秘密に関して他の議員や専門家と議論することすら封殺されかねない。議会制民主主義の否定ともいうべき重大な問題である。
6. 他方,特定秘密を漏えいして起訴された場合の裁判手続では,対象となる「特定秘密」の内容が明らかにならない状態で裁判が進められ,適正な裁判を受ける権利が侵害されるおそれがある。
1. このように本法案には到底看過することのできない重大な憲法上の疑義があるので,当会は,その制定に反対し,法案が国会で可決されないよう強く求めるものである。
2013年(平成25年) 11月19日 山形県弁護士会 会長 伊藤 三之

憲法第96条の改正に反対する会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s012.html

日本国憲法第96条は,「この憲法の改正は,各議院の総議員の三分の二以上の賛成で,国会が,これを発議し,国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には,特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において,その過半数の賛成を必要とする。」と定める。ところが近時,この憲法改正発議の要件を緩和し,衆参各議院の総議員の過半数で発議できるように憲法第96条を改正しようとする政治的な動きが現れている。憲法改正の発議要件を緩和しようとする動きには,それによってまず憲法改正をやりやすくし,その後,憲法第9条や人権規定,統治機構の条文等を改正しようとする意図がある。しかしながら,そもそも憲法は,国家権力を縛り,その濫用を防止して基本的人権を守ることを目的とする国の基本法である(立憲主義)。日本国憲法が,基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」として,現在及び将来の国民に与えられ,信託されたものと規定するとともに(憲法第11条,第97条),憲法を「最高法規」と定め,これに反する法律,命令等一切の効力を否定している(憲法第98条)のはそのためである。憲法第96条が憲法改正の要件を通常の法律に比べて格段に厳しくしているのも同じ理由からで,もしこの憲法を改正しようとすれば,まずは国民から選ばれ国民の代表たる国会議員が責任をもって改正案を熟議し,大多数の賛成のもとに国民に発議することが求められているのである。しかるに,もし憲法改正の発議要件を3分の2以上から過半数に改めるならば,この発議はきわめて容易となり,両院議員の過半数を握った時の政権与党が,立憲主義の観点からは縛りをかけられている立場にあるにもかかわらず,その縛りを解くための憲法改正案を簡単に発議することが可能となる。憲法第96条のこのような改正は,立憲主義の憲法の土台を掘り崩すものと言うべきであり,憲法による基本的人権の保障を大きな危険にさらすことになるのは明らかである。よって当会は,基本的人権の擁護を使命とする弁護士からなる団体として,憲法第96条を改正して発議要件を緩和することに強く反対し,国民に警鐘を鳴らすものである。
2013年(平成25年) 6月26日 山形県弁護士会 会長  伊藤 三之

給費制復活を含む司法修習生への経済的支援を求める会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s011.html

平成24年11月27日,第66期の司法修習が開始され,12名の司法修習生が山形に配属された。また山形修習12名の新第65期も無事司法修習を終えて法曹の仲間入りをすることとなった。司法修習生は,司法を担う法曹としての高い専門性を修得するため1年間司法修習に専念する義務を負い(裁判所法第67条第2項),兼業・兼職が禁止され,収入を得る道はない。また,司法修習生は,全国各地に配属され司法修習を行うため,現在の居住地とは異なる場所に配属され,引越費用や住居費などの出費を余儀なくされることもある。このような司法修習生の実態を踏まえ,新第64期及び現行第65期までの司法修習生に対しては,司法修習中の生活費等の必要な費用が国費から支給されていた(以下「給費制」という。)。しかし,平成23年11月から司法修習を開始した新第65期の司法修習生から,給費制は廃止され,司法修習費用を貸与する制度に移行した(以下「貸与制」という。)。日本弁護士連合会は,昨年6月,新第65期司法修習生に対し,司法修習中の生活実態を明らかにすることを目的としてアンケートを実施した。このアンケートの集計結果によれば,28.2%の司法修習生が司法修習を辞退することを考えたことがあると回答し,その理由として,86.1%が貸与制,74.8%が弁護士の「就職難」・経済的困窮を挙げた。すなわち,司法試験に合格していながら,経済的理由から法曹への道をあきらめることを検討した者が3割近くもいる実態が明らかになった。さらに,司法修習生の月平均の支出額は,住居費の負担がない場合が13万8,000円であるのに対し,住居費の負担がある場合は21万5,800円であった。司法修習の開始に伴い修習配属地への引越が必要だった司法修習生は,約6割を占め,この場合には,引越費用等で平均25万7,500円が別途必要になる。修習を終えた山形の新第65期司法修習生に対するアンケート結果においても11名が,引越費用や就職活動のための交通費等の負担での生活は大変であったと回答し,貸与制による借金を抱えての将来に対する不安を訴えている。また,修習が開始されたばかりの66期に対するアンケート結果においては,今後の修習生活費に対する不安,就職難に対する不安,将来借金返済が可能か不安に感じている者がほとんどであった。以上のとおり,新第65期司法修習生及び第66期司法修習生に対する生活実態アンケートにより,貸与制の不平等さや不合理さが改めて明確になった。司法修習生の多くは大学及び法科大学院の奨学金等の返済義務を負担しており,更に貸与制による借金が加算されることになる。こうした経済的負担の重さや昨今のいわゆる「就職難」が法曹志願者を減少させ,有為で多様な人材が法曹の道を断念する一因となっている。このような将来に対する不安を抱えながらの司法修習は,司法修習制度の目的実現にとって悪い影響となることは否定できない。そして,日本弁護士連合会の推計によると,司法研修所を卒業した新65期のうち,弁護士として活動するために必要な弁護士会への登録を行わなかったものがおよそ540人と過去最多になったということである。これは貸与制も含めた負担の増大と就職難が大きな理由と考えられる。昨年7月27日に成立した裁判所法の一部を改正する法律によれば,「司法修習生に対する適切な経済的支援を行う観点から,法曹の養成における司法修習生の修習の位置付けを踏まえつつ,検討が行われるべき」ことが確認された。これを受けて,同年8月21日の閣議決定により法曹養成制度検討会議が設置され,現在検討が進められている。当会は,上記アンケートの実態を踏まえ,有為で多様な人材が経済的事情から法曹の道を断念することがないよう,早急に給費制復活を含む司法修習生に対する適切な経済的支援を求めるとともに,新第65期及び第66期の司法修習生に対しても遡及的に適切な措置が採られることを求めるものである。
2013年(平成25年) 2月14日 山形県弁護士会会長 村山 永

司法修習貸与制施行延期に関する「裁判所法の一部を改正する法律」成立にあたっての会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s009.html

2010年(平成22年)11月26日に,さらに1年間,司法修習生に対する貸与制の施行を延期する法律が国会で可決され成立いたしました。 これにより,同月27日から司法修習が開始される新第64期司法修習生に対して,従前の制度と同様の修習費用の給費が実施されることとなりました。今回の法改正の趣旨は,昨今の法曹志望者が置かれている厳しい経済状況にかんがみ,それらの者が経済的理由から法曹になることを断念することがないよう,給費制が継続される1年間のあいだに,法曹養成制度に対する財政支援の在り方について政府及び最高裁判所の責務として見直しを行うこととされております。また,附帯決議の2項では「法曹の養成に関する制度の在り方全体について速やかに検討を加え,その結果に基づいて順次必要な措置を講ずること」を求めています。このような改正法の内容は,給費制の完全な復活とはならなかったものの,「司法制度改革審議会意見書」(2001年(平成13年)6月12日)に基づき,この間取り組まれてきた司法改革を「第一次司法改革」と位置づけ,これをさらに検証・発展させ,市民目線で「第二次司法改革」に取り組んでいる日本弁護士連合会,そして山形県弁護士会の方針に一致いたします。困難な国会状況のなかで改正法の成立に並々ならぬ御尽力をいただいた各政党・国会議員の方々,最高裁判所,法務省の皆さん,この法改正のための活動に御協力いただいた市民団体,消費者団体や労働団体による「司法修習生の給与の支給継続を求める市民連絡会」や法科大学院生,司法修習生,新人若手弁護士らによる「ビギナーズ・ネット」に心から感謝いたします。今回の法改正の過程では,国会や政府,報道関係者の一部から「すべての法曹が公共的な職務を遂行しているといえるのか」「経済的に困難な者に対する支援はもっともだが,経済的に裕福な者に対してまで給費する必要性があるのか」といった問いかけを受けました。日本弁護士連合会,そして山形県弁護士会は,これまで以上に弁護士の公共的使命を自覚し,人権擁護,法律扶助制度の拡充や過疎偏在対策などに取り組んでいきます。日本弁護士連合会は,これまでにも,「新しい法曹養成制度の改善方策に関する提言」(2009年(平成21年)1月16日),「市民の司法を実現するため,司法修習生に対する給費制維持と法科大学院生に対する経済的支援を求める決議」(2010年(平成22年)5月28日)などの提言を行ってきましたが,この法改正を受けて,山形県弁護士会でも給費制の維持を含む法曹志望者に対する経済的支援の在り方を再検討するとともに,法科大学院を中核とする新しい法曹養成制度の理念をふまえつつ,法曹養成制度全体の見直しについて積極的に取り組んでまいりたいと考えます。
2011年(平成23年)1月25日 山形県弁護士会 会長 高橋健

全面的な国選付添人制度を求める会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s008.html

1.弁護士付添人は,少年審判において,非行事実の認定や保護処分の必要性の判断が適正に行われるよう,少年の立場から手続に関与し,家庭や学校・職場等少年を取りまく環境の調整を行い,少年の立ち直りを支援する活動を行っている。少年審判において,心身ともに未熟な少年を受容・理解したうえで,少年に対して法的・社会的な援助をし,少年の成長・発達を支援する弁護士付添人の存在は,少年の更生にとって極めて重要である。
2.子どもの権利条約第37条は,「自由を奪われた全ての児童は,弁護人と接触する権利を有する」と規定し,身柄拘束を受けた少年には,弁護士と接触する権利が保障されなければならない,としている。又,少年鑑別所に収容された少年は,少年院送致や児童自立支援施設送致等の重大な処分を受ける可能性が高い。しかし,現実には多くの少年や保護者には,弁護士付添人を選任するための費用負担の資力がなく,又,保護者が少年のためにこれらの費用を負担することに消極的な場合が多い状況がある。
3.非行を犯したとして家庭裁判所の審判に付された少年は,2008年で年間54,054人であり,そのうち観護措置決定により身体拘束された少年は11,519人に上るのに対し,弁護士である付添人が選任されたのは4,604人であり,身体を拘束された事件のうち,40パーセントに過ぎない。
4.日本弁護士連合会は,少年が希望すれば無料で弁護士が面会する当番付添人制度を全国で実施するとともに,すべての会員から特別会費を徴収して少年・刑事財政基金を設置し,これを財源として弁護士費用を援助する少年保護事件付添援助制度を拡充してきた。 当会においても,当番付添人制度を実施するとともに,被疑者国選弁護人が選任された事件については,家裁送致後も引き続き付添人をして活動しうる態勢を整備してきた。特に,平成22年10月からは,観護措置により身柄を拘束された全ての少年について,本庁以外の全ての支部においても,当番付添人の制度を拡大して整えた。
2.既に,成人の被疑者・被告人については,広範囲で国費による弁護人が選任されている状況であることと比較すれば,より必要性の高い心身ともに未成熟な少年についても,本来,国費によって弁護士付添人を選任できる権利を保障すべきである。既に述べたとおり,観護措置決定により身柄を拘束された少年については,事件の軽重を問わず,弁護士付添人の援助は必要不可欠である。よって,当会は国に対し,少年法を改正し,少なくとも観護措置決定により身柄を拘束された全ての少年を対象とする,国費による国選付添人制度を創設することを求める。
2011年(平成23年)1月17日 山形県弁護士会 会長 高橋 健

改正貸金業法の早期完全施行等を求める会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s006.html

経済・生活苦での自殺者が年間7000人に達し,自己破産者も18万人を超え,多重債務者が200万人を超えるなどの深刻な多重債務問題を解決するため,2006年12月に改正貸金業法が成立し,出資法の上限金利の引下げ,収入の3分の1を超える過剰貸付契約の禁止(総量規制)などを含む同法が完全施行される予定である。改正貸金業法成立後,政府は多重債務者対策本部を設置し,同本部は①多重債務相談窓口の拡充,②セーフティネット貸付の充実,③ヤミ金融の撲滅,④金融経済教育を柱とする多重債務問題改善プログラムを策定した。そして,官民が連携して多重債務対策に取り組んできた結果,多重債務者が大幅に減少し,2008年の自己破産者数も13万人を下回るなど,着実にその成果を上げつつある。他方,一部には,消費者金融の成約率が低下しており,借りたい人が借りられなくなっている,特に昨今の経済危機や一部商工ローン業者の倒産などにより,資金調達が制限された中小企業者の倒産が増加しているなどを殊更強調して,改正貸金業法の完全施行の延期や貸金業者に対する規制の緩和を求める論調がある。しかしながら,1990年代における山一証券,北海道拓殖銀行の破綻などに象徴されるいわゆるバブル崩壊後の経済危機の際は,貸金業者に対する不十分な規制の下に商工ローンや消費者金融が大幅に貸付を伸ばし,その結果,1998年には自殺者が3万人を超え,自己破産者も10万人を突破するなど多重債務問題が深刻化した。改正貸金業法の完全施行の先延ばし,金利規制などの貸金業者に対する規制の緩和は,再び自殺者や自己破産者,多重債務者の急増を招きかねず許されるべきではない。今,多重債務者のために必要とされる施策は,相談体制の拡充,セーフティネット貸付の充実及びヤミ金融の撲滅などである。そこで,9月1日に発足した消費者庁の所管乃至共管となる地方消費者行政の充実及び多重債務問題が喫緊の課題であることも踏まえ,当会は国に対し,以下の施策を求める。
1.改正貸金業法を早期(遅くとも本年12月まで)に完全施行すること。
2.自治体での多重債務相談体制の整備のため相談員の人件費を含む予算を十分確保するなど相談窓口の充実を支援すること。
3.個人及び中小事業者向けのセーフティネット貸付をさらに充実させること。
4.ヤミ金融を徹底的に摘発すること。
2009(平成21)年9月15日 山形弁護士会 会長 半田 稔

消費者庁・消費者委員会の人事に関する会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s005.html

1.2009年(平成21年)5月29日,消費者庁関連三法が成立し,消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて,消費者の利益の擁護及び増進を目的とする消費者庁が設立され,また,独立した第三者機関として消費者行政全般に対する監視機能を有する消費者委員会が設立され,両者が,相互に協力して職務に当たることが定められたことは,当会としても高く評価するところである。
2.ところで,次に問題になるのは消費者庁及び消費者委員会の人事である。消費者庁長官,消費者委員長,そして消費者委員人事が適正に行われなければ,せっかくの消費者庁設置による消費者主権の実現は,画餅に帰する結果となってしまう。これらのポストには,消費者庁設置の経緯・趣旨を理解し,あるべき消費者行政のビジョンを持っている人,そしてなにより,消費者事件の経験が豊富であって消費者事件に精通し,消費者の目線を持った人が選任されることが期待される。
3.特に,消費者委員会は,政府や官僚の意向で動く従来の行政とは決別した真に消費者のための組織運営が期待されているのであるから,その委員長人事には,国や政府,大臣は介入せず,法の規定に則り,各委員の自由な意思に基づく互選により委員長が選任されなければならない。
4.よって当会は,政府に対し,以下の各事項を要求する。
(1)消費者委員長については,委員の互選により決定されるものであることを改めて確認するとともに,これまで積極的に消費者問題に取り組み,経験が豊富な見識ある人物を選任すること。
(2)消費者庁,消費者委員会及びこれらの参与会の議事をすべて公開とし,市民や報道機関の傍聴を認めること。
2009年(平成21年) 8月 27日 山形県弁護士会 会長 半田 稔

司法修習生に対する給与支給の継続を求める会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s004.html

1.平成16年の裁判所法改正と付帯決議
平成16年の裁判所法の改正により,平成22年11月1日から,司法修習生への給与支給(給費制)に代えて,修習資金を貸与する制度(貸与制)が実施されることとなった。この改正にあたり,衆参両議院共通の付帯決議がなされ,改革の趣旨・目的が「法曹の使命の重要性や公共性にかんがみ,高度の専門的能力と職業倫理を備えた法曹を養成する」ものであること(1項),「給費制の廃止及び貸与制の導入によって,統一・公平・平等という司法修習の理念が損なわれることがないよう,また,経済的事情から法曹への道を断念する事態の招くことのないよう,法曹養成制度全体の財政支援の在り方も含め,関係機関と十分な協議を行うこと」(3項)として,弊害の防止が明記された。
2.裁判所法改正後の事情変更
裁判所法改正後,法科大学院が多数設立され,司法試験合格率は,司法制度改革審議会が期待した7,8割をはるかに下回り,平成20年度は33%にとどまっている。法科大学院への志願者は,前年度に比べて約6000名も減少している。法科大学院への志願者が減少している背景には,合格率の低下に加え,法科大学院の学費と在学中の生活費の負担など経済的事情があることも看過できない。そのうえ,司法修習生への給費制が廃止され,貸与制になれば,経済的不安により,初めから法曹への道をあきらめざるを得ない事態に拍車をかけることになる。まさにこれは,衆参両院が付帯決議で懸念していた弊害の現れである。ところで,民間人である医師の養成制度については,平成16年,国家試験に合格した医師に2年間の研修を義務づけるとともに,研修中はアルバイトなしで研修に専念できるよう新たに国家予算を導入する措置がとられることとなった。この措置により,従前から給費制廃止の根拠とされた2つの理由,即ち,非公務員である司法修習生への公費支給は極めて異例であること,及び法曹資格取得という利益を得るのであるからそのために経済的な負担をするのも当然であるとの考えは,その根拠の大半を失うことになった。
3.貸与制を再検討する必要性
司法制度改革審議会は,弁護士の役割について,「国民の社会生活上の医師」であることを求め,弁護士に社会的責任(公益性)の自覚を求めるとともに,21世紀の我が国社会において期待される「国民の役割」として,「統治の主体・権利主体である国民は,司法の運営に主体的・有為的に参加し,プロフェッションたる法曹との豊かなコミュニケーションの場を形成・維持するように努め,国民のための司法を国民自らが実現し支えなければならない。」と述べている。司法修習生は,裁判官,検察官として公務員になるのか,弁護士として民間人になるのかを問わず,このような21世紀の我が国社会において期待される法曹として,社会的なインフラ(基盤)である。給費制は,有為な人材の確保,司法修習への専念,公共心の醸成された人材の育成,あるいは,弁護士になった者の社会への貢献・還元という点から法曹の養成に重要な役割を果たしてきた。貸与制の実施は,このような法曹養成の理念を損なうことになるというべきである。
4.結論
よって,当会は,国会,政府及び最高裁判所に対し,平成16年の裁判所法改正後の事情の変更,及び給費制が法曹養成に果たしてきた役割をふまえ,給費制に代えて貸与制を実施する時期を,平成22年11月1日から相当期間延期したうえで,給費制の継続の措置を講じられることを強く求める次第である。以上
2009年(平成21年) 8月 19日 山形県弁護士会 会長  半田 稔

消費者庁関連3法の成立に関する会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s002.html

2009年(平成21年)5月29日,消費者庁及び消費者委員会設置法,消費者庁及び消費者委員会設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律及び消費者安全法の消費者庁関連3法が成立した。近年,悪質商法被害や多重債務被害など,多くの分野での消費者被害が次々と発生ないし顕在化しており,これら被害を救済・防止できない消費者行政の仕組みや体制の問題性が指摘されてきた。このような事態に対し,当会は,2008(平成20)年6月26日「消費者行政新組織の実現を求める会長声明」を発表し,山形県内においても,消費者行政新組織の実現を求める多数の署名が寄せられるなど,その実現が強く期待されていたものである。こうした中で,消費者庁関連3法が成立し,消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて,消費者の利益の擁護及び増進を目的とする消費者庁が設立され,また,独立した第三者機関として消費者行政全般に対する監視機能を有する消費者委員会が設立され,両者が,相互に協力して職務に当たることが定められたことは,高く評価される。当会は,今後も引き続き,消費者被害の予防と救済に全力で取り組むとともに,今後の課題とされた,消費者行政の基本ともいえる消費生活センター及び市区町村の相談窓口の相談体制の充実に向けて,全力を尽くす所存である。
2009年(平成21年) 7月 1日 山形県弁護士会 会長  半田 稔

死刑執行に関する会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s001.html

2009年1月29日,東京拘置所において1名,名古屋拘置所において2名及び福岡拘置所において1名の計4名の死刑確定者に対して死刑が執行された。これは,森英介法務大臣が就任してから2度目,昨年10月の執行に続き,3か月という極めて短い期間で死刑を執行する姿勢を示したものであり,誠に遺憾である。我が国では,4つの死刑確定事件(免田・財田川・松山・島田各事件)について再審無罪判決が確定し,死刑判決にも誤判が存在したことが明らかとなっているが,このような誤判を生じるに至った制度上,運用上の問題点について,抜本的な改善が図られておらず,誤った死刑の危険性は依然存在する。また,死刑と無期刑の量刑につき,裁判所によって判断の分かれる事例が相次いで出され,死刑についての明確な基準が存在しないことも明らかとなっている。さらに,死刑判決事案ではないが,2009年5月8日には足利再審請求事件において,弁護側及び検察側それぞれが推薦した鑑定人がいずれも確定判決により服役している受刑者と被害者の着衣に付着していた体液のDNAが一致しない旨の鑑定結果を裁判所に提出していることが明らかとなった。この鑑定結果は,確定判決の有力な証拠とされていた事件当時のDNA鑑定の証拠価値を揺るがすものであり,科学鑑定を絶対的証拠としては評価することができない場合があることを示している。この点においても死刑の執行には問題があるというべきである。また,2009年5月21日から裁判員裁判制度が実施されるところであるが,多くの国民から死刑判決の判断をすることに対する不安と戸惑いが表明されている。そこで,死刑に関する国民的議論を更に深める必要があり,その意味においても死刑の執行を当面停止する必要がある。当弁護士会は,2002年11月に発表した「死刑制度問題に関する提言」及び2004年10月に採択された「死刑執行停止法の制定,死刑制度に関する情報の公開及び死刑問題調査会の設置を求める決議」において,死刑制度の存廃につき国民的議論を尽くし,また死刑制度に関する改善を行うまでの一定期間,死刑確定者に対する死刑の執行を停止する旨の時限立法(死刑執行停止法)の制定を提唱してきた。当弁護士会は,改めて政府に対し,死刑制度の存廃を含む抜本的な検討及び見直しを行うまでの一定期間,死刑の執行を停止するよう,重ねて強く要請するものである。
2009(平成21)年5月19日 山形弁護士会 会長 半田稔

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余命三年時事日記 2246 ら特集山形弁護士会④ [余命三年]

余命三年時事日記 2246 ら特集山形弁護士会④
http://yh649490005.xsrv.jp/public_html/2018/01/11/2246-%e3%82%89%e7%89%b9%e9%9b%86%e5%b1%b1%e5%bd%a2%e5%bc%81%e8%ad%b7%e5%a3%ab%e4%bc%9a%e2%91%a3/ より

法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会「事務当局試案」に関する会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s019.html

2014年(平成26年)4月30日に開催された,法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会(以下「特別部会」という)の第26回会議において,事務当局試案(以下「本試案」という)が公表された。しかし,本試案には以下のとおりの問題がある。
1 取調べの可視化が不十分である
本試案には,取調べの可視化の対象について,裁判員制度対象事件の取調べに限定するA案と,裁判員制度対象事件に加えて全身柄拘束事件における検察官取調べとするB案が併記されている。A案では,特別部会設置の契機とされた郵政不正事件のほか,志布志事件,パソコン遠隔操作事件,痴漢えん罪事件など多くの事件が可視化の対象とならない上,裁判員制度対象事件は全公判事件の2パーセント未満に過ぎないことから,可視化は原則ではなく,例外的に行われるものとなってしまう。B案でも,司法警察職員の取調べや身柄拘束のない事件における検察官取調べを対象としておらず,えん罪の原因となってきた密室における取調べが残存することとなり,取調べの適正化を図り,被疑者の黙秘権を保障しようとする可視化制度の目的を達成することは不可能である。また,本試案は「記録をすることが困難であると認めるとき」「記録をしたならば被疑者が十分な供述をすることができないと認めるとき」等を可視化の例外事由としており,取調官の判断により可視化されない場合を広く認める余地を残している。本試案が示す取調べの可視化制度は,これまで当会が求めてきた,取調べの全事件全過程の例外なき可視化とはほど遠いものであって,容認できない。
2 通信傍受の対象拡大・手続簡略化には反対する
本試案には,「通信傍受の合理化・効率化」として,犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(以下「通信傍受法」という)の適用対象となる犯罪を,一定の要件のもとで現住建造物放火,殺人,傷害,逮捕・監禁,略取・誘拐,窃盗,強盗,詐欺,恐喝にまで拡大し,さらに,現行の通信傍受法が通信傍受時における通信事業者の立会を要件として規定している点を変更して,捜査機関が通信事業者の立会なくして通信を傍受できる制度が示されている。しかし,現行の通信傍受法が定める通信傍受それ自体が,憲法が国民に保障する通信の自由をはじめとして,思想の自由,言論の自由,結社の自由,プライバシー権等の基本的人権を侵害する「盗聴」であり,また,通常の捜査とは異なり,捜査の対象となる通信が特定されず,かつ,事前に捜査の対象者に令状が提示されない点で憲法35条が定める令状主義に違反している疑いが強いものである。通信傍受法制定時にも同様の議論があり,その結果として通信傍受の対象は組織的銃器犯罪や組織的薬物犯罪などごく一部の犯罪に絞られているのである。そのような通信傍受について,対象犯罪を現行法よりも大きく拡大し,さらに通信事業者の立会を不要とする内容に改正することは憲法違反となる可能性が非常に高いのであり,許されるものではない。本試案が法案要綱案としてこのまま取りまとめられたとすれば,国民の通信の秘密の保障やプライバシー権が侵害される事態が生ずる懸念がきわめて強い。当会は,通信傍受の対象拡大・手続の簡略化については断固反対するものである。
3 証拠開示制度が不十分である
本試案には,証拠の一覧表の交付制度が示されているが,この一覧表には文書の要旨(内容を職別できる程度の事項)の記載が求められていないから,その内容が不明である。また,同制度は公判前整理手続又は期日間整理手続に付された事件のみに適用されるものであるから,被疑者・被告人の権利保障の観点からは不十分と言わざるを得ない。当会が従前求めてきた全面的証拠開示制度の創設が検討されるべきである。
4 被告人の虚偽供述禁止規定は被告人の黙秘権・防御権を侵害する
本試案には,被告人の虚偽供述禁止の規定が示されているが,この規定があることによって,起訴事実を否認する被告人が黙秘をした場合には,裁判官・裁判員に,「黙秘するのは,犯行を否認する供述をすると虚偽供述禁止規定に違反するからだ。犯行否認が虚偽だから黙秘している。」との心証を抱かせるおそれが高まり,そのため被告人は,実際上,黙秘権を放棄して被告人質問に応じざるを得なくなることから,被告人の黙秘権,防御権を侵害する危険性が高い。以上のとおり,本試案には,捜査の適正化という特別部会の設置趣旨を踏み外し,取調ベの可視化や証拠開示は不十分なものにとどまり,さらに通信傍受という憲法違反の疑いのある捜査手法を拡充する等という,重大な問題がある。当会は,特別部会に対し,被疑者・被告人の権利保障を実質化する法制度を確立するという出発点に立ち戻っての議論を行うことを強く求めるものである。
2014年(平成26年)5月28日 山形県弁護士会 会長 峯田 典明

集団的自衛権の行使容認に反対する会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s018.html

本日,日本国憲法が施行されてから67年目となる憲法記念日を迎えた。日本国憲法は,前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」,「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して,われらの安全と生存を保持しようと決意した」とし,平和的生存権を宣言するとともに,第9条において,戦争を永久に放棄し,戦力は保持せず,交戦権も認めないとする徹底した恒久平和主義を規定している。そして,これまで政府は,憲法第9条のもとでも日本を防衛するため必要最小限度の自衛権の行使は許されると解しながらも,「自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を,自国が直接攻撃されていないにもかかわらず,実力をもって阻止する権利」である集団的自衛権については,必要最小限度の範囲を超えるものであって憲法上許されない旨表明し,この憲法解釈を30年以上にわたって一貫して維持してきた。ところが現在,政府は,これまでの政府解釈を大きく変更し,しかも憲法改正手続を経ずして,内閣の閣議決定により,集団的自衛権を容認しようとする動きを示している。しかし,この集団的自衛権の行使容認は,自国が攻撃されていないにもかかわらず他国のために戦争することを可能とし,戦争をしない平和国家としての日本の国の在り方を根本から変えるもので,恒久平和主義を基本原理とする憲法に明らかに違反する。また,このような憲法の基本原理に関わる重大な解釈の変更を憲法改正手続を経ず,時々の政府の判断で行うことは,憲法を最高法規と定め,国務大臣や国会議員に憲法尊重擁護義務を課して,政府や国会を憲法による制約の下に置こうとする立憲主義にも反し,到底許される行為ではない。よって,当会は,恒久平和主義を守り,立憲主義を堅持する観点から,政府の憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認の動きに強く反対の意思を表明するものである。
2014年(平成26年) 5月3日 山形県弁護士会会長峯田典明

商品先物取引法における不招請勧誘禁止緩和に反対する会長声明
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s017.html

1. 経済産業省及び農林水産省は,本年4月5日に「商品先物取引法施行規則」改正案(以下,「本規則案」という。)を公表し,これに対する意見公募を開始した。本規則案には,同規則第102条の2を改正することにより,商品先物取引において,当該業者との間でハイリスク取引を継続的に行っていた顧客に対してのみ認められていた不招請勧誘について,①他の業者とのハイリスク取引の経験者に対する勧誘,②熟慮期間等を設定した契約(顧客が70歳未満であることを確認した上で,基本契約から7日間を経過し,かつ,取引金額が証拠金の額を上回るおそれのあること等についての顧客の理解度を確認した場合)の勧誘については不招請勧誘禁止の適用除外とする内容が盛り込まれている。
2. しかしながら,商品先物取引は,もともとその仕組みが複雑で消費者に理解しがたく,かつ,リスクの高い取引であることに加え,悪質な業者が,突然の電話や訪問による勧誘によって,商品先物取引の知識や経験に乏しい消費者を取引に巻き込んできたことで,深刻な被害を与えてきた実態がある。このような被害を度重なる行為規制の強化だけでは防止できなかったため,顧客の要請に基づかない勧誘自体を禁止すべきであるという,消費者・被害者関係団体等の強い要望によってようやく,2009年(平成21)7月の商品先物取引法改正で不招請勧誘の禁止が実現し,2011年(平成23年)1月に施行されたばかりである。また,同法が改正される際の国会審議においては,「商品先物取引に関する契約の締結の勧誘を要請していない顧客に対し,一方的に訪問し,又は電話をかけて勧誘することを意味する「不招請勧誘」の禁止については,当面,一般個人を相手方とする全ての店頭取引及び初期の投資以上の損失が発生する可能性のある取引所取引を政令指定の対象とすること。」,「さらに,施行後1年以内を目処に,規制の効果及び被害の実態等に照らして政令指定の対象等を見直すものとし,必要に応じて,時機を失することなく一般個人を相手方とする取引全てに対象範囲を拡大すること。」との附帯決議がされている。ところが本規則案は,事実上,70歳未満の個人顧客に対する不招請勧誘を全面解禁するに等しいものであって,法が個人顧客に対する無差別的な訪問電話勧誘を禁止した趣旨を没却するものである。
3. 熟慮期間を設定することについては,かつて,「海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律」に類似の規定が設けられていたが,同法が適用される事案においても,熟慮期間を活用して被害救済された例はほとんどなかったという実情を考慮する必要がある。投資可能資金額を過大に記載させて,過大な取引を勧誘する事例や,習熟期間が経過したとたん,取引証拠金を目一杯利用した過当な勧誘が行われる事例が過去多数みられことからすれば,これらは不招請勧誘禁止規定の代替策となりえないものである。
4. さらに,過去のハイリスク取引の経験があったとしても,投機資金や余裕資金を喪失した顧客は,そもそも商品先物取引のような投機取引を行うにはふさわしくなく,過去のハイリスク取引経験者の全般に勧誘を拡大するような本規則案には賛成できない。
5. 不招請勧誘禁止規定の見直しについては,2012年8月に経済産業省に設置された産業構造審議会商品先物取引分科会が「不招請勧誘の禁止の規定は施行後1年半しか経っておらず,これまでの相談・被害件数の減少と不招請勧誘の禁止措置との関係を十分に見極めることは難しいため,引き続き相談・被害の実情を見守りつつできる限りの効果分析を試みていくべきである」「将来において,不招請勧誘の禁止対象の見直しを検討する前提として,実態として消費者・委託者保護の徹底が定着したと見られ,不招請勧誘の禁止以外の規制措置により再び被害が拡大する可能性が少ないと考えられるなどの状況を見極めることが適当である」と取りまとめている。しかしながら。現在も,個人顧客に対し,金の現物取引や損失限定取引を勧誘して顧客との接点を持つや,すぐさま通常の先物取引を勧誘し,多額の損失を与える被害が数多く発生していることが日本弁護士連合会の会員からも報告されており,商品先物取引業者の営業姿勢はまったく変わっていない。農林水産省及び経済産業省も,昨年12月に不招請勧誘禁止規定違反があるとして,ある商品先物取引業者の行政処分を行ったところである。現時点で,不招請勧誘禁止規制の緩和が許容されるような営業実態には全くないのであって,規制は維持されなければならない。
6. 本規則案は,そもそも透明かつ公正な市場を育成し,委託者保護を図るべき監督官庁の立場と相容れないものである上,「委託者等の保護に欠け,又は取引の公正を害するおそれのない行為として主務省令で定める行為を除く」(商品先物取引法第214条第9号括弧書き)とする法律の委任の範囲を超え,施行規則によって法律の規定を骨抜きにするものと言わざるを得ない。内閣府消費者委員会も本年4月8日付けで,本規則案が,「消費者保護の観点から見て,重大な危険をはらむものであることに鑑み,その再考を求める。」旨の意見を公表している。
1. 当会は,本規則案について,商品先物取引の不招請勧誘禁止規定を骨抜きにするような商品先物取引法施行規則の改正は,消費者保護の観点から手続的にも内容的にも到底許容できるものではなく,強く反対する。
2014年(平成26年)5月1日 山形県弁護士会 会長  峯田 典明


特定秘密保護法の廃止を求める決議
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s015.html

1. 2013(平成25)年12月6日,第185回国会において,特定秘密の保護に関する法律(以下「本法律」という。)が制定された。
2. 本法律は,国民主権の原理を揺るがし憲法が保障する諸々の基本的人権に脅威を与える懸念があることから,当会でも同年11月19日に会長声明を発するなどして警鐘を鳴らし,日本弁護士連合会や各地の弁護士会とともに,その制定に反対する意思を表明していたところである。当会等が指摘してきた本法律の問題点は,①行政機関の長が指定することのできる「特定秘密」の範囲が広範かつ曖昧であるため,その恣意的判断により本来国民に開示されるべき重大な情報が隠蔽される危険があり,しかも一度特定秘密に指定すれば半ば恒久的に秘匿することが可能となること,②「適性評価制度」の導入により幅広い国民の個人情報が収集され,国民のプライバシーの権利が危険にさらされること,③「特定秘密」の漏えい行為や取得行為については,過失犯や共謀,教唆,煽動まで広く処罰の対象となるうえ,国民の側からはそもそも何が特定秘密として処罰されるのかを予測することが困難なため,国民の国政に関する情報に対するアクセス,ことに報道機関の取材活動に対する萎縮効果は計り知れず,報道機関の取材・報道の自由,ひいては主権者である国民の知る権利を著しく損なうこと,④国会議員も処罰の対象であるため,特定秘密を知得した国会議員が当該秘密に関して同じ会派の議員や専門家に相談をすることすらできず,国会の行政に対する民主的コントロール機能を後退させること,⑤特定秘密の漏えい等に関して起訴された場合,対象となる特定秘密の内容が明らかにならない状態で裁判が進められ,適正な裁判を受ける権利までも失われるおそれがあることなどであり,他にも多くの問題点が存する。
3. そのため,本法律に対しては,日本弁護士連合会や各地の弁護士会のみならず,学者,報道機関,作家,映画監督などを含む広範かつ多数の国民から,本法律の制定に反対する意見や慎重な国会審議を求める声が続々とあがっていた。衆議院での採決前に福島市で開かれた地方公聴会では,7名の公聴人全員が反対の意見を述べたほどである。さらに国連人権高等弁務官からも,秘密の要件が明確でなく,これでは政府がどんな不都合な情報も秘密に指定できてしまうとの懸念が示されていた。
4. したがって,本法律案の国会審議は,そうした反対意見に耳を傾け,国民に対する説明を尽くして,慎重なうえにも慎重になされるのが民主国家として当然の姿であるところ,政府与党は,上記のような強い反対意見や慎重審議を求める国民世論を振り切って,本法律案が国会へ提出されてからわずか1か月半あまりの短期間のうちに,衆議院でも参議院でも採決を強行し,本法律を成立させた。これは,本法律の内容のみならず,手続的にも国民主権,民主主義の理念を踏みにじる暴挙といわなければならない。当会はこれに強く抗議する。
2. 本法律は2013(平成25)年12月13日に公布され,公布後1年以内に施行されることになっているが,上記のとおり本法律は,到底看過することのできない憲法原理に関わる重大な問題を数多く含んでおり,抜本的な見直しがなされるべきであって,その観点から当会は本法律の廃止を求めるものである。以上のとおり決議する。
2014年(平成26年) 2月28日 山形県弁護士会

適正な弁護士人口及び給費制復活を含む司法修習生への経済的支援を求める決議
ttp://www.yamaben.or.jp/html/semei_ketsugi/s014.html

決議の趣旨
1. 当会は,政府に対して,2014年より司法試験合格者を1,000人以下にすることを求める。
2. また,早急に給費制復活を含む司法修習生に対する適切な経済的支援を求めるとともに,新第65期,第66期,第67期の司法修習生に対しても遡及的に適切な措置が採られることを求める。
決議の理由
第1.適正な弁護士人口について。
1. 法務省の発表によれば2013年の司法試験合格者数は2,049人であった。司法試験の合格者は1990年までは年間約500人であったが,その後に増員が繰り返され,2002年から約1,200人,2004年から約1,500人と増加し,2007年以降は2,000人台に増加されてきた。この司法試験合格者数の増加は,司法修習修了後の判事補,検事への任官者数が増加していないため(逆に近年は減少傾向にある),必然的に弁護士人口の大幅な増加に直結し,2000年3月に1万7,126人であったところ,2014年2月に3万5,445人と14年間で2倍以上に急増した。そして,この弁護士人口の急激な増加は,司法修習生の就職難,新人弁護士の既存の法律事務所での研鑚(OJT)の機会の不足,ひいては法曹志願者数の激減などの様々な問題を生じさせた。そこで日弁連は,2012年3月15日の理事会で「法曹人口対策に関する提言」を決議し,「司法試験合格者数をまず1,500人まで減員し,更なる減員については法曹養成制度の成熟度や現実の法的需要,問題点の改善状況を検証しつつ対処していくべき」であることを提唱した。しかし,2013年12月の一括登録時点における弁護士未登録者数は584人,28.7%にのぼる一方,法曹志願者数の激減にも全く歯止めがかからないなど事態の進展は極めて深刻であり,法曹すなわち司法を支える制度自体が危機的状況にあると言わざるをえない。
2. 言うまでもなく基本的人権の擁護と社会正義実現をはかるためにわが国憲法における司法は重要な役割を求められている。特に弁護士は,民間職業人でありながら,憲法上刑事裁判において人権擁護のための重要な機関とされており,民事訴訟,行政訴訟においても,弁護士が代理人として具体的事件を取り上げて訴訟を提起し,法廷活動を行うことによってはじめて裁判所の人権擁護や,社会正義に資する政策形成がなされるのであり,司法制度における弁護士の役割は必要不可欠かつ極めて重要なもので公共的機関性を有するものである。従って,弁護士業務は,その職務に関して高度の資質が求められ(弁護士法1条第2項),国家権力からの独立性とその前提としての経済的独立性も必要不可欠なものである。新規登録弁護士の就職難が社会問題化していることは周知の事実である。既存の法律事務所における研鑚(OJT)の機会もなく,経済的独立すらおぼつかない新人弁護士が急増すれば,国民の基本的人権の尊重や社会正義の実現という弁護士の責務を十分に尽くすことができず,その不利益が国民に及ぶおそれを生じさせる。さらに法科大学院入学志望者数の推移にみられるように法曹志望者が激減している実情は,この問題が一刻の猶予も許されない極めて深刻な事態であることを示している。法曹志望者の激減の原因は,法曹資格取得後の就職や開業に十分な見通しを立てることができない司法修習修了者や新規登録弁護士の実情が明らかになっているためである。このような状況が今後も続く限り,将来法曹を担うべき有為な人材がいなくなることになり,司法が機能しなくなる可能性も否定できない。
3. 当会は,適正な法曹人口について山形県内の事情を加味しながら,2002年10月24日に平成14年山形県地域司法計画案決議をし,2009年2月27日には司法試験合格者数を1,500人程度にとどめるべしとの総会決議をした。すなわち,前記司法計画案においては,県内の需要調査を行なったうえで10年以内52名の会員数を80名に増員することが必要としたが(被疑者国選制度実現をひかえての政策的目的もあった),2009年の総会決議時点では,その増員の見通しがついたとして,適正弁護士人口を考慮しての1,500人決議であった。しかるにその後も当会の会員数は増加し,2014年2月時点では会員数90名となった。司法制度改革は,国民の法的サービスに対する利便性の向上の観点,すなわち弁護士過疎地域の解消も目的とされてきたところ,山形県内でも,本庁管内で59名,米沢支部管内で10名,鶴岡支部管内で9名,酒田支部管内で8名,新庄支部管内で4名の弁護士がそれぞれ活動しており,山形県内のどの圏域でも弁護士への需要に対して十分に応えられる体制が整っている。他方,山形県内人口は,1988年をピークに減少し続けており,2013年までに12万人以上減少しており,今後も減少し続けることが予想される。事件数においても,破産事件は2009年より急激に減少しており,一般民事事件ももともと横ばいあるいは減少傾向にあったものが,一時的には過払い金訴訟などの急増で全体として増加したものの,それらの事件の減少により全体の減少傾向がはっきりとし,今後増加に転じる要因はみあたらず,刑事・家事事件も明確な増加の傾向にはない。また,弁護士の増加を必要とするだけの活動領域が,訴訟事件以外の分野で大きく拡大しているという事実もない。当会会員の9割近くは民事法律扶助の契約弁護士となり,県民の法的需要に応えてきたが,2011年より扶助件数は減少に転じている。
4. 前述のような法的需要の減少は当会に限ったことではなく全国的な傾向である。日弁連が1,500人減員の理事会決議をした後も,司法試験合格者数は,2012年2,102人,2013年2,049人と2,000人台を維持しており,合格者増による前記弊害は解消されることなく拡大しており,まさに猶予のない状況である。このまま2,000人合格の場合は,法曹人口は2048年ころには8万6,000人ほどに,1,500人合格の場合は同じく6万6,000人ほどとなり,仮に1,000人に減員したとしても,2043年ころには5万人ほどとなり,いずれにしても弁護士人口が増え続けることは確実である。
5. 弁護士人口が既に供給過剰に陥っていることは,総務省による法曹人口の拡大及び法曹養成制度の改革に関する政策評価(2012年4月)によっても明らかにされているところである。
6. 従って,当会が1,500人減員総会決議をした当時から司法試験合格者数は2,000人台を維持したままでさらに状況は悪化していることから,2014年より直ちに1,000人以下に減員することを求めるものである。
第2.給費制復活を含む司法修習生への経済的支援について。
1. 司法修習生は,最高裁判所によって採用を命じられ(裁判所法第66条第1項),守秘義務を負うほか,司法を担う法曹としての高い専門性を修得するため1年間司法修習に専念する義務を負い(同法第67条第2項),兼業・兼職が禁止され,収入を得る道はない。また,司法修習生は,全国各地に配属され司法修習を行うため,現在の居住地とは異なる場所に配属され,引越費用や住居費などの出費を余儀なくされることもある。このような司法修習生の法的地位及び実態を踏まえ,新第64期及び現行第65期までの司法修習生に対しては,司法修習中の生活費等の必要な費用が国費から支給されていた(以下「給費制」という。)。しかし,2011年11月から司法修習を開始した新第65期の司法修習生から,給費制は廃止され,司法修習費用を貸与する制度に移行した(以下「貸与制」という。)。
2. 日本弁護士連合会は,昨年6月,新第65期司法修習生に対し,司法修習中の生活実態を明らかにすることを目的としてアンケートを実施した。このアンケートの集計結果によれば,28.2%の司法修習生が司法修習を辞退することを考えたことがあると回答し,その理由として,86.1%が貸与制,74.8%が弁護士の就職難・経済的困窮を挙げた。すなわち,司法試験に合格していながら,経済的理由から法曹への道をあきらめることを検討した者が3割近くもいる実態が明らかになった。さらに,司法修習生の月平均の支出額は,住居費の負担がない場合が13万8,000円であるのに対し,住居費の負担がある場合は21万5,800円であった。司法修習の開始に伴い修習配属地への引越が必要だった司法修習生は,約6割を占め,この場合には,引越費用等で平均25万7,500円が別途必要になる。山形の新第65期司法修習生に対するアンケート結果においても11名が,引越費用や就職活動のための交通費等の負担での生活は大変であったと回答し,貸与制による借金を抱えての将来に対する不安を訴えている。また,第66期に対するアンケート結果においては,今後の修習生活費に対する不安,就職難に対する不安,将来借金返済が可能か不安に感じている者がほとんどであった。以上のとおり,新第65期司法修習生及び第66期司法修習生に対する生活実態アンケートにより,貸与制の不平等さや不合理さが改めて明確になった。司法修習生の多くは大学及び法科大学院の奨学金等の返済義務を負担しており,更に貸与制による借金が加算されることになる。こうした経済的負担の重さや昨今のいわゆる「就職難」が法曹志願者を減少させ,有為で多様な人材が法曹の道を断念する一因となっている。
3. そもそも三権の一翼を担う司法における人材養成の根幹をなす制度負担について,本来財政的事情のみで私費負担とすべきではなく,前述のような将来に対する不安を抱えながらの司法修習は,司法修習制度の目的実現にとって悪い影響となることは否定できない。そして,前述したとおり,司法研修所を卒業した66期のうち,一括登録日に弁護士として活動するために必要な弁護士会への登録を行わなかったものが584人と過去最多になっている(その後の弁護士登録予定者を控除した未登録者数でも400人を超えている)。これは貸与制も含めた負担の増大と就職難が大きな理由と考えられる。
4. 2012年7月に成立した裁判所法の一部を改正する法律によれば,「司法修習生に対する適切な経済的支援を行う観点から,法曹の養成における司法修習生の修習の位置付けを踏まえつつ,検討が行われるべき」ことが確認された。これを受けて,昨年8月21日の閣議決定により法曹養成制度検討会議が設置された。同検討会では,法曹養成制度において司法修習は重要な役割を担っており,司法修習生を修習に専念させる必要性があることから,給費制が制度化されていたことや,法科大学院制度を導入したうえで給費制を廃止すれば,経済的に余裕のない者が生じるなど,給費制廃止の弊害も指摘されていた。また,パブコメでは,2,400件もの意見が寄せられ,その大多数が給費制の復活を求める意見であった。しかるに,同検討会は,貸与制を前提とした中間的取りまとめをし,修習専念義務を緩和して一部アルバイトを認めるなど,極めて不十分かつ不合理な内容となっている。
5. そもそも,良質な法曹に支えられている司法制度は,法の支配の確保と国民の基本的人権の保障のための重要な社会的インフラである。したがって,法曹養成は国が責任をもって行うべきものである。弁護士を含む法曹が,社会正義実現の担い手として地域社会の各方面で公共的な役割を積極的に果たしていることも,国家国民の負担により養成された者としての自覚の現れであるということもできるのである。
3. 当会は,有為で多様な人材が経済的事情から法曹の道を断念することがないよう,早急に給費制復活を含む司法修習生に対する適切な経済的支援を求めるとともに,新第65期,第66期,第67期の司法修習生に対しても遡及的に適切な措置が採られることを求めるものである。
2014年(平成26年) 2月28日 山形県弁護士会

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